公共冷蔵庫の始め方
はじめに
地域の食べきれない食品を集めて、子供の貧困世帯に食糧支援として提供するための倉庫を、公共冷蔵庫と呼んでいます。
2020年に北長瀬エリアマネジメントさんによって、初めて日本で始まりました。それが北長瀬コミュニティフリッジです。そこからコミュニティフリッジは2024年5月現在で14箇所、他にもコミュニティパントリー、サステナブルパントリー&フリッジ、みんなの冷蔵庫など、様々な名前で公共冷蔵庫が広がっています。
下の動画は、コミュニティフリッジの中の一つ、コミュニティフリッジ草加です。
この公共冷蔵庫の始め方は、日本フードリカバリー協会が提供する【ペイフォワードパントリーシステム】を使って、公共冷蔵庫を開設する方法について解説しています。システムが無料で使える事で、少しハードルを下げることができると考えていますが、まだまだ課題は多いです。皆さんと一緒に、すべての自治体に公共冷蔵庫がある世界をつくることを目的としています。
ペーフォワードパントリーシステムとは?
本システムでできる事
・利用者、提供者、管理者との合意事項の確認
・利用者の受付、登録、管理
・提供者の受付、登録、管理
・在庫管理
・ペイフォワード(恩送り)の管理
ペイフォワードパントリーのルール
以下の内容はnote別ページにあります。
・利用者との合意書
・食品提供者との合意書
・システム管理者との合意書
※これらは【規約に合意する】にチェックをいれた方のみ、システムに登録することができます。
公共冷蔵庫を始めるために必要なもの
最低限必要なもの
電子ロックが取り付けられる倉庫、又は部屋(空調完備)
電子ロック
食品陳列棚
POP(お一家族〇点まで)等
メールアドレス(利用者とのやり取りをするもの)
あった方がいいもの
冷蔵庫、冷凍庫
防犯カメラ
WIFI
コミュニケーションボード
食品寄付受け取り用の棚
運営コスト
家賃
電気代
WIFI
電子ロック電池代
POPの紙、マジック
修繕費
引き取り交通費
有償ボランティア又は障がい者施設への運営委託費
公共冷蔵庫の設置場所
以下の条件が好まれる傾向にあります。
・人通りが多いところよりも、人目につかないほうが好まれます。
・アクセスのよい場所のほうが良い
・駐車場があった方がよい(遠方からも来る方が多いです)
・納品のしやすさも考えた方がいいです。
大きさは、食品を補完する倉庫が別途あるかによって変わりますが、保管場所も兼ねるのであれば、6坪以上、都度、品出しして渡すだけなら3坪で充分です。
利用者の集め方
自治体の児童扶養手当、就学援助の窓口にチラシを置いてもらうことが効果的です。市の広報などに掲載してもらうか、地域ごとにある記者クラブに開設のお知らせを持っていくことで、メディアで紹介してもらえると、利用者の早期獲得につながります。利用規約の対象の範囲であれば、クローズドで、支援したい方を限定することもできます。登録前に、都度面接をする団体もあります。
食品の寄付の集め方
①それぞれの地域の食品を扱う企業へお願いに行きます。メーカー、問屋、スーパー、食品運送業者など、様々な場面で流通から外れる食品があります。
②賞味期限切迫による備蓄食品の入れ替えは、企業、町会、学校、自治体では定期的にあります。
③企業内フードドライブで食品を集めてもらいます。銀行や、建設会社など、協力してくれる企業は多いです。
④明治安田生命、ファミリーマート、コストコは、食品提供するための仕組みを社内に持っています。問い合わせをしておくと、他の団体がいなければ、対応してくれます。
⑤日本フードリカバリー協会の有料フードバンク事業で集めた食材は、公共冷蔵庫へ優先して配布する予定です。
お金の寄付の集め方
コミュニティフリッジ草加では
・企業からの寄付金(100万程度)
・ガバメントクラウドファンディング(2024年度)
・一般の方からの寄付(コングラントにて2024年度より)
多くの企業や、助成団体が、助成金を用意しています↓
https://www.jfc.or.jp/search_page/
運営のための準備
①食品寄付の受付、保管スペースの確保(草加では、商工会議所が受付となっています)
②公共冷蔵庫の場所の確保
③設備の設置
④利用者募集チラシの配布場所の確保
⑤食品寄付企業へのお願い
⑥フードリカバリーシステムの申し込み(審査があります)
⑦運営資金の確保
日々の作業
①利用者、提供者の登録作業
②寄付の受け取り
③食品の検品、登録、品出し
④掃除、メンテナンス
⑤メール、問い合わせ対応
⑥企業への食品提供のお願い
システム申し込み方法
2024年6月~8月、リリース予定
ホームページから申し込みとなります。