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【レポ】喫茶店で最高のおじい2人組が隣に来た

先日喫茶店でまったりしていると、おじい2人組が隣に来た。
最高のおじいちゃんになるのが夢の自分にとって、調査するかつてないチャンス。
目指す姿を把握するため聞き耳を立てた。


どんな2人か

ハットを被ったおじいちゃんとキャップを被ったおじいちゃん。
以後、前者をH、後者をCとする。

Cはいわゆる一般的なおじいという感じ。
自分の真隣だったのであまり詳しく見れていないが、チョッキを着用していた。

Hはは身なりに気を使っているタイプのおじい。
麻のシャツと白パンツを着用し、高そうな時計と似合っているメガネをつけていた。

文字起こし

憧れの存在達はどういった会話をしているのかが気になったのでこっそり聞き耳を立ててみた。

アイスブレイク

着席してまずはHがホット、Cがアメリカンを注文。
届いたけど、アメリカンのサイズが小さかったことについて。

C:アメリカンなのに小さいな
H:そういうもんじゃないの

この時点で頼んでいたものが合っているかについて話し合っていたが、店員を呼び止めるでもなく2人でひそひそ話していただけ。この時点で何となく好きなタイプの2人だと確信。

H:1週間に1回会わないと、いや3日に1回がいいよ!
H:2週間に3回も会えるなんて嬉しい
H:7月で1になる、2じゃないよな?
H:だから今は同じ歳だ

この話を伺うに、2人が会う頻度の話をしていた。
いや、2週間に3回も遊ぶって仲良いな。だいぶ親友じゃない?
家が近い大学生くらいの頻度で会っている。

そして誕生日の話をしている。
HがCの誕生日を覚えているのも勝手に感激した。

世間話

Cが引っ越しを検討している模様。

C:なかなか決断できない
H:東村山か国分寺か
C:東村山は高すぎる。所沢は?便利で特急走ってるし
H:小平いま売るとしたら坪80万か?
C:子ども考えたら売るのもな〜
H:そうだよな、そういうことだよな。死ぬまでそこにいたほうがいいんだよ
C:家の作りがあれだからさ、階段も急だし。そもそも80まで生きるのかっていう
H:娘さんはアドバイスくれるの?
C:そういうのはないなあ

ここで、どうやら結構理解できる話をしているなと感じた。
自分が友達と賃貸かローンかについて話すのと同じようなものだ。
親近感湧くな。

C:でも娘が持っているマンションは旦那からもらっている
C:やたらと不動産から連絡入る。甲府の駅から3つ目の駅
H:連れが市役所だっけ?
C:そう、公務員
H:娘は何歳?
C:55くらい
H:子どもはできない?
C:できない
C:そのマンションも独身の若い男が借りて何もしていない、空き家になっていた物件
H:その人は買っただけ?転勤か何かでね
C:それで安く買えた。新築みたいなものなのに…

このあたりはイマイチ分からなかった。ノーコメント。

C:山梨かな
H:山梨に引っ越したらおれがめんどくさい
H:何百万も差がある。シニア住宅
C:本当に金持ちみたいな人たちが住むところ

「山梨に引っ越したらおれがめんどくさい」に結構心打たれた。
遠くに引っ越しても会うつもりなんだ!しかも、会いに行く方だ!
愛が深い。

コーヒーのおかわり

店員:同じブレンドでもいいでしょうか
C:ブレンド同じのでいいよ。やっぱ一緒だったのかな…

Cが頼んでいたアメリカンはブレンドであったことが判明。
でもやっぱり店員を呼び止めたり文句をいうわけではない。
ただひそひそ話すだけ。かわいい。

娘の話

H:英語塾やりゃいいんじゃない?講師としていくとかさ
C:読売のそういう駅の
H:うちの孫娘も通わせたい。ダンスやってるんだよ今、小学校2年生でダンスだよ?英語教室も良いね…

Hは小学2年生でダンスするのが早いと思っているらしい。
多分早いも何も無いが、世代間の価値観の違いだ。
自分が疑問に対して疑問に思ったように、80代の世代でも当然のように疑問に思うのだろう。

C:ワシントンの名誉教授だよ、よく生まれたよ…
H:あれは一生涯?
C:あれは名前だけだけどね
H:ネームバリューだよ、それで英会話のやつアドバイスしたりとかしたらいいじゃん、ワシントン名誉教授ってバーンって銘打ってさ、大谷みたいに
H:大谷デーになったもんね、5/18が

どうやらCの娘はワシントン大の名誉教授とのこと。
急にスケールが大きくなるな。
ほのぼのおじい2人会話だと思っていたが、実際は大成功者である可能性が急浮上してきた
ところで、自分の連れも来たのでタイムアップ。

感想

あの世代の人々は、もっと腰が痛い〜とか、終活が〜とか若干ネガティブ寄りの話をしていると思っていた。
しかし意外と自分も知っているようなことを話しているんだな〜と思い、勘違いしていることに気づいた。

自分が目指すおじいはこれだ。
友達とハイペースであって、世間話をする。
ただ、それだけをしたい。

それはそうと、勝手に人の会話を聴くのは冷静に趣味が悪いと思った。
ただ、これにも以前手本を見ていたのだ。
能町みね子著の「お話はよく伺っております」。

この本の中では、著者が日常生活を送る中で聞こえてくる会話をかいつまんで紹介し、勝手に妄想をふくらませるというもの。
高尚とはいえないが、今回実践してみて正直かなり楽しかった。

個人情報を載せるのはまずいが、個人が楽しむ程度にはいいかな、と…
喫茶店という社会の場での会話なので、聞かれたらまずいことではないだろうし。

という必死の言い訳だけ添えて終わり。

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