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DW news 河野太郎インタビュー 「How Japan plans to counter China’s military expansion 」翻訳

河野太郎DWNEWS 「How Japan plans to counter China’s military expansion |Interview with Kono Taro」翻訳


 

DWはドイツの国営国際放送局で、河野大臣が今年の日本で開かれるG7サミットの前準備となるデジタル大臣会合に合わせたインタビューが行われました。学生部の再建に向けた第一歩となる今回はこのインタビューを受験後のだらけ切った英語力で和訳してみることにしました。正確な訳よりも日本語としての流暢さ、河野さんの言葉選びに即した訳を優先したところがあります。明らかな誤訳等ありましたらコメントもしくはTwitterまでお願いします。

 

本文 (動画を参照ください)

インタビューアー
「ますます強大に、そして強引になってきた中国にどのように対処するかは今日の世界中の自由民主主義国が直面している最も大きな問題の一つです。アメリカはいよいよある種の新冷戦にむけた体制に移行し、ドイツや日本のような同盟国はこうしたことが自分たちにとって何を意味するか検討を続けています。どちらも中国と膨大な量の貿易をしており、そのため関連するジレンマを抱えています。しかし、特に日本に向けて、北京から発されるとてつもなく大きい安全保障上の脅威があります。そこで今日は、これらの議論に対して心の内に多くを秘めている方にお会いするため、ここベルリンの日本大使館にやってきました。彼の名前は河野太郎で、彼は日本のデジタル大臣であり、また前外務大臣、また前防衛大臣でもあります。」
 

中国との向き合い方


インタビュアー「河野大臣、本日はdeutshe willa に起こしいただきありがとうございます。あなたは今まさにドイツにいますが、アジアという存在はドイツの内側に非常に重要な位置(is very much on Germany’s mind)を占めています。ドイツは現在中国とどのように向き合うかについての新たな国家戦略に取り掛かろうとしています。前外務大臣であり、前防衛大臣でいらっしゃることからこのことには精通していらっしゃるとおもいます。そして在任中にまさにいつも頭を悩ましてきたことだと思います。今の日本にとって中国はどれほど大きな試練ですか?」
 
河野太郎「 ええ、そうですね。日本というのは2000年ものあいだ中国の隣にあって、そして今後何 世紀にもわたってずっと隣同士であることになるのでしょう。だから私達が中国の隣で生活していくのは宿命なんだと思います。しかし残念なことにここ30年にわたって中国の軍事力は42倍、と劇的に強大化していて、中国は自分たちの海軍と空軍を陸軍と同様に増大化しています。ですから我々は中国の軍事増大化を監視することにより一層注意を向かなければならないでしょう。」

インタビュアー「そこで、日本政府は防衛大綱を大幅に転換しrevamped、岸田首相はまさにバイデン大統領とワシントンでこの喫緊の緊密な連携、そしてまた増強した日本の防衛費について会談したところです。大臣は日本のおこなっていることについてどのように説明なさいますか」

河野太郎「 中国は日本の尖閣諸島周辺の海域を脅かすという賭け(ギャンブル)をしています。何隻かの中国船がその海域に常に居座っており、航空自衛隊が中国軍機に対して最低でも一日に二回、何年もスクランブル発進をし続けなければならなくなっています。だからわたしたちは南シナ海やそこにいたる太平洋と同様に東シナ海での中国の動きについてとても注意しなければなりません。ですから同じ価値観を共有する友好国、ドイツには同じ立場に立って、軍事の観点から中国とどう向き合うか一貫性のある戦略を提示してもらいたい。」

インタビュアー「では、大臣がおっしゃっていたことは何去年の台湾の安全保障フォーラムでおはなししていた時に、大臣は具体的なお話をされていて、その時アジア版NATOのようなものを要求していらっしゃいました。そこでお話されていたことについてすこしお聞かせ願えますか。」
 
河野太郎「 ええ中国の軍事支出は大いに増加しています。私が言いたいのは日本のみが中国に立ち向かえるようになるわけではありません。そのため、日本とアメリカそしてほかの同じ価値観をもつ国が本当に一貫した中国軍にどう対処するかの戦略を持つ必要があります。」

 インタビュアー「しかし、大臣はアジア版NATOを提案しました。これはNATOのアジアへの拡大として日本やオーストラリアのような国とともにどのようなことが起きますか。」
 
