話しているのは誰? 現代美術に潜む文学
会期ギリギリで行ってきました。
感じたこと
文学というと小説や随筆をイメージしがちですが、今回の企画展における文学とはもっと広く、文章を読む際の音感/韻などの音の要素、タイポグラフィやフォントなど文字の視覚的要素、物語における心情描写や伏線などのストーリー的要素などを指しているのではないかと感じました。
もっとも印象に残ったのは小林エリカさんのインスタレーションで、原爆(ウラン)とオリンピックをテーマとするものでした。
1940年に計画されていた東京オリンピック、しかしギリシャから聖火が届くことはなく届いたのは原子爆弾による光でした。
「炎を手にしたものたちが、闇の中へと降りていく」
この一文の解釈は様々あると思いますが、原爆の炎を見ると同時に命を落とした人々、原子力という炎の力を手にした結果倫理観がゆらいでしまった科学者や軍事関係者、もっと深読みすれば2020年東京オリンピック開催という炎を手にした日本に対する揶揄。
人類が火を扱うようになってから50万年以上経っていますが、希望を灯すために使っていくことが科学の時代に生きる自分たちの使命ではないかと感じました。
写真
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