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外食産業基礎コース 第9回目 物の管理 その4

前回の神田小川町店で学んだのは、客席の設計の重要性ときちんとした人間工学の知識が必要だということである。この点でドライスルーの設計と同様に、米国マクドナルドにはマニュアルがなかった。
米国マクドナルドでは店舗の建物の設計と建築、客席スペースの設計と建築をする。客席は床タイル壁、天井、簡素な壁だけだ。客席の椅子テーブル、内装照明や壁装飾、パーティションは、専門の家具会社が作り、それを店舗に運んで内装となる。テーブル幅やいすのサイズ、通路幅等の人間工学的な考え方は当たり前のことでマニュアルの必要性を感じないのだ。それでマニュアルがないのだ。
 ちなみに米国人は基本的にデジタル思考だ。道案内を聞くと地図ではなく、進行方向の道路名と、途中に交わる道の名前を書き、その角を東西南北方向に曲がれと書いてくれる。その紙をハンドル上に置きドライブすれば目的地に着く。日本と異なり道路には名前と番号が付いており、日本のように途中で名前が変わることがない。
米国の道路は京都のように整然としてわかりやすい。そのため、米国のカーナビは地図が表示されない。進行方向の矢印と曲がる際の東西南北の表示だけだ。この思考方法の違いが日本人のデジタル思考の遅れを物語る。

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