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つるのこのこ

しらけ鳥飛んでいく南の空へ~♪ なんて唄っていた小松政夫さんは博多の生まれ

博多と云えば、「山笠」です。初夏のお汐井取りから追い山まで、山のぼせが博多の街にあふれます。

その追い山のゴール地点にあるのが和菓子の老舗「石村萬盛堂」です。

冒頭の小松政夫さんは中学時代から住み込みで働いていたそうで、高校卒業後、俳優を目指して上京する際には

前借りを頼む小松さんに相当な額のお餞別を奥さんが出してくれたというエピソードがあります。

創業115年 博多の老舗である石村萬盛堂の名物はマシュマロ菓子「鶴乃子」です。

そういえばバレンタインデーのお返しをする3月14日をマシュマロデー(のちホワイトデー)と名付けたのも石村萬盛堂の主人と言われています。

最盛期には、140店舗70億円超の売上げを上げていましたが、同業他社との競合や新工場建設費の負担などで経営が悪化していました。その立て直しに、地場企業グループが名乗りを上げ、旧法人を清算、新会社設立とハードランディングでしたが、ブランドは存続しました。

山笠の廻り止めにあった本店には、新しくホテルが建ちました、その1階にはデザインを一新した「石村萬盛堂」が出店。廻り止めの計時場は、祭りの際には張り出すギミックが盛り込まれています。

これらの一連の流れを見ていると、博多の商人魂の熱さが伝わってきます。

会社を大きくした3代目石村善悟社長(2020年4月に逝去)が、山笠をはじめとした地元の振興に力を注いでいたことも、「石村萬盛堂」の名前を残す後押しになったのだと思います。

また小松政夫さんの様に従業員に愛情を注いでいたからこそ、製品やブランドも愛されてきたのだと感じます。

先日の福岡避密の旅で宿泊したホテルの目と鼻の先にリニューアルした本店がありましたので、チェックアウト後に立ち寄りました。

お目当ては「つるのこのこ」

本店でしか食べることのできない、消費期限30分のスイーツです。

アイスの上に出来たてのマシュマロをのせた、とにかくフワフワのお菓子でした。写真だけでは伝わりませんね。

これはね、食べに来るしかないお菓子です。

「鶴乃子」は、もともと黄身餡を泡雪寒で包んでいたのを、鶏卵素麺で残る卵白で作ったマシュマロに換えて作ったそうです。

その「鶴乃子」をヒントに作られたのが、ロッテの「雪見だいふく」だったそうで、そちらのコラボ商品も全国発売されました。

新店オープンや、新商品発売と並行して、事業譲渡のプレスリリースが流れるという、なかなか激しい状況ですが、博多に根付いて百年。次の百年も残るのではないでしょうか。

【お知らせ】石村萬盛堂本店 7月30日リニューアルオープンいたします
https://www.ishimura.co.jp/archives/6667

【お知らせ】「石村萬盛堂監修 雪見だいふく×鶴乃子」11月1日全国発売開始
https://www.ishimura.co.jp/archives/7042

ビジネスで大切なのは伝統と革新、初代から受け継がれる創作の精神
https://www.data-max.co.jp/article/22865
https://www.data-max.co.jp/article/22887

福岡の銘菓「鶴乃子」の老舗菓子メーカー、地場企業に全事業を譲渡
https://www.asahi.com/articles/ASPB14KB8PB1TIPE00P.html

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野
 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

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