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2022年9月8日基本的対処方針分科会

基本的対処方針分科会での発言内容


大竹です。感染者の自宅療養期間の短縮,その間の外出等を中心とした基本的対処方針改定の政府案に賛成します。
コメントが3点あります。

第1に、陽性者の自宅療養期間の見直しについてです。17ページに「オミクロン株については、若者の重症化リスクは低く、大部分の人は感染しても軽症で入院することはなく、一方で、高齢者のリスクは引き続き高い。このようなウイルスの特性を踏まえ」という背景説明があります。また、参考資料3の「Withコロナに向けた考え方」でも同様の説明と別紙4ページに「新たな段階への移行新たな段階への移行に向けて、科学的エビデンス、欧米のルール(米国 5日間、英国5日間 、仏国7日間(ワクチン接種者の場合で一定の条件を満たせば5日間))、専門家等の意見も踏まえ、自宅療養期間を短縮することとし」という表現があります。ここは、「重症化リスクが低下したため、感染拡大のリスクは高まっても、社会経済活動への悪影響を緩和するために自宅療養期間を短縮することとした」と明確に書くべきだと思います。科学的なエビデンスから自動的に導かれる判断ではないからです。

第2に、自宅療養期間を守ることは義務なのか努力義務なのか不明確になっているのではないか、と思います。p.57「軽症であるなどにより、自宅での療養を希望する者は、抗原定性検査キットで自ら検査を行い、陽性の場合、健康フォローアップセンターに連絡し、自宅療養する。」という表現がありますが、健康フォローアップセンターに連絡することは義務なのか、義務でないのかはっきりしません。違反した場合は罰則があるのでしょうか。自主的な感染予防策を取るようにするという努力義務だと解釈する方が自然ではないでしょうか。自宅療養期間を守らない場合には、入院勧告ということになるのかもしれませんが、フォロ―アップセンターに連絡しない場合に、どのように扱うのでしょうか。事実上自主的な感染対策に舵を切ったのであれば、そのもとで整合的な制度にした方がいいのではないかと思います。

第3に、第7波におけるオミクロン株の重症化リスク、致死率について5ページに明記すべきだと思います。第6波における重症化率、致死率が季節性インフルエンザと比較して高いという議論がされています。しかし、様々なデータから第7波においては、第6波よりさらに重症化率が下がっていることは明らかです。第7波のデータを記入すべきです。最初に申し上げた隔離期間の変更の背景に、感染力は高いが重症化率が第7波で大きく下がったということがあると思います。これだけ重症化率が下がった感染症に対して、特措法での扱いを続ける根拠があるのかどうかをきちんと議論すべきだと思います。

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