不気味な夢

珍しく教室に一番乗りした。
次は誰が来っかなぁ、桐生あたりか?

窓際で頬杖をついて外を眺める。
お、楡井きた!
なんでそんな嬉しそうに歩いてんだよ。
手広げて、頭揺らして、スピード遅くて
小学生みたいだな

うわ、杉下来た
楡井気づいてねえな
ヤバ、すぐ後ろに追いついてんぞ。
え!あいつ何する気だ
オレは窓から身を乗り出していた。
ぐはは おもしろ〜
杉下が楡井に膝カックンしやがった。
楡井、転んでんだけど。
お、優しいな杉下
お前、人に手を差し伸べる奴だったんだな
てかアイツら意外と仲良いのな
杉下がニヤニヤ笑ってやがる。
楡井が杉下にイジられてんのなんかいいわ

あ、桐生と柘浦きた
この二人も仲良いな
身長差すげえな
柘浦と並ぶと桐生ってこんな小っさく見えんだな
まあ、オレも桐生と同じくらいだし人のこと言えねえか。
はあ?
何してんだあいつら
柘浦の片腕に桐生がぶら下がって揺れてんだけど。
サルかよ!
桐生めっちゃ笑ってるし
ブランコみたいでちょっと楽しそうかも
つか、柘浦の筋肉マジすげえな
腕だけで人持ち上げられるって筋力バカだ

残るは蘇枋か…
と思った瞬間

「俺はココにいるよ」

ぎゃああぁぁぁぁーーーーーーー

蘇枋がオレの横に立っていた。

「な、なんでお前がいんだよ」
心臓‥‥オレの心臓が‥‥‥
今のはマジで止まったぞ。
「なんでって、俺の教室だし」
なんでそんな涼しげな顔してんだよ。
オレの衝撃返せ。
「そういうことじゃねえ。いつからいたんだ?」
「いつからって、ずっといたけど」
「は?ずっと?オレが来た時もいたのか?」
「さあ、どうだろうね」
「なんだよ、教えろよ」
「まあまあ」
これは…居たっぽいな

マジかよ。
全然気づかなかった。
気配なさすぎるわ
マジ怖いなこいつ。

「そんなおっかないものを見るような目で見ないでよ。ひどいなぁ」
「お前が悪いんだろ。居たなら声かけろよな」
「だってー、桜君なんか楽しそうに外見てたから邪魔しちゃ悪いかと思って」
「やっぱり居たのかよ」
どこに隠れてたんだ?
オレが教室入った時は誰も居なかったはずなのに
「俺さ、透明になれるんだ」
「はは、さすがに無理あるわ。ホラ吹き野郎」

え、蘇枋?
どこ?
一瞬にして蘇枋が消えた。
今さっき蘇枋がいた所に手を伸ばしてもなにもない。
周りを見渡しても、教室にはオレしかいない。
どこいった蘇枋

「すおう?」
「桜君」
振り返ると、ニヤリと笑う蘇枋の顔だけが宙に浮いていた。

ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ

パチッ

「夢か‥‥‥‥」


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