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百貨店催事で短期間で高収益を実現するまで#1

こんにちは。
私は、飲食店での幅広い業務経験をもとに、現場に入り込んでお客様目線からの業務改善を行い、利益率アップと従業員満足度の向上を図る店舗コンサルタントです。

今日は、「百貨店催事で短期間で高収益を実現するまで#1」、という内容について、記事にします。

こうやってnoteの記事を書く際に、私の紹介として記載している文章をよく見返してみると、まさにこれが自分の理想だなと改めて感じました。

先日販売を行った百貨店催事に沿って、照らし合わせていきます。

飲食店での幅広い業務経験をもとに、現場に入り込んでお客様目線からの業務改善を行う

今回の百貨店催事では、メーカーさんから玉子サンドの実演の依頼がありました。

メーカーさんとは過去2回、百貨店催事に初挑戦するところから
ご一緒させて頂きまして、売場作りや販売のノウハウ構築を一緒に行ってまいりました。
この時は、実演が無く、冷蔵ショーケース越しの試食販売のみでした。

名古屋での百貨店催事から実演が始まりましたが、自分は不参加だったこと、また遠方という事で、イメージも全くできない状況でした。

今回自分がやるにあたり、イメージ出来ることは、
過去のフードイベントの経験から、実演枠は広くはないということは想定出来ましたので、狭いスペースで生産性を上げるためにどのようにしたらよいのかを考えました。

サンドの工程は、
1,パン2枚に辛子マヨネーズを塗る
2,パン1枚にキャベツの甘酢漬けを乗せる
3,その上から厚焼玉子を乗せる
4,厚焼玉子に辛子マヨネーズを塗る
5,もう1枚のパンで挟む
6,切る
7,箱に詰める

です。

一度テストで作らせて頂いた時に、6の切る工程の際に、
パンと厚焼玉子の接地面(辛子マヨ)が包丁を入れた際にズレることを
発見していました。
挟んだ後にひっくり返す工程を入れて、カットの際にパンが滑らないようにしました。

私は常に課題点は何かを見つけることと、課題点はどうしたら解決するかを考えています。

世界のトヨタが英単語にした「改善」「kaizen」

百貨店催事という短い期間での非常設店において、
与えられた現場、レイアウトでどのようにして収益を上げるべきか。

これは催事の撤収作業を経験すると、イメージ出来るかと思いますが、
それまで1週間なり10日間なり勤務したブースに、段々と慣れてくるんですよね。そこが自分の居場所として。
ただ、撤収の際に、30分程で解体が終わり、「祭りの後」のような状態で、
お世話になった方々に挨拶をして帰ると、
もう2度と同じ状況の無い催事の儚さを感じる時です。

前職の経験で10日間1ブース400万円以上の売上を出したことがあるのですが、その時の撤収は感慨深いものがありました。

催事店舗で非常に大事なことは
始まるまでの想像力と
始まってからの判断力、実行力
だと考えています。

ここまでの2回の会期で販売方法については、
型が出来つつありましたので、ここからは確立することだと考えていました。

玉子サンドのオペレーション構築

今回は、自分の中で、玉子サンドの生産オペレーションの確立を
至上命題として臨みました。
別に誰に言われたわけでもありません。
ただ、自分の強みを活かすのは何か。
問題として挙がっているものを自分の強みで解決することが出来れば、
それが一番成果に近道だと考えています。

難しい点は、あくまでも自主的に始める中で試行錯誤が必要なので、
いかに低コストでチャレンジできるかです。

今までの経験から、効率よく商品を提供するには、
1,同じ動作をすること
2,手元を広くしておくこと
3,事前に準備出来るものはしておくこと

ランチの水をタワーで積んで置いたり、御膳の食材を盛り置きしておくことは、繁盛店で経験してきました。

そこで考えたのが、サンドのタワーを作ることでした。

特に、マヨネーズを塗る工程は、手も汚れて非常にストレスで、
重ねることもできません。
(今回色々試した中で、<しゃもじ>を用いると塗りやすいです)
どうやって、タワーを組むか、発泡スチロールか箱か積木かなんて
考えていると、寝る前にふと気づくんですよね!笑

考えたタワーが、こちらです!
ハレパネと紙コップのタワー。


▲催事ブースで狭いスペースを有効活用する方法(FooDP:藤田康広)

売場の都合もあって、販売数を見ながら作っていきましたが、
90分で20箱の製造が出来ましたので、専念すれば1日の営業で100箱以上は作れる計算です。
紙コップは100円ショップ、ハレパネは1枚300円以下で手に入れました。

お客様へのヒアリングは大事!装飾は刷り込み!

このサンドが大人気でした。
今までは朝~正午くらいまでしか売れないと考えていましたが、
お客様にヒアリングすると「夜ご飯に食べる」という方も。
こちらが勝手に利用目的を決めてしまってはいけません。
事実、13時~14時にかけても多くのお客様がサンド目当てでいらっしゃいました。

そして、今回実演ブースの装飾をほぼサンド一色にしたことも効果に繋がりました。
実演ブースの展示物は刷り込み型の広告と同効果と考えます。


▲実演ブースの展示物は刷り込み型の広告と同効果(FooDP:藤田康広)

今回は、チラシ掲載も「あごだし巻」でしたが、最終日が近づくに連れて、
「玉子サンドが美味しいらしいと噂です」とのお客様の声が聞こえてきました。
百貨店関係者様、同会場での出展者様にも好評でした!

