競馬で学んだ「塞翁が馬」と血のロマン。

競馬はギャンブルではなく、血のロマン。

こんにちは、今日は夜投稿ができるか予定がわからないので、3時のおやつがてら、記事を投稿します。

元々は、夏に投稿するつもりでしたが、このタイミングで記事を出そうと思います。

テーマはいつもとは趣向を変えて、競馬の話をします。
フリーターの時代のことですが、人生においても大切なことを学んだ大事なエピソードです。

はじめに

夏のシーズンが終了し、秋競馬が本格的に始まります。

自分が住んでいるのは千葉県船橋市。

競馬場が二つ存在する珍しい場所。
ご存じの方も多いと思いますが、年末に開催される有馬記念は船橋市にある中山競馬場で開催されます。
なのに一度も有馬記念を生で見たことがありません。なぜなら見に行くと帰れなくなるので(何十万人が雪崩のように駅に流れるので・・・)

自分が競馬を本格的に始めたのは、今から10年前。

過去フリーターをやったいた時期から。
仕事で競馬が好きな方がいらっしゃったので教わりながら始めました。

最初は、競馬新聞もわからないし、買い方もわからないし、ディープインパクトくらいしか馬の名前を知ってない程度。

でも、馬券を買うようになったり、高額をかけてみたり、気が付いたら土曜日日曜日は少額ながら買ってみる生活。自慢ではないですが、万馬券も当てたことがあります。


ですが、勝負事は向いていないので、辞めたいけど万馬券のレースを逃したら嫌だという気持ちもあり、辞められないでいる状態でした。

ですが、現在はギャンブルのような立ち位置で競馬をみるのではなく、ただ単純に馬のかっこよさ、馬名の由来だったり、どんなお父さんとお母さんの間に生まれたのかという血統を純粋にストーリーとして楽しめるようになりました。



そのきっかけと、それから学んだこと、そのあとに続く想像していなかったストーリーを書こうと思います。

一目ぼれしたサラブレット

サラブレッドにはたくさんの毛色の種類が存在します。茶色だったり、黒、灰色(葦毛)などいろんな毛色の種類が存在します。
その中でも、もっとも少ない毛色の馬がいます。


白毛

本来は、お父さんとお母さんのどちらかの毛色が遺伝することで、子供の毛色が決まるのですが、初めての白毛は突然変異で誕生しました。

ですが、突然変異で生まれた馬は、もともと体が弱いので、競馬という競争の世界では勝てないというふうに言われ、競走馬としての価値はそこまで高くはありませんでした。
(もちろん、珍しさはありました。)

しかし、そこから何年も代を重ねると、普通のサラブレットと同じような強さで、レースも強くて能力いい馬も出てくるようになりました。

そんな中、中山競馬場に一頭の白毛の競走馬がレースに出るというニュースを聞いて、「どうしてもこの目で白毛の馬をみてみたい」と思うようになりました。

当時、長めの散歩という名目で中山競馬場に行っていたので、そのついでにパドックで写真を撮ろうと思い、最前列の場所をキープして待ちました。


パドックに現れたとき、周りのお客さんからもざわめきがあったのをよく思えています。


競馬好きの方はご存じだと思いますが、その馬の名前は


ブチコ


そして、この写真は自分が当時中山競馬場のパドックの最前列で撮った実際の写真。

画像1



白毛+黒と茶色のブチ柄の斑点が特徴のかなり珍しいサラブレット。
はじめて見たときの衝撃はいまでも忘れません。

「とにかく綺麗で、トップモデルのように輝いて見える。」

完全に一目ぼれでした。びっくりするほど、白毛は綺麗。
馬券も買っていましたが、買う意味が全く違っていました。

「どんな走りをするんだろう?当たったらラッキーだな。」


自分はこう思っていたし、それくらいの気持ちでやるほうが気持ちが楽でした。

でも、これが自分らしい競馬の楽しみであることにまだ気づけてません。

ですが、一頭特別な馬を好きになったことで、この馬の写真を撮ることを一つの楽しみにするようになりました。

さすがに、旅行ついでに関西の競馬場に行くまでの熱狂的なファンではありませんでしたので、地元のレースに出るときは確実に予定を空けて写真を撮るようにしていました。

彼女が中山競馬場で勝った時のレースは今でも覚えているし、その時の喜びは馬券が当たった時よりも純粋にうれしくなったのをよく覚えています。

実際に現地でみたレースのリンクも載せています。


次のレースへの活躍が期待されました。
しかし、彼女には競走馬として、最大の欠点がありました。



ゲートが嫌い(スタート時に待てなくて、ゲートに突進したりもぐったりすること)


能力はあるのに引退、でも・・・・

youtubeに動画があり、これはゲートを潜ってしまうのですが、本来潜れるくらい体が柔らかいというのも恐ろしい能力です。
白毛なので流血するとはっきりと事のやばさが伝わります。


