見出し画像

音痴は治る!

福島県より、音楽大学進学をきっかけに東京に上京し、もうじき10年。現在は舞台の仕事をしています。(コロナの影響によりなにもやっていない自分を俳優業が職業だと言っていいのか日々疑問に思うのですが、、、)

音楽大学を出て役者、、、正直なんとも言えませんよね(笑)だって年間200万近くも授業料を両親に払ってもらい、プラス生活費をもらう生活をして、卒業後は不安定な世界にいるのですから。そして私は今、オペラの世界にいるわけでもない。

在学中、劣等生でした。いや、本当に。音楽大学卒業です!なんて外で言いづらくて極力言わなかった20代。首席での卒業なんて経歴に書けたらカッコいいのですが、そんなこともなく正直、大学3年の時やめたいと思っていた。そしてなんとか卒業。卒業したらもう音楽には関わらない生活をしていこうと思ってもいた。

が、卒業後についた職業は児童演劇役者。しかもミュージカル。


歌は好きだったけど、人前で歌うのは好きではなかった事に気づいたのは大学に進学してから。特にソロなどもう最悪。極度のあがり症で、はじめての試験の前に行われた門下の発表会では、声を出しているつもりなのに全く出ておらず(無音という意味で)、遠くで見ていた先生から『伴奏始まってたけど、聞こえた?』と言われたのはショックだった。だって、声出てると思っていたから。それくらいのあがり症。

しかも、音痴だった。


歌を仕事にしたい人達が集まってくる音楽大学であがり症であり音痴であるのは、もう致命的。年々周りとの差は広がり、私は現実を見ないような生活をするようになった。座学は好きだった。でも実技が嫌い。皆の前で歌うのが嫌い。それで、まぁ、なんとか無事卒業。ストレートの芝居だと思って入った劇団はミュージカルで、7年間児童演劇ミュージカルでソロをやっていたという、自分でも謎が多い私の人生。でも、この間に乗り越え、好きだった事がまた好きと思えるようになったので、良かった。


で、音痴についてですが、、、

音痴は治せます。

これは私の経験談です。ご参考になれば、お使いください。ですが、今日明日で治るような事では無いこと、コツコツやっていく事が大切だと言うことを前提に。


音痴とは、一般的には音程が取れない人の事をいうのでしょうが、、、それは自分でわかっていますか?本当に音が取れていない事。

大体の人が、第三者から『音痴だね』と言われるか、『音が違うんだよね』と言われるかでは無いでしょうか。あとは "頭の中にある音と出ている音が違う" 。それって自分で分かっているって言うことになるのかな?と疑問に思ったらそこからやっとスタートです。

声は楽器です。ピアノには鍵盤があるように、声には声帯があります。この声帯の大きさは人によって違う、声帯の大きさでその人の声の音色や音域が違ってくる。声帯の大きさを見たい人は耳鼻咽喉科にいって言えば写真を撮ってもらえます。ヴォイストレーニングにいくとき、新しい先生に習うときはその写真を持っていくといいですよ。それを見ても分からないという先生は、、、あまり信用できない。

歌のお仕事をされている方はだいたいみんな見ているんじゃないかな?私も一番最初に声帯の写真を撮りました。

声は声帯を引っ張る筋力も関係してきます。なのでやみくもに声を出したり、地声で出せる音域を広げようと無理に張り上げたりする事を独学でするのはとても危険です。そんなんじゃ音域なんて広がらんわって。

地声でなるべく高い音を出せるようになりたい気持ちはわかりますが、、、裏声も鍛えた方がいい。

さて、音痴には4種類あることをご存知ですか?

リズム、音程、音域、滑舌 です。

【リズム】これは曲の伴奏にもよりますが、大体はベースとドラムを聞けば取れます。チッチッチ、、ボンボンボン、、、ってやつ。

【音程】は、まずいろんなジャンルの曲を聞いてください。どう選べばいいかわからない人はDJさんのアルバムをオススメします。アレンジが加わってはいますが、そこから気に入ったものの原曲を探して聞く。いろんなジャンルが出てきます。

そしてクラシックピアノの曲を聞く事。途中で寝ちゃっても気にしない。なんなら寝る前に聞きながら、そのまま夢の中へ入っちゃっていいんです。私もまともに最後まで聞けたことは無い。ただただ耳にピアノの音を流しておく。流しながら本を読んで、本に集中しちゃってもいい。耳が身体が音を覚えてくれます。自分の身体を信じて。自分の脳ミソより優秀だから。

そして、そもそもドレミファソラシドの音の幅の認識という問題ではないかと思います。音階は全音と半音で組み合わさって出来たもの。それは調が変わってもこのドレミファソラシドは変わりません。なので、鍵盤でドレミファソラシドを何回もたたいて覚えさせましょう。変なアレンジ加えず、シンプルに!!