売れない時間を売れる時間に変える方法

いままでの催事と言えば、売れる時間と売れない時間の波が大きい。
そして何より予想が難しい!!
各百貨店によってお客様層も違いますし、来場理由も違う。
今回は、60周年記念ということで百貨店も大々的に広告をしていたため、
意外にも夜でも集客がありました。(新宿駅直結というのも強みでした)
一方で弱かったのが、14時~17時近くでした。
(朝一番も弱めですが、オープンと同時に目の前に出来るラーメン店の行列に対して、「ラーメンをお待ちの皆様~」と名指し?ターゲティングでアピールすることで注意を引くことができました!→〈注意〉の話はまた後ほど。)
この弱い時間帯は、今まで売れない時間と諦めていました。
ただ、催事期間中は、売上を上げ続けることの方が大事だと気づきました。

それは、成田さんhttps://note.com/naritanaoto

がABCマートで実践されていた、時間ごとの売上を追って、足りていない時にアクションプランを経てて実践することにヒントがありました。


今回の催事では3時間ずつの売上目標を立てました。
サンドが売れる見込みの午前中は高い予測にしていましたが、
予想と反して午前中から夜までムラなく売れ続けた日もあり、
売上予測の難しさを痛感します。
ただ、3時間毎の目標設定とアクションプランの設定のお陰で、
予測よりマイナスになっている時間に対するカバーを素早く取ることができ、1日の予想売上の達成に繋げることができました。

ここはこれからも課題ですが、やはり一番はプロパーで売ることです。
ただ、このまま弱い時間を過ごしていては変わりません。
そこで、試食ばかり出て購入に繋がらない14時からセット販売をすることにしました。
ボリュームディスカウントで少しおトクです。
これがハマり、他のブースが閑散としている中でも興味を持っていただいたお客様に購入して頂けました。

基本はAIDMAの流れ

催事販売の基本の流れは以前の経験から、AIDMAの順番で接客をしていくことです。
まずは、Attention(注意)。
先ほどのラーメンを待つお客様に「ラーメンをお待ちの皆様~」とお声がけしたこと、笑われることも多かったですが、試食を運んだりすることで、列を待っているお客様に対して5件以上販売をしました。
ラーメンを食べ終わってから戻ってきたお客様もまた多かったです。
ブースの前は数秒の勝負です。
いかに注意を引くか、直接お客様のことを呼んであげることが一番です。

続いてInterest(興味)。
商品として特徴なことは「長崎ならではのあご出汁を使った出汁巻き玉子」ですが、パワーワードは「数量限定」「いまだけ」でした。
特に残り10点を切った後の「残り〇点です~」は、超パワーワードでした!
残数が分かりやすい且つ残数を更新しやすい仕組みのPOPが有効です!
特に100円ショップの硬質ハードカバーとホワイトボードマーカーを活用すれば、簡単に更新できます!

ここで、興味を持ってもらった方に試食をしていただきます。
Desire(欲望)。
試食中は話しかけないことがポイントです。
そして、味の感想は【共感】すること。
製品の特長は事前にしっかり把握しておくこと。
商品が美味しいのは間違いないので、
どうしてそういう味になるのか、どうしてそういう食感になるのかを
お伝えすると、共感も深まります。

Memory(記憶)。
本来は覚えてもらうことですが、催事の場合は、覚えてもらうことよりも
思い出してもらうこと。
転じて想像してもらうことと考えています。

玉子焼の消費期限がいつまでなのか、何カット分で何人前になるか。
地域によって、ご家族連れが多いエリアですと、喫食される方も増えますので、ハードルは下がります。

Action(購入)。
お客様が悩んでいらっしゃるときは、お声がけしないこと。
一緒に悩んであげましょう!

試食販売について

この一連の流れの中で、どこでお客様が離脱されるかをしっかりと見ておくことがポイントです。
時間によってお客様層・来店動機が異なりますので、常にお客様の動向を意識しておくことこそ大事なポイントです。

最後に試食についてですが、やみくもに配らないこと。
試食と販売数の割合をしっかり意識することが大事です!
て購買意欲が高いお客様もいらっしゃれば、「美味しそうなものがあったらあわよくば買おう」くらいの方もいらっしゃいます。いかに購買意欲の高い方に試食して頂けるかは、お客様のお荷物にヒントがありました。

機会損失を無くすためには製造サイドとのやり取りが必要

初日の時点で売上が良かった今回(結果会期で一番良かった日でした)。
次の日は雪模様の新宿で集客は鈍りましたが、
土日は1.5倍くらい見込めるとの百貨店の方のお話でしたので、
早めに在庫計算をして、不足すると予想。
メーカーさんとのやり取りも積極的に行いました。
九州からの配送は中1日掛かってしまう点、
生産の休業日も考えて、やり取りをしないといけません。
私は、前職で工場長として生産の現場を見ていたので、
現場と製造のどちらの苦労も把握しています。

ここで大きなポイントが、【売場側にどこまでのストックスペースがあるか】です。
売上が予測できない中では、会期の序盤は多めの発注、週明けに在庫の調整をしていくことがセオリーですので、多めの予測を立てました。
今回は、百貨店の屋上にプレハブ冷蔵・冷凍庫も完備されていましたので、スペースには困りません。
今までは行ってみないとわかりませんでしたが、
今後は会期前から情報を手に入れて臨みます。

今後について

サンドの生産オペレーションに関しては、器具の選定をブラッシュアップしていくこと、そして、如何に売り切れなく在庫を持ち続けられるかがポイントです。
且つ最終日に全商品完売するまでの絶妙な在庫管理と毎時間売上を維持することです。
次回は今月末の茨城・筑西!
また新たなチャレンジをしていきます!

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