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サンレモ音楽祭

3月に入り暖かい日が続いています。 
イエローゾーンのプーリア州では感染拡大の勢いは弱まってきてはいますが、1日1000人近い新規感染者が出ています。地元の小さな村でも希望する80才以上の高齢者や学校関係者のワクチン接種が始まりまっています。イエローゾーンとは言え、小中学校は開校していますが、高校はリモート授業。プールやジム、劇場や娯楽施設は閉鎖。夜間22時から翌朝5時までの外出禁止。レストランの店内営業は18時まで等々厳しい規制は続いており、春の訪れと共に人々の鬱積したエネルギーが一触即発寸前とも言える状態かと思います。元欧州中央銀行総裁である新しい首相、ドラギ氏がどんな首相令を発布するか皆興味深く待っているところです。

イタリア最大の音楽の祭典、サンレモ音楽祭が例年より1ヶ月ほど遅れて昨日から始まりました。71回目にして初めての無観客開催です。開催も危ぶまれた様ですが、初日当日参加歌手のスタッフに新規感染者が出て出演を見合わせることになったりと波乱含みです。4日間に及ぶ生放送の伝統ある音楽コンテストはイタリアテレビ界最大のイベントでもありますが、若者のテレビ離れが進むなか、60才以上の視聴者を意識した演出になっているのを実感します。
花の街サンレモを象徴する花束が出場歌手のうち女性のみにプレゼントされるのが通例になっていますが、「何で男性にはあげないの?」という娘の素朴な疑問に適当な答えが見つかりませんでした。

この時期、アーモンド、ミモザ、プラム、なし、りんご、さくらんぼなど次々に咲く春の花の中でもソラマメの花は、私にとって少し特別です。プーリアでソラマメを初めて生で食べた初夏の日。熟成したカチョカヴァッロチーズと赤ワイン、そしてテーブルに無造作に置かれた鞘付きの収穫したての生のソラマメの山。綿に包まれた小さめのソラマメの実を鞘から取り出し口に入れる、追いかける様にカチョカヴァッロをひとかけらかじる。ソラマメの青臭さと軽い苦味がチーズの旨味と混ざり何とも言えない美味しさ。そしてプーリアの軽めの赤ワインとのマリアージュの絶妙さに目を丸くしました。これぞプーリアの味。土とテーブルの距離が近いこと。保存食としてのチーズの熟成加減と食べ頃。同じ土地のワインと食材の相性のよさ。それらの全てがその時体感として入ってきたことを覚えています。そこから今に続くプーリアの食文化、農民文化への憧憬が始まったと言えるのです。地味に静かに咲くソラマメの花を見ると、咲く頃は春なのに、なぜか夏の予感を感じます。

大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人の
ジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、
レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストラン
のビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した
超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業した
ビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を
授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考
え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したので
す。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家
農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽
しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報
発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っておりま
す。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が
惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報を
お届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺り
がプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダ
プーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日
本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人
のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464
106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という
方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農
家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料
庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウ
をはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山ありま
す。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地
で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係に
あります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、
飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア
料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好き
なアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子


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