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オーバートレーニング症候群になって気づいたこと③あまり知られていないであろう意外なこと

オーバートレーニング症候群=走りすぎ、練習しすぎ
が多く挙げられるし、文字通りに見たらそうだろう。
しかし、それだけではないことをこの記事でしっかり書きたいと思う。
オーバートレーニング症候群の指標を月間走行距離やポイント練習の内容や頻度だけで評価するのは必ずしも正解ではないのだ。


(1)実業団選手やプロ、エリートランナーだけがなるわけではない


オーバートレーニング症候群って言われた時、私も
え、そのへんの市民ランナーやのに?と思った。
でも市民ランナーでも、フルタイムの仕事、家庭との両立をしながらで疲れた中でも走っていたら疲労は大いに蓄積するのだ。
働きながら、家族の理解を得ながら真剣に記録を意識して走ることは相当厳しいものなのだ。
これの意識があまりない(耐えれるキャパが半端ない?)市民ランナーは割と少なくない気がする。

(2)走る以外の環境や状況の変化もオーバートレーニング症候群になる原因になりうる

6月からスランプが始まった時に、お世話になっているトレーナーの方に、
社会人1年目は結果を出すのはめちゃくちゃ難しい。住む場所まで変わったのなら尚更。環境が大きく変わるのだから。順応するのは相当ストレスがかかってるよ。
と言われたことがある。
当時はなんでかいまいちよく分かってなかったのだが、オーバートレーニング症候群になってやっと割とはっきりわかった気がする。遅すぎるけども。だからこそ備忘録で書きたかった。

私は今年の4月から社会人になった。
理系で大学院まで行っていたが、3年間所属していた研究室は割と忙しく、時間そのものの数字だけなら社会人になった今の方が時間はとれた。だから学生の時よりむしろ走る余裕ができる、と考えた。
職業も力仕事だらけやったり、毎日何時間も残業を余儀なくされるブラック企業、ていうわけではないから尚更だ。

でもそんな考えは全く通用しなかった

8月から仕事が急激に忙しくなり、本格的な業務が増えると慣れないことも増えるし怒られることも増えるし、何より自分がどれだけ仕事ができないのかを思い知らされ、毎日のように1人反省会をして落ち込んでいた。
そんな後で仕事にくたくたに疲れてしまってるなかさぁポイント練習…
する気力なんてないんですよ、落ち込んで落ち込んで…あぁまた怒られた、またあの失敗した…の繰り返しだった。
しかも大学院までのバイトと違って、完全に生活がかかっている、クビになったらもう生活していけない。
何が起こるかわからない先行きの見えない人生の中で、親に頼ったり、誰かに養ってもらうことを期待するのは私は嫌だったので尚更。
社会人の責任は凄まじいものなのである。
こんな感じで気を張り詰めてたらランニングに割ける余裕は減って当然だと(そうじゃない人もいるかもしれないけど私は残念ながらそんなに器用な人間ではない)

1年目はそんな感じで仕事覚えたりするのにいっぱいいっぱいの時にランニング、しかもしっかり競技をする、となると順調にタイムを出すのは難しいわけです
(※私の知り合いで社会人1年目でベストを出したり順風満帆にいってる人もいる。だから全ての人にはあてはまらない。しかしだからこそ尚更自分はうまくやれてないことに自己嫌悪が大きくなっていた。)

次は住む環境について
元々は大阪で一人暮らしをしており、実家も奈良で、社会人になってから、知り合いもそんなにいない京都に引っ越してきた。
京都は年に1〜2回、友人とたまに観光しにいくぐらいの場所で、いくらお隣の都道府県でも馴染みはなかった。
そこでコミュニティに入ろうと頑張ったのだが、私の走力と人間力の欠如で失敗し、1人で粛々と練習をする日々だった。京都は速すぎる人ばかりで私には全盛期の走力を維持しないと練習についていけなかった。単に実力不足。京都の人たちがどう、とかという問題では決してないことは声を大にして言いたい。とてもいい方々なのだが、残念ながら私自身が一緒に練習させて頂くのに相応しい走力と実力が足りなかった…

大阪や奈良にいた時は調子の良し悪し関係なく、大体は誰かと一緒に練習できていたのに…
知り合いもたくさんできて毎週末は研究室の合間を縫って誰かと練習するほうが普通やったのに…

という孤独感が日に日に強まっていった。
こんな感じで走ること以外に気を張らないといけなかったり抗わないといけない無意識に溜まっているストレスがどんどん溜まると
走ることに回せる余裕(キャパ)が減っているのである
これに気づけなかった(気づきたくなかった、という方が正解かもしれないが)
だから以前なら余裕でこなせる強度でも、環境の変化によってはとんでもなく高い強度になることがある。なぜなら自分の走ることに割けるキャパが下がっているから。
もちろん逆も然り。

舐めるな走ること以外のことを

私の例以外で例を挙げるなら
家族構成が変わる(お子さんができる、誰かと新しく一緒に住むなど)と家事の分担が増えたり、1人で落ち着く時間が減ったり、一日の時間や過ごし方が変わるだろう。
それによってもキャパは大きくも小さくもなる、ということかと。

つまり何が言いたいかというと

走る以外の環境の変化も考慮して自分のキャパを正確に自己評価できるようにすべきなのだ

これが私がオーバートレーニング症候群になってしまった最も大きな要因であるかもしれないが、案外これができてない人がとても多い気がする。


以上、オーバートレーニング症候群に気づく上で初めて気づけたことを記した。

ネットではあまりオーバートレーニング症候群の原因としては書かれてないと思うが、これらのことは侮るなかれ、
と声を大にして言いたい。

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