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【食の本を読む】辻和成 著「高橋和之[料理自己流]」

ミシュラン3つ星「カンテサンス」のシェフ岸田周三氏は、本書を読んで高橋和之氏が総料理長を務める志摩国際観光ホテルに最初の就職を決めたそうです。

この高橋和之氏というのは誰か。15際で料理の世界に入り、若くして志摩国際観光ホテル総料理長になった評価の高いシェフです。同じくフレンチの世界で名を知られるオーナーシェフ、三國清三氏をあつかった「おしゃれな舌」という本でも、「伊勢・志摩の素材を使って独自の世界を作り上げた評価の高いシェフ」と紹介されています。

◆30才を過ぎて初渡仏、これまでの勉強ノートをすべて廃棄

本書で印象的なのが、高橋シェフが30才を過ぎて初めてフランスに渡り、現地での料理に衝撃を受けるところ。帰国後、高橋氏はこれまで書き溜めてきた料理に関するノートをすべて廃棄し、もう一度自分の料理を構築することを決めます。

すでに高い評価を得ているシェフが、これまでの自らの料理を否定し、新たな世界を再構築することを誓うのは大変勇気の要ることです。

仕事に向かうプロの姿勢の厳しさを垣間見た気がしました。

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