ドレミファソラシド

次に、3度音程とか5度音程となってくるのですが、この練習は"コールユーブンゲン "という本でできます。大体800円で購入出来ます。音大に進学した人ならばみんなが知っている本なのではないでしょうか。

これは私が音痴を治すのにとても助けられた本です。しかも一人で練習出来ますからね。

コンコーネという本と違ってメロディー(旋律)が分かりやすいわけではありませんが、とても勉強になります。ピアノで弾いて、録音して、アカペラで歌って、録音して、聞いて自分の声に突っ込みを入れていく。『おーい!』とか『そこもうちょい上だよ』とか『はい、頑張ってー』とか。でも、決して楽譜に書き込みはしない。突っ込みで覚える。書き込むとそこの部分だけが特別に意識してしまうからオススメはしません。

という作業を繰り返しました。また、この本には他の音楽的知識も書かれているので、この本のことが理解出来れば、どこにいってもさほど困りませんし、よく難しい音が取れるねと言われるようになりました。ありがたい。今は愛用して4冊目になります。

カラオケに行ったときは、アイドルの曲を使ってその日の音痴具合と声の調子を判断します。AKB48さんやSMAPさん嵐さん。私はアイドル好きでは無いです。どちらかというとインディーズが好き。でも、アイドルの曲はいい曲も多いんです。そして誰でも歌える、口ずさめる、耳に残るような曲が多い。初見で歌っても、大体オケがあればなんとなくメロディーも分かりますよね。

そして、相対音感を鍛えました。"相対音感"?と思われる方もいるかと思うのでご説明しますと、絶対音感は雨の音も音符に聞こえるような人のこと。相対音感とはピアノの鍵盤でラを弾いていても、聞こえる人によってはそれがファに聞こえるというので判断出来ます。大体の人が相対音感。たまにいるレアケースなのが絶対音感。音大生皆が絶対音感だと思うなよって聞かれる度に思う(笑)

相対音感を鍛えると、どんな調に移調してもなんの抵抗もなく2小節聞けば音を取ることが出来ます。絶対音感を持っている友達は、書きかえなきゃいけないから大変だといっていましたね。

相対音感の鍛え方は私は洋楽を聞いて鍛えました。洋楽は邦楽と違ってひとつの曲をいろんなアーティストがカバーしているので、いろんな調の曲を聞くことが出来ます。そして真似て歌ってみる。

歌を上達させるには、まずモノマネする事ですね。なりたい声、なりたい理想がないのにいきなりオリジナルを探すのは大変な作業です。好きな曲をいっぱい歌って、自分の声を探していく。ハスキーも個性。ピッチが悪いのも、、ある意味個性。ソロを歌うぶんにはさほど困らない。でも、誰かと合わせるのには大変かもね。

【音域】は、自分がどこからどこまで声が出るのかを認識する事。そしてどのあたりが一番のびやかに声が出せるのかを知ることです。のびる音の前後がトップにくる曲を選べばいい。そして、好きな方を使って伸ばしていけばいいと思います。低音が苦手だから低音をいっぱい練習してもつまらないで行き詰まったら本末転倒、、、やめてしまう。歌って、一回嫌いになると、なかなか戻ってこないのよ。それよりも高い音を出すのが好きだったらそっちを広げていけばいい。そうするとちょっとずつ低音も広がって、気づいたら音域が広がっていたという感動が待っています。

また、音域音痴に多いのは、選曲や選ぶキーが間違っているという事。キー選択はその曲のサビで決められます。Aメロは基本的に低い音から始まっているので、サビで自分のキーを探しましょう。女性が男性の曲を歌うときは+4、男性が女性の曲を歌うときは-4と言われているが、、、それただ平均だから。誰が女性キーって決めたんだって話。

【滑舌】これは実はとても大事で、音程以前の問題だと思っています。滑舌がいいと、音がクリアに聞こえます。東北出身なこともあってなのか、私はほとんど唇を動かさないでしゃべる事ができてた。けど、動かすようになったら音が5度は上がった。(ド→ソくらい)

そして音がのびる。普段の会話から治すことができる。滑舌が良いと相手に好印象を与えることができ、聞いていても、相手に伝える意志があることが分かると、話を聞く気持ちにもなりますので、歌でも普段の会話でも、周りが聞いてくれるようになると思います。話しているのに相手が聞いてくれなかったら、気持ちが伝わらなかったら意味ないもんね。そして、自分自身も物事への決断力がついてきます。

滑舌は遺伝するという話も聞いたことがありますがどうなんでしょうね、、、でも子供は親の真似をして育つので、そうとも言えるんですかね?

滑舌を治すには早口言葉!!ってわけではありません。その前に、自分の苦手なのがサ行なのかラ行なのか。母音のアイウエオはそれぞれどこに舌が触れているのか知っていますか?そして、子音で使う唇周りの可動域を広げる事。

それが分かってから早口言葉をすると、なんにも苦じゃない。

舌と唇が全てだと私は思っています。なのでルルルルルルルと舌を巻き息を吐く練習、そしてブブブブブブヴとリップロールをやってみてください!



以上が私が音痴克服した方法です。音痴だと知ったのは仕事をはじめてから。それでも人前で歌う、踊るとなったら逃げることは出来なかったし、放り投げる事も出来なかったので身につけました。コンプレックスが1つ無くなった瞬間は世界が優しくみえました。


最後に、音の取り方です。

音はだいたい3つの取り方はあると思います。

1、視覚(楽譜や音程バー)

2、聴覚(耳コピ)

3、身体

一番オススメしないのは人の声の耳コピです。なぜなら人それぞれ音のピッチが違うから。ピッチの悪い声を聞いていると自分もピッチが悪くなる。電子音もあまりオススメしたくないですね。ピアノがあるところを見つけたらピアノをひいてみましょう。

私のオススメは身体で覚えることです。

身体で覚えるとは、今、自分がどこを意識して音を取ったのか覚えておくという事。そして、身体を動かしながら余計な力が声帯にかからないように他の事に気を背けるという方法。一番いいのは壁を押しながら声を出すのがどこででもできる。

以上。


音痴は治ります。




この記事が参加している募集

習慣にしていること