河野太郎「内閣の一大臣としてそのことについて述べる自由はありません。」
 
インタビュアー「そうですね、しかしこれはあなたの個人的な考えで、しかし」
河野太郎「 答えることはできません。」

サイバー分野の対策

インタビュアー「わかりました。では、ええあなたが責任を負うデジタル分野(realm)についてお伺いします。もちろん中国はこの分野においても大きな要素であるので、一つ例を挙げるとしましょう。多くの国がTikToKについて議論しています。アメリカでは可能なら禁止するべきだという大きな議論がありますが、大臣の見解からみてTikToKはどれほど危険なものでしょうか。」
 
河野太郎「 私たちは後ろになにがあるのか観察しているので、日本政府は適宜判断をするでしょう。」
 
インタビュアー「では、大臣が今後ありうる禁止について見ている責任の領域について教えてください。」
 
河野太郎「 それは日本国政府が判断するでしょう。」

インタビュアー「その予定について教えていただけますか。活発な議論が続いているように聞こえます。」

河野太郎「国が判断するとき国はが判断するときです。」
 
インタビュアー「一つ例としてアメリカをあげましょう。FCC連邦通信委員会のこの種の技術を対象とした基本の合意の一つは米国内での全面禁止を要求しています。またインドも日本と緊密に対応していますが、数年前にTikToKを禁止しています。それらの判断がどこから由来してどういう立場なのか理解していらっしゃいますか。」
 
河野太郎「 日本は彼らと独立して決断をすると思います。」

インタビュアー「ええ大臣が述べたように日本は今日部分的に中国に関連するこれらの問題の混乱(welter)にアメリカやほかの同じ価値観を持つ国と緊密に連携しています。中国の視点に立てば、これらの動きが中国を巻き込もうとしていると感じているとますます中国から聞こえてきます。そのことについてどうお考えですか。」
 
河野太郎「 中国は軍事的影響力を拡大しようと画策しています。そして中国の周りに住む人々は必要な行動をとらなければいけません。」
 
インタビュアー「一つ例として台湾についてお話をすれば、習近平国家主席が大っぴらに台湾を脅迫し、中国側による近い将来の台湾への侵攻がありうるというますます大きくなる懸念があります。近い未来に実際に起こりうると大臣が懸念していることでしょうか。」

河野太郎「 一方的(unilateral)な現状変更はすべての国にとっての懸念でしょう。」

デジタル相会合での要点 DFFT


インタビュアー「日本は今年G7の議長を勤め、世界での富裕自由民主主義国を導いていく議長としてのリーダーシップを発揮する(take the sort of)立場です。デジタル大臣として、大臣もそこで重要な役割を果たします。G7の他の国に伝えるメッセージの中で大臣の最優先事項は何でしょうか。」
 
河野太郎「 今年の4月にG7のデジタル相会合を主催していて、私が思う中で一番の最優先事項はDFFT、信頼性のある自由なデータ流通だと思います。国境を越えたデータ流通というのは今の時代どんな経済にとってもとても重要な課題で、GDPREU一般データ保護規則のあるEUとアメリカ、いわゆる欧米諸国は異なる方法をとっていますが、相互運用性と透明性をますことができると思います。それによってすべてのビジネスは異なる地域と国でおこなうことができるようになったのです。」
 
インタビュアー「では視聴者に実際にこのDFFTが人々の利益になるのか説明してください。」
 
河野太郎「ええ、私たちはこれまでモノやサービスを国境を越えて貿易してきましたが、経済はもっと知的経済になっていて、私たちが相互にお互いやり取りしているものは今日ではデータですから、異なる地域、異なる国が異なるデータに関する枠組みをもっています。そしてそれらがばらばらにやっていたら、私たちは国境の向こうにデータを送ることや盛んなビジネスが止まってしまいます。これは世界経済にとって良いことではありません。そこで、私たちはデータをやり取りする何らかの方法を考案しなければいけません。」
 

サイバーセキュリティと現代の戦争


インタビュアー「また、サイバーセキュリティももちろんデジタル分野の極めて重要な要素です。日本の新たな国家安全保障戦略はサイバーセキュリティも盛り込んでいます。何が来年に続いてみていく中でサイバーセキュリティの主たる脅威はなんだとお考えですか。」
 
