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心臓を修理する(7) 心臓弁膜症治療日記

11月28日(火) 退院の日、自宅療養へ

退院の日の朝、良い天気で外は季節外れの暖かさ。タクシー乗り場で待っていてもフリース1枚で全然寒くない。タクシーで20分ほどの自宅に戻る。
まずは荷物を片付ける。調子に乗って勢いよく2階に上がったら息が上がった。気をつけないと・・・。そうこうしているうちに昼食の時間。退院して最初の食事はカップラーメンに決めていた。しっかりした塩味が腹にしみる。塩分コントロールには普段から気を使っているが、理想的にはできそうにない。スープは残す。

入院の前には、帰ってきても外に出られないくらいだと思っていたが、想像した以上に回復している気がした。暖かさも手伝って近所のコンビニに行くことに。200mほどの距離だがゆっくり歩く。卵やカット野菜などの生鮮食品を買う。帰宅したら急に疲れが出て夕食までベッドで休む。回復した気になっていたが、やはり体力は落ちていた。19時ころ起きだして、一人暮らしなのでいつも通り夕食の支度、ノンアルだが柿ピーをツマミに晩酌、録りためたテレビ番組を見ながら食べる。帰宅のメールを出し、友人に電話してから暖房を効かせて早めに休む。

こうして自宅療養が始まった。心配していたがなんとかなりそうだ。入院前から2つ、目標を立てていた。
・年賀状を出す
・2024年の仕事始めから出勤する
果たしてできるだろうか。

12月1日(金) 外出してみる

退院の翌日から1日起きていることができた。コンビニに行って、少し大回りして帰ってくる散歩が日課になった。2023年も最後の月にはいった。天気が良いので今日は普段なら歩いて15分ほどの駅まで行ってみることに。お年寄りに追いつけないくらいの普段よりゆっくりの速度で歩く。

20分ちょっとで1か月ぶりに駅に着く。なんとか休まずに歩けた。この時、もう少し行けるような気がしてきた。定期もまだ残っていたので、電車に乗ってすぐの病院まで行ってみることにした。エスカレータでホームに上がって電車を待って乗るだけなので大して負担にはならない。駅から病院まで10分ほど歩く。通院の練習という意味もあるが、保険の請求に使う診断書の請求が主な目的だった。さすがに疲れる。大病院はいつも待たされて困るものだが、今回ばかりはその待ち時間で体を休める。

電車に乗って戻り、駅前のスーパーで買い物。飲み物などを買ったので荷物が重くなった。疲労も重なって帰りはかなりつらい。途中の公園のベンチでしばらく休む。帰宅したらどっと疲れた。スマホで確認したら8千歩歩いていた。退院後4日でこんなに歩けるとは思わなかったが、さすがに無理だった。この日から足の筋肉痛としびれに悩まされることになった。「無理しないように」と言われるが、これが一番難しい。早く復帰しなければという焦りもある。

12月4日(日) 再び駅へ

日曜日、もう一度駅まで買い物に。足が痛くて引きずるようになっていた。
昼食は駅前のサイゼリヤで済ます。1か月半ぶりの外食、良い気晴らしになる。薬が多いので、100円ショップで薬整理用のポケットを買う。一緒にチャック付きのビニール袋も買ってせっせと自分で分包化する(タイトル写真)。

12月5日(月) 仕事を始める

今週からリモートで仕事を始めた。最初はたまりにたまったメールの処理。朝から初めて夕方になっても終わらない。この日は午後3時で終了。リビングでメールを見ただけなのだが、PCを落としたらどっと疲れが出て夕食までベッドに入る。やはり体力は戻っていない。

12月14日(木) 手術から1か月

今日で手術から1か月たった。仕事には出られないが普通に生活できている。ここまで回復していることが信じられない。まずは現代の医療に感謝。

12月16日(土) 車が入院

ひと月使わなかった車のバッテリーが上がっていて、よくわからない警告灯が点灯していた。まだ運転ができないので、ロードサービスを呼んでレッカーでディーラーまで持ち込む。人間が退院したと思ったら今度は車が入院した。トヨタの修理部門は相次ぐリコールの対応で忙しいらしい。年内に戻ってくればよいと伝える。このディーラーは幸い駅に近いので電車で帰宅する。

12月20日(水) 年賀状を買う

駅前の郵便局で年賀はがきを買う。帰宅して名簿の整理と印刷。さすがに添え書きは省略したので働いたのはプリンターだけだったが、ともかくも年賀状の準備ができた。仕事で忙しい例年よりも早く準備できた。近所のコンビニの前のポストに出す。これで目標のひとつができた。

12月22日(金) 退院後初めての通院

この日は退院後最初の通院日、駅まで歩いて電車で行く。相変わらず足を引きずっている。血液検査と心電図を取ってから診察へ。久しぶりに主治医に会う。血液検査の結果、ワーファリンの量に変更なし。胃薬が中止になった。この血液検査と薬の調整がこれからずっと続く。傷の状態を確認して入浴が許可になった。車の運転もOK。マシンを使う筋トレを避ければ、適度な運動もOKとのこと。とりあえず回復は順調のよう。病院のレストランで塩分控えめの定食で昼食。買い物をして帰宅、少し疲れる。

今までシャワーしか使えなかったが、許可が出たので風呂を沸かして入浴。暖まったら足の痛みやしびれがウソのように消えた。冷えただけだったのか?

