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オリエンタルランド287億円の赤字(20年4月~12月期)でレジャー関連企業の苦境際立つ。

今日のコラムも最近の日経新聞の話題から。
「OLC、赤字287億円 
 4~12月最終 入園制限など響く」(日経新聞1月29日号より)
レジャー関連企業が苦境です。
外食業も苦境であることには変わりませんが、
レジャー関連施設は、規模が大きいだけに
密を抑えて休業や入場制限などをかけたら
一気に莫大な赤字が発生するのが道理です。
日本最強にして最大のレジャー施設とは
ディズニーランドとディズニーシーです。
オリエンタルランド(OLC)という会社が運営しています。
この会社の4月~12月の決算が1月28日に発表され、
最終損益が287億円の赤字となりました。
前年同期は709億円の黒字でしたから
前期に比べて1000億円近い減益です。
2020年4月~12月の売上高は前年同月比で65%減の1371億円と発表されました。
決算期の2021年3月期通期では511億円の最終赤字の業績予想は据え置きとの事。
今後の見通しも厳しい。
7月からの入園者の数を引き上げ「GO TO」効果もあり、
赤字幅が縮小していましたが、
今年1月に緊急事態宣言発令で、政府の要請もあり
1日あたり1万人と平時の1割の水準に制限しています。
12月は1日4万人でしたので、12月の4分の1です。
今後コロナが収束するまでは、内部留保金の取り崩しの戦いが続きます。
1年間で511億円の赤字を出してしまってディズニーランドは大丈夫なの?
という声もありますが、これについては全然心配はありません。
昨年の年末時点での手元資金は2860億円あり、
今期のような511億円の赤字が続いても5年は持ちこたえる事ができます。
この手元資金の他にも、
銀行から融資枠2000億円と、
社債発行枠1000億円の
合計3000億円にもまだ手をつけていません。
この3000億円を入れたら大体10年は持つことになります。
ディズニーランドは若い人だけでなく、
東京ディズニーランド開園の1983年以降、若い時代を過ごした
私たち50代世代も、楽しめるレジャー施設です。
当時、竹下登総理大臣の「ふるさと創生」資金で
市町村に1億円ずつが配られ、
その1億円を元手に地方でレジャー施設が雨後の筍の様に出来ました。
その頃できた「なんたらランド」はほぼ全てが閉園に追い込まれる中、
唯一の勝ち組がディズニーランドとユニバーサルスタジオと言われました。
1億円に少しお金を足してのレジャー施設は軒並み苦戦しました。
ディズニーランドは建設費用に3000億円がかかったと言われています。
レプリカの町ですが、レプリカも本気でお金かけて作ったら
本物に見える。
大いなる虚構は真実より真実となる。
を地でいく出来栄えに日本人は熱狂してきました。
ディズニーランドですら巨額の赤字を出して
先行きが見えず、スタッフの解雇を余儀なくされています。
他のレジャー関連施設はもっと苦境です。
カラオケ「まねきねこ」を運営するコシダカホールディングスは、
最終黒字転換としていた21年8月期の通期予想を「未定」に変更。
1月の売上は12月の半分にまで落ち込んでいます。
「カラオケの達人」を運営する鉄人化計画は20年11月末時点で
400万円の債務超過に陥りました。
今後、レジャー施設、飲食店、旅館などを中心に
コロナ倒産は増加することが予想されます。
ディズニーランドも、平時の1割しか入場できなければ
当然、赤字は続きます。
しかし新型コロナさえ収まってくれさえすれば
また莫大な収益を出す可能性は高いと考えます。
新型コロナ災禍の中で生き残る条件は
① 地域密着型
② 差別化された商品を持つ
③ ホスピタリティに溢れた積極
の3つだと考えています。
実際、クラウドファンディングで先食べ、先飲みでお金を集めているのは
地域密着で、名物商品があって、
スタッフ(おやじさんやおかみさん)の人柄が愛されているお店です。
ディズニーランドのホスピタリティは日本有数。
東日本大震災があった夜、ディズニーランドで泊まったお客さんに
お土産物屋さんで売っているクッキーやお菓子類を、
「当面、ランドは閉園になるから」との判断から配ったという逸話は
当時、本当にディズニーランドで泊まった方から何度も聞きました。
彼ら彼女らは一生、OLCの熱狂的なファンを続けるでしょう。
本当に困ったとき、本当に窮地に追い込まれた時、
お客さんの事を考えて行動ができる会社こそ
ホスピタリティのある会社です。
そういった意味で、OLCは、生き残る会社です。
私は行きませんが(笑)、東京ディズニーランドは、
日本人にとって100年後も夢の国であり続ける可能性は高いと思います。
それにしても新型コロナ災禍。
戦勝国なき戦争です。
1日も早く平和な毎日が戻ることを願ってやみません。
それでは。

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