桜 さくら SAKURA 2020
に行ってきました。
感じたこと
春を象徴する存在である桜。淡い色合いと散る儚さが日本の美の感覚を表し、平安時代に「花」といえば桜のことでした。
当然日本画の世界でも題材とされることが多く、近代・現代の桜が集う本展示では今年はできなかったお花見の代わりに一足遅れた桜をみることができました。
小林古径《清姫 のうち「入相桜」》
白く丸い桜は雪のようにも綿毛のようにも見えました。幻想的でありながら地面の緑により生命を感じ、全体の雰囲気や1本のみ描かれた様子から「散りそこねた桜」なのかな?と想像しています。
奥村土牛《醍醐》
淡い色合いで塀の周辺に埋められたところから、なんとなく小学校に映えていた桜ってこんな感じだったかも?と記憶の中の桜のイメージに最も近いです。
石田武《千鳥ヶ淵》
エメラルドグリーンの池の水と桜の色合いのコントラストがとても美しかったです。桜は散っていませんが、水面の波紋から風を感じました。
小野竹喬「春野秋渓のうち 春野」
緑・白・桃色の色の層の重なりが美しく、ひなまつりの菱餅を連想しました。近づいてみると実はかなり細かく書き込まれていたり見方によって発見のある絵でした。
速水御舟《あけぼの・春の宵 のうち「春の宵」》
夜のモノトーンに近い桜。細い枝から散る桜とと三日月は太く満開の桜や満月よりもたしかな存在感がありました。
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