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語学留学時代の韓国人の友達が7年ぶりに会おうと言ってきたときの話。

1年間留学していたことがある。20歳のとき。

アメリカのネブラスカ州というところで約1年間過ごした。
大学2年生からの交換留学で、目的は英語の勉強。
大学からの補助金と、特に目的もなくためていたバイト代の60数万円を合わせた約120万円は自分で出した。
が、それでも足りなかった。親にはかなりの出費をさせてしまった。そもそも大学からの補助金も学費は親が出していたから自分で出したわけじゃない。

とはいえ留学の経験は楽しかった。
あんなに勉強したはずの英語が伝わらず初日のホテルでちょっと泣いたり、たった2日で免許が取れたり、普通の大学生活では得られない経験をたくさんできて面白かった。

もう7年も前のこと。

正直楽しかった思い出はあるけど、今の自分の仕事に英語を活かすところはほとんどないし、結局別またの勉強をしている。

最近、SNSで留学時代の友達からメッセージが来た。
「ヘイ!!!明日札幌へのフライトが決まったから一緒にご飯を食べよう!!」(英語で)

この人は韓国人の女性で、留学中に仲良くなってよく話していた人だ。
卒業後はたしかキャビンアテンダントさんになっていたっはず。札幌に来ることもあるんだ。

最後に会ったのが7年も前の人が札幌に行くことになっただけで自分のことを思い出してくれたことも嬉しいし、わざわざ会おうと言ってくれている。

人の縁に感謝してはいたが、私の脳内は1つの不安で頭がいっぱいだった。

「会っても俺、英語しゃべれなくないか?」

英会話なんて最後にいつしたかも覚えていない。
たまに洋画とか見るけど完全に日本語字幕のみで内容を理解している。

そう不安に駆られながら、スマホのカレンダーを見ると誘われた日は丁度良く予定が空いている。
なんだよ!行けんのかよ!くそ!

結局その人と久しぶりに会って話したいとは思ったので、二人でジンギスカンを食べに行くことにした。
折角だから札幌の美味しいジンギスカンを食べてもらいたかったけど、前日の予約で、しかも当日は金曜日ということでほとんどお店は空いていなかった。
何とか予約できたお店も席時間は1時間15分間しか確保できなかった。

当日。駅で待ち合わせているとほとんど7年前と顔の変わっていないその友達がやって来た。やはり韓国コスメってすごいのかな。
「Long time no see! It's been a while!」的な挨拶をして、歩いてお店に向かった。

歩いている途中も何とか会話をしていたけど、彼女の英語力は健在で流暢。すごいな。
一方の私は何とか言葉を絞り出すものの「えっとね、、出てこないな、(言葉が)、ごめんねぇ!」と普通に日本語で話している。情けない。

お店でジンギスカンを食べたけど、会話に精一杯で味もあんまり覚えていない。もっとよく噛んで食べればよかった。
1時間くらいの食事がものすごく長く感じた。
なんか、友達と会っているのに英会話の試験を受けているみたいだった。
そして自己採点でも落第点の英会話だったと思う。

7年経って、あんなに勉強したと思っていた英語力がこんなにも失われているのかとショックだった。

7年か、思い返せばいろいろ変わった。

就職もしたし、転職も、結婚も経験した。

新しく出会った人も沢山いる。

そうか、英語力が失われたとショックを受けていたけど、新しく得たものも数えきれないほどあるのか。
そう思えば、英会話が少し下手になったくらい小さいことだ。

自分は沢山変化してきたし、これからも変化していく。
これからも自分の変化を受け入れて、楽しみにしていこう。

そう思いつつ、お店を出て駅まで友達と歩いて戻っていた。
12月の札幌。雪も降っていた。

「寒い。」と友達が言う。

そこで私は、自分で編み出した寒くなくなる方法を彼女に教えてあげた。
その方法は、自身満々で歩く。ということだ。
「寒くありませんけど?」みたいに本気で思って、ややこしいが涼しい顔をして歩く。そう思い込むことで本当に寒くなくなる。
これを読んでるあなたも寒いときに是非やってみてほしい。効果絶大です。

その方法をまた絞り出した英語で友達に熱弁する。

すると言われた。

「それ7年前にも聞いた。」

大して変わってないな、俺。

以上。

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