河野太郎「 政府やきわめて重要なインフラ設備へのサイバー攻撃に関連する多くの課題があります。また、多くのフェイクニュースや誤情報がサイバー領域にあり、ドイツはAIのような新たな技術について語ることができます。またドイツはいくつかの、いくつかの基準によってどうAIを進化させていくか語ることができます。だから現在のサイバーセキュリティについてまさに関連している多くの課題があります。」
 
インタビュアー「現在ロシアによるウクライナ侵攻を例に挙げると、ロシアが間違いなくそこで攻撃をしているサイバー分野に焦点が当たっています。大臣のウクライナで行われていることを注視している上での見解はいかがでしょうか。」
 
河野太郎「 物理的な(kinetic 動的な)戦争がウクライナで始まるまえから、いわゆる情報戦争やサイバー戦争が続いていました。これが今世紀の戦争の本質になっていくんだと思います。ですからサイバー防衛のためには一人で行動することはできません。なぜなら攻撃者は世界中から現れてくるわけですから。ですから西側諸国の協調がこれまで以上に重要になってくると思います。」
 
インタビュアー「アジアにおいて、台湾で間違いなく今お話ししてきたこと、中国からのサイバー攻撃に常に直面しています。日本の展望はどんなものでしょうか。日本が感じているサイバー攻撃の脅威は何でしょうか。それは中国からの侵攻なのでしょうか。」
 
河野太郎「はい、サイバー攻撃はほとんど毎日続いていて、去年の夏に参議院議員選挙がありましたが、その時に日本の外からの攻撃があったという情報を掴んでいます。国を守るため、そして私たちの民主主義を守るために私たちは防衛能力の段階を挙げていく必要があると思います。」
 
インタビュアー「今日本の外から来た情報についてお話しされましたが、特にそれは中国からのものですか。」
 
河野太郎「どこから来たか日本政府にはいくつかの考えがあります。」
 
インタビュアー「河野大臣本日はお話いただきありがとうございました。」
 
河野太郎「ありがとうございました。感謝します。」
 
 
 作成者:たくはむハム @takhamu_gomame

感想 編集後記

少し前のネタになってしまいましたが、長くごまめファンクラブの活動から離れていた身にとっては久ぶりに河野さんが英語で話しているのを聞いた感じです。DFFT最近はやってますね。信頼性のある自由なデータ流通、河野さんの個人ブログ「ごまめの歯ぎしり」にもある通り、

20世紀には食料や石炭、石油、繊維製品をはじめあらゆる「もの」が国境を越えて貿易されていました。

それが21世紀に入って、「データ」が「もの」と同じように国境を越えて行き来するようになったのです。

ごまめの歯ぎしり「DFFT」より

この文言は何かとキャッチーで気に入っているのですが、ブログ中で指摘しているようにデータというのは食料やエネルギー以上に国際的なやりとりが重要だと思います。もちろん自国内でデータを安全に管理することはいわゆる安全保障的な面で重要だと思いますが、その第二、第三のバックアップとして海外に信頼できる形で転送することも大事です。そしてそもそもデータの国際間のやりとりは今の時代の豊かな生活に必要不可欠になっています。河野さんはこのなかで自動運転を例にあげていますが、膨大なデータ通信を必要とする技術が盛んに研究開発され、実際にAIを搭載したIot家電などが登場している昨今、必要なデータを世界中の人が安全にかつ不自由なく利用できるようにしなければならないとおもいます。ただ一つ思うのは河野さんも指摘している通り、データの流通への規制が緩い国もあれば、強い規制のせいでデータの扱いが難しい国、データの流通を国家権力が監視している国もあります。規制を一本化し自由にデータを安全な形で移送できるのメリットはかなり大きいですが、その国の国家体制や行政法とどれだけマッチできるかがこのDFFTがうまくいくかの可否を握っていると思います。自国初のデータが適切な形で移転先で利用、保存されるべく枠組みがより包括的にかつなるべく多くの国を巻き込んでできるかはこれから各国を率いていくリーダーたちの利便性と安全性のバランス感覚と信念にかかっていると思います。その国の行政システムを大いに変えることとなる今後の各国のデジタル行政から目が離せません。

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