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サービス業のDX化は間違いだらけ

外食産業においても生産性向上のためDX化が騒がれている。
展示会で登場するのは、接客ロボットや配膳ロボットばかり。
これって本当のDX化(デジタル・トランスフォーメーション)と言えるの?

もしも本気でロボット活用を考えたら、配膳ロボットは大型店舗で通路幅に余裕があり、段差のない店舗に限定される。ほんの一部の店舗にしかメリットがない。

明らかに、現場を知らない頭で考えたツール(道具)になってしまっている。
私だったら、ラーメン店に配膳ロボットが店内をウロチョロしていたら、邪魔なので蹴飛ばす。
かなり残念なことである。

これからの時代は、現場の人間がITとプログラミングを勉強して開発しないといけない。
ある程度のチェーン店になるとシステム要員の確保が必須になる。
メーカーやソフトハウスにお任せの時代ではない。

そこで、改めて外食産業やサービス業においてDX(デジタル・トランスフォーメーション)化について考えてみました。

■デジタル化の秘訣は神経機能にある


サービス産業においてエンジンやモーター利用にメリットはない。
人間に例えれば、手や足の機能の強化よりも神経機能に取り組むべきである。
調理ロボットや配膳ロボットが最新テクノロジーではない。

AI(人工知能)を活用しビッグデータを使った売上予測や自動発注システムなどの最先端技術を考えてしまっている。
いきなり、このような技術を使うためにはソフト開発や経験が必要になってくる。
まずは、足下のデジタル活用を考えるべきである。

同じサービス業の銀行業務の合理化が参考になる。銀行では書類が山ほどあるが、書類運搬ロボットなんていない。
代わりにコンピューター上にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ソフトを使用して手書き契約書の自動読み取り、書類審査の不備チェック、契約管理業務等に活躍している。
おかげで店舗の統廃合や窓口業務、管理業務スタッフ削減が進んでしまった。

具体的には、データの手作業入力集計業務の自動化をする工夫することから始まる。
飲食店の業務内容としては、店長の負担になっている業務・・・
売上報告、売上分析、仕入集計、シフト管理、タイムカードデータからの勤怠・労働時間管理等である。

■手作業で集計する時代は終わった


昔は勉強という名目でエクセルにデータを入力して報告書を作成していた。
外食のDX化のコツは集計作業の自動化、意思決定用の管理表の自動作成にある。
今どきEXCELに手入力しているようでは、遅すぎる。
そんな余裕時間は今の店長にない。

テレビコマーシャルではないが、“昭和かよ!”と言われてしまう。

過去はデータ集計後に印刷された資料を基に対策を考えていた。
現在はデータ分析から行動に結びつける時代に変わった。

過去はすでに終わったデータの記録をみて次月を予測して対策を打っていた。
現在は日々の時間毎のデータをみて仕込み、販促を変えていく時代に変わった。

1ヵ月前の過去データからバックミラーを見て経営していた。
現在はフロントから前を見て、一歩先を見据えて経営する時代となっている。
過去の集計データで翌月の対策を考える⇒
日々刻々の現在データで1時間後の対策を打つ(次の時間帯のご飯の炊飯量、パンの焼成量、スープの仕込み量の調整、冷凍食品の解凍数、仕込みカット量の調整)

■BIツールの活用


リアルタイム(時々刻々)集客分析ツールとしてBIツール(Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略)がある。

BIツールとは、店舗に蓄積された大量のデータを集めて分析し、可視化やグラフ化することにより、迅速な意思決定を助けるのためのツールです。

分かりやすく例えるならば、今までグラフや分析をエクセル表計算でいちいち入力・分析していたことを自動で行ってくれるツール。

事例を挙げると、今まで表やデータ報告書を人間が意思決定できるようにグラフ化して表示する機能です。
グラフ化により、お客様のアンケート結果から値上げは10%アップぐらい認められることが一目で分かります。

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分かりやすい例え方では、エクセル自動実行の巨大マクロソフトです。

教訓:デジタル化の秘訣は神経機能にある、
バックヤードの業務をできるだけ自動化しよう。ロボット化ではないですよ!

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