「お笑いスター誕生‼」を語りたい

 娘は最近「お笑い第7世代」に夢中だ。好きな番組は有吉の壁で、千鳥のクセがスゴイなんたら(タイトル覚えてない…)とかいうのも、毎週欠かさず見ている。

しかし、母にとってのお笑い番組といったら「お笑いスター誕生‼」、つまり、お笑いスタ誕(おわらいすたたん)なのだ。永遠に、絶対に。

かなり昔の番組で私の記憶も曖昧ではあるが、とにかく大好きだったこの番組の思い出を、いま、ここで語りたい。語らせて。

土曜のお昼は「お笑いスタ誕」

 1980年代、私が小学生の頃、土曜のお昼と言ったら「お笑いスタ誕」だった。当時、土曜は学校が半日だけあって、帰宅すると、母が買ってきた焼きそばとたこ焼きを頬張りながら、テレビでお笑いスタ誕を見るのが、我が家の常であった。全国の小中学生、大抵はこの番組を見ていたんじゃないかと思う。まだビデオもゲームも一般的でなく、家庭の娯楽の中心にテレビが鎮座していた時代である。

「お笑いスタ誕」とは

 お笑いスタ誕は、ルパン三世のおじさんこと山田康雄と、かわいいベイビーなおばさん中尾ミエが司会のお笑いオーデイション番組で、4チャンネル、日本テレビで土曜の昼に放送されていた。予選を勝ち抜いたお笑い挑戦者が、10週勝ち抜いてチャンピオンを目指すという内容で、審査員も色々いたのだが、私がよく覚えいるのは辛口の京唄子と、とぼけているけど芯をつく発言をする赤塚不二夫である。

「お笑いスタ誕」出場者は

 お笑いスタ誕出身の芸人さんは数知れず。とんねるずウッチャンナンチャンダウンタウンも、この番組に出ていたのは有名な話だ。

 この番組で初めてウッチャンナンチャンを見た衝撃を、私は忘れない。二人とも若くて可愛いお兄さんで、何より一生懸命。その姿にファンなった。ナンチャンの活舌は、当時、今よりもっと噛み噛みで良くなかったが。

よく覚えているのが、モノマネは面白いけれど、その個性が気持ち悪くて苦手だったコロッケ。当時は、ロン毛パーマ、キラキラの衣装を着ていて、夜の匂いがプンプン。昼向きの顔じゃなかった。

マギー司郎は何だか笑えて、おぼんこぼんの芸は子供の私から見てもプロだった。

小柳トムイッセー尾形は、普通の笑いじゃなかった気がする。よく分からないけれどこういう可笑しさもあるんだ、と子供ながらに理解した。でんでんも相当クセがあった。

私が好きだった芸人さんは

 ウッチャンナンチャンコント山口君と竹田君、女性ならハイヒールも上手いなぁ、と思っていた。でも、私が特に好きだったのは笑パーティー象さんのポットである。

笑パーティーは確か三人組で、笑いと音楽とパントマイム、華やかで楽しい正統派の舞台で、芸があった。一方、象さんのポットは、やる気ない感じの2人組で、脱力したシュールな笑いが、物凄く斬新だった事を覚えている。この二組は実力もあって、番組では結構良い所まで勝ち残っていたはずだけれど、今、見かけないのは残念な限りだ。

私にとってお笑いスタ誕とは

 私がお笑いスタ誕を未だ忘れずにいるのは、小学生の頃の幸せな記憶と直結しているからかもしれない。いま、有吉の壁を見て、ケラケラ笑う娘の姿を見て、そう思った。

お笑い第7世代も良いけれど、やはり私にとってお笑いスタ誕は永遠に、絶対に、一番なのである。



 



 

 



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