12月24日(日) 通勤の練習に

クリスマス・イブだが、特に予定もなく、療養の続き。今日は電車に乗って会社がある駅まで行ってみる。暖かくなった午前中に出発、病院へ行くより少し先まで電車に乗るだけなのでそれほど負担ではない。駅前のカフェ・チェーンのお店でお茶をする。

戻って駅前のスーパーで買い物。チキンとショートケーキを買う。一人なのはちょっと寂しいが、ノンアルコールビールでささやかにクリスマスを祝う。

12月25日(月) 通勤に備える

今までは暖かい昼間に出かけていたが、この日から、朝、普段出勤するのと同じ時刻に家を出て電車に乗り、途中の駅で引き返して帰宅。夕方も仕事が終わった時刻に駅へ行って買い物などして帰ってくる。寒く、暗い時刻に歩くことで通勤の感覚を取り戻すつもり。明日はもう少し会社の近くまで歩いてみよう。

12月28日(木) 仕事納め

勤め先は今日が仕事納め、午後はいつも通り大掃除だろう。メールでお世話になった挨拶を済ます。少しホッとする。今日は退院して1か月目でもある。

12月29日(金) 正月休みのはじまり

例年、この日は近所のホームセンターと大型スーパーに車で行って正月用品と食料品の買い出し、門松は省略してリースだけにする。手ごろな小さいおせち料理のセットがあったので購入する。お雑煮は省略することにした。
いつもの買い物だったが、広い店内を歩き回ったことでかなり疲れた。
帰ってから少しベッドで休む。年明けから出勤できるだろうか。

12月30日(土) お正月の準備

1日飾りにならないように正月飾りの準備、狭い家なのですぐ終わる。大掃除は大幅に省略、傷がまだ落ち着いていないので脚立に乗るような高い場所の掃除はパス。どうせ一人でお客も来ないので、自分が満足できる範囲で済ます。以前より疲れやすいが、体調は悪くない。

12月31日(日) 大晦日

今年も今日で終わり、運動を兼ねて駅前のスーパーまで行って買い物。年越しそばのおかずのてんぷらなどを買う。以前は夕食後の遅い時間に年越しそばを食べていたが、最近は夕食に食べるようにしている。ノンアルビールで晩酌。紅白は最初だけちょっと見たもののにぎやかすぎてなじめない。今年は入院したせいで、いつも行っている第九のコンサートに行けなかったので、Eテレで夜8時からのN響の第九を見る。

年越しそば、今年は信州そばを取り寄せてる暇がなかった

入院前は心配したが、無事に年を越せることに感謝。小さい頃はこの日だけが遅くまで起きていられる特別な日だったなと思いながら早めに休む。機械弁の音はもう聞こえなくなっていた。代わりに心臓の鼓動が前より強くなっているような気が。良くなっているのだろう。

1月1日(月)-3日(水) 三が日

2024年が明けた。お屠蘇とおせちでささやかなお祝い。いつも通り配達された年賀状を見る。普段と変わらないお正月だが、あれだけの手術をして普段通り迎えられることに感謝。昼頃に近所の神社に初もうでを済ませる。入院にも持って行ったお守りを納めて新しいものを購入した。午後から兄夫婦と両親の墓参りに行く。元日の夕食はいつもすき焼き。一人鍋で済ます。

2日と3日は箱根駅伝を見てゆっくり過ごす。3日、ゴールを見届けてからいつも行く市営プールに初泳ぎに行く。正確には初泳ぎではなく、ほとんど歩いていた。やはり以前より疲れるのが早い。それでもゆっくりとだが25m泳げたので少し安心する。

1月5日(金) 仕事始め

今日から出勤、いつも通りに起きて朝食を済ませ、駅へ。駅前のスーパーでコーヒーを買い、会社へ。いつも通り。それほど疲れる感じではない。
11月以来の同僚との顔合わせ、迷惑をかけたとは思うが、みな温かく迎えてくれてうれしい。この日は年賀式や打ち合わせで時間が過ぎる。初日は15時過ぎに早退させてもらう。帰宅後、どっと疲れが出て夕食までベッドで休む。やはり、まだ本調子ではなさそう。とりあえず出勤できた。入院前の目標はクリアしたことになる。

その後、少しずつ帰宅時間を遅くし、帰宅して寝込むこともなくなった。フルタイムで働ける日も増えてきて、徐々に通常業務に戻っていった。順調に日常を取り戻し、回復していったように見えたが、1月22日にまた体調に異変が。このあたりはまだ進行中なので次回に。

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