見出し画像

河鍋暁斎の底力

に行ってきました。

河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい、天保2年4月7日〈1831年5月18日〉 - 明治22年〈1889年〉4月26日)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、日本画家。号は「ぎょうさい」とは読まず「きょうさい」と読む。それ以前の「狂斎」の号の「狂」を「暁」に改めたものである[1]。明治3年(1870年)に筆禍事件で捕えられたこともあるほどの反骨精神の持ち主で、多くの戯画や風刺画を残している。狩野派の流れを受けているが、他の流派・画法も貪欲に取り入れ、自らを「画鬼」と称した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E9%8D%8B%E6%9A%81%E6%96%8E

冒頭の説明にも拾ってきた生首を写生したり、火事の際に逃げずにとどまって燃え盛る様子を描いたりしていたというエピソードがあり、まさに絵に狂った人物だと感じました。

一方で弟子のために見本を書いたり、自分の下絵に弟子のためのメモを書くなど後進の育成にも力を注いでいたというのは意外でした。

気になった作品は

《象 写生》
象の皺や体毛、目などがリアルに描かれストレートに画力の高さを感じる作品でした。

《骸骨の茶の湯 画稿》
骸骨が茶の湯をしているという少しユーモアがある絵で、河鍋暁斎が美術解剖学的に人間の骨格を正確に捉えているからこそ正確なデッサンができるのだということも感じました。

《卒塔婆小町図下絵絵巻》
小野小町の死体が朽ちていく様子を描いた絵巻で、ドグラ・マグラの死体が朽ちていく様子を描くシーンを連想しました。こういった絵を九相図というようですが呪術廻戦の九相図はここから来ているようですね。

- 脹相(ちょうそう) - 死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。
- 壊相(えそう) - 死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。
- 血塗相(けちずそう) - 死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。
- 膿爛相(のうらんそう) - 死体自体が腐敗により溶解する。
- 青瘀相(しょうおそう) - 死体が青黒くなる。
- 噉相(たんそう) - 死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。
- 散相(さんそう) - 以上の結果、死体の部位が散乱する。
- 骨相(こつそう) - 血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。
- 焼相(しょうそう) - 骨が焼かれ灰だけになる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E7%9B%B8%E5%9B%B3

《鳥獣戯画 猫又と狸 下絵》
本展の目玉の作品でもありますが、やはり迫力がありました。印象的なのは和紙を重ねて何度も書き直している点で、それだけこだわり抜いた作品なのだと感じました。


下絵、原画をみるというのは

でもありましたが、作者の試行錯誤やインスピレーションがそのまま見れるという点でやはり面白いなと思いました。ショップのポストカードが展示内容にないものが多かったり、下絵ではなく仕上げられた状態のものだったりしたのが残念ですが、狂ったように一つのことに打ち込むすごさを感じさせてもらえた素晴らしい展示でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?