見出し画像

コロナウイルス感染症対策で私たちができること

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるっています。多くの国、都市で感染爆発が発生し、多数の死者が出て、都市封鎖や外出禁止という「ロックダウン」が取られています。日本は、手洗い、うがい、「密閉」、「密集」、「密接」の3条件回避という、一人ひとりが気をつけることでなんとか持ちこたえてきました。

ところが、なんとなく落ち着いてきて、学校も再開されることになり、もう努力は続けなくていいのではないか、という気分が広がっています。実際には、そのような状況ではありません。私は3月19日の専門家会議に委員として出席し、現状がいかに厳しいかということを再認識しました。

当初の日本のコロナウイルス感染者は、武漢からの流入者でしたが、その数は10人程度でした。それをクラスター対策でなんとか抑え込むことができました。ところが、現在では感染が世界中に広がり、海外からの感染者の流入は、その10倍以上になっています。

中国から感染者の流入を抑え込むのにあれだけ大変だったのですから、その10倍の感染者が流入することの意味は容易に想像できます。専門家会議の西浦博先生が「助けてほしい」というメッセージを発表されたのは、その現状を多くの人に知ってもらうためです。

これまでの分析で新型コロナウイルスの弱点がわかってきました。ロックダウンという経済的に大きなダメージを伴う処置を避けるために、その弱点を利用した対策を私たち一人ひとりがしていく必要があります。そうすれば、このウイルスとの長期戦に耐えることができ、自分の命だけでなく、他人の命を救うことができます。

ウイルスの弱点を利用した対策は簡単です。

密閉した空間を避ける」、「密集した空間を避ける」、「密接して会話をしない」という3つの状態の重なりを避けることです。

また、手洗いをする、マスク(咳エチケット)をするという基本的な対策を続けることです。

これだけのちょっとしたことに私たち全員が気をつけるだけで、ロックダウンという状態を避けることができます。

専門家会議の3月19日の提言でも、「3 つの条件が同時に重なる場」を避けるなど適切な対応をとられれば、オーバーシュートを未然に防ぐこともあり得ますが、国内外の現在の感染状況を考えれば、短期的収束は考えにくく長期戦を覚悟する必要があります。」と明記されています。

私たちは長期戦を覚悟して、仕事の仕方、暮らし方をコロナウイルス対策を前提にしたものに変えていく必要があります。

私たちが3条件を避ける行動や手洗いをしやすいような環境を作っていくことが重要です。ちょっとした工夫でそれができるようになります。手洗い消毒を目立つ場所において、床に矢印をガムテープで描くだけでも私たちの行動は変わります。コストもほとんど掛からず私たちの行動をよりよいものに変えることができるのです。

ちょっとしたことが、感染爆発を防ぎ、自分の命と人の命を救えます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?