そもそもレースに参加することすらできない状態です。

もしかしたらこのまま引退かもしれないし、中山競馬場で撮った写真が最後になるかもしれないと悟った瞬間でした。

その後レースに復帰するものの、あるレースでもゲートを破壊してしまったことで引退。さすがにショックでした。

好きな馬、追いかけていた馬がまだ怪我もしていないし能力もまだ十分あるのに・・・・と色々考えていました。


が、その翌週のレースで、この引退が実は適切だということを突き付けた出来事がありました。


大きなレースで実績のある牝馬が故障で安楽死。

ちょっとショッキングなので、リンクは載せていませんが
2017年のAJCCというレースです。


好きになった馬よりも大きなレースを何度も勝っている牝馬。
しかも、ブチコと同世代の馬。
その馬がレース中の故障により安楽死処分。これはさすがにショックでした。

何故ならば、サラブレットの牝馬(メス)には、レース以上に引退してから一番といっていい大切な仕事があります。


それは・・・・


次の世代に血をつなげること。繁殖です。

牡馬(オス)はレースをたくさん勝たないと自分の血を残すことができませんが、牝馬は強くても弱くても子供を産むという使命があります。

この事実を突き付けられたとき、万馬券があたったらいいなという軽い気持ちで競馬をやってた自分が恥ずかしくなり、競馬を賭け事の対象として見ることができなくなりました。

同世代の牝馬の安楽死で、ネガティブな意味で

馬事塞翁が馬とは、こういうことをいうのかと痛感させられました。

不思議と、これ以降は馬券を買う意欲はなくなり、競馬への興味もなくなりました。これがギャンブルとしての競馬をやめたきっかけになります。

彼女の子供がデビュー、その後大変なことになる。


それから3~4年がたち、競馬への興味が薄れていった中、そういえば彼女の仔が生まれたというのを何かのサイトで、みつけます。

白毛が遺伝して、お母さんと同じ真っ白な馬体。

でも、彼女の仔なので無事に走ってくれればよいなぐらいにしか思っていなかったし、中山競馬場か船橋競馬場で写真が取れればいいなと思っていたのですが・・・・・。

実はとんでもないことになりました。
想像のはるか上を行きました。



その初子の名前は



ソダシといいます。



今年初めて、白毛で無敗でクラシック(桜花賞)を勝った歴史的な名馬です。(すでに名馬になっている・・・・・)

(「白い桜が咲き誇りました!」って実況がかっこよすぎ!!)

デビュー戦とかもしっかりと見て応援はしていましたが、どんどん勝ってしまって、気が付けば世代のトップに。
まさか、初めての子供がとんでもない怪物になるとは・・・・・。

あまりご存じないと思いますが、同世代にデビューするサラブレッド約4,000頭のうちG1を勝利できるのは15頭くらい、確率は0.3%くらいになります。とんでもない確率・・・。

上記の確率は下記のリンクから拾いました。

だからこそ、これはとんでもないことが起きたということです。


血をつなげると、こんなドラマのようなストーリーが待ち構えているとは思っていませんでした。しかも好きになった馬の子供であることも大きい。

この年になってようやく競馬の本当の良さを味わうことができました。

ソダシのレースは去年の冬のレースもテレビで見ましたが、勝ったときは、お母さんが勝った時以上の感動を味わえました。人生で初めて競馬で泣きました。

そこではっきりと思いました。

ブチコの引退のタイミングは適切だった。塞翁が馬とはこういうことだ。

もし、ブチコが現役を続けていたら、ソダシは生まれていなかった可能性があったし、もしかしたらこんなストーリーは存在していなかった可能性があります、レース中の事故とかでそもそも血を残せていなかった可能性があります。

だからこそ、競馬を見るときは必ず全頭が怪我なく無事にレースを終えることを祈るようにしてみるようにしています。


「負けても、次があるならば、その時の負けは本当の負けではない。」


勝手にそう思っています。

競馬に興味がなくても、白毛を見るチャンスがあったら絶対に一目会いに行ってください。一目ぼれするほど綺麗です。
(札幌記念で見れた人めちゃくちゃ羨ましかったな。)

自分はこのコロナ禍で難しいと思いますが、ソダシの写真を引退前に撮れるように抽選を申し込んでいます。なぜならば

その写真はいつでも撮れるとは限らないから。

当たり前を鵜呑みにすると、当たり前じゃなくなったときに後悔する。

これは、ある出来事で実感したことです。
後悔しないように、その一瞬を形にすること。

後悔を少なくすることができるのは今だけ。

その一枚の写真を撮りたい為に、また抽選に応募をしようと思っています。
(コロナ禍で本当に写真とれるのか・・・・)


たかが、一頭のサラブレットでも、思い出はいつでも撮れるとは限りません。

お母さんと、その子供の写真

どちらの写真も貴重だけれど、2枚ある人はなかなかいないと思っているので、コロナが落ち着いて普通に競馬場に入れる日が来ることを祈っています。

まとめ

今日はいつもの感じとは違う記事を書いてみました。
今は 競馬=ギャンブルというわけではなく、血の物語を味わうこともできる素敵な娯楽だと思っています。

人生で初めて好きになったサラブレットの子供が歴史的名馬というドラマティックなお話でした。

もしかしたら、強くなりすぎて中山競馬場に来る機会がないかもしれません。有馬記念のようなデカいレースぐらいでしか・・・・。
もしかしたらだけど、夢のようなことが起きようとしています。

人生もそうですが

「夢を見ることは大切。それが他人から馬鹿にされることであっても。」

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

ふぉあぐら


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