ヒーロー

 今日放送された「それゆけメッセンジャー」。

 今回は3週に一度の武川アナウンサーの日だった。濃い内容が真骨頂の「それゆけメッセンジャー」だが、武川さんの回は、水割りのカルピスが並ぶ中に原液のままのカルピスが紛れ込んでいるかのように、一層濃さが増す。

 そんな今日の放送では、「過去の戦隊ヒーローや仮面ライダーのおもちゃが高値で売れる」というお話があった。

 「おもちゃ」は子どもの宝。昔はトイザらスや家電量販店のおもちゃコーナーは夢の空間だった。未だにおもちゃコーナーの前を通ると、当時のように輝いて見える。

 買ってもらえないとは分かっていながら、両親にねだり、ごねて怒られる。それが週末の買い物の定番のくだりだった。今でもこうした光景をよく見かける。その度に「時代は変わっても子どもの本質は変わらないのか」となんだかほっこりする。

 今思えば、私はおもちゃメーカーの術中に見事にはまっていた。新しいシリーズが始まる度に、新しいキャラクターが出る度におもちゃを欲しがった。

 もちろん全てを買ってくれるわけではない。しかし、私は運がよかった。

 私の誕生日は4月。ちょうど改変を迎え、新たな戦隊シリーズ、仮面ライダーが始まるタイミングだった。誕生日プレゼントには最新のベルトやフィギュアを買ってもらえた。クラスでは一躍ヒーローになった。

 その一方で私の1つ上の従兄はこの点に関してだけは運が悪かった。

 従兄の誕生日は1月。ちょうど追加キャラクターも出揃い、物語はクライマックスを迎える時期だ。そのため、おもちゃもフィギュアも一通り出回っている。やっと買ってもらえたところで、またすぐに新しいシリーズが始まる。何とも不運だ。

 実家では、今も大量の変身ベルトや剣やフィギュアがタンスに眠っている。たまにタンスを開ける度にそれらが目に付き、懐かしさから取り出してしまう。

 もう名前も内容も覚えていないヒーローたちだが、その当時の思い出だけは蘇ってくる。当時の記憶を蘇らせる彼らは、今でも私のヒーローだ。

 決してお金では測れない価値が詰まったおもちゃたち。今日もどこかで誰かの思い出をまとっているのだろう。

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