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どうせいつかは死ぬのだから
比喩でもなんでもなく
幸せに生きていくためには
「自分を殺す覚悟」が必要だと思う。
***
私が手伝いをしているラーメン屋は
毎日ありがたいことに行列が出来ていて
食通の間ではそこそこ話題の店になっている。
『ラーメンの枠に捉われず、だしと麺にこだわった料理を提供する』というコンセプトのもと
「ここでしか味わえない」と思ってもらえるようなプロダクト・サービスを提供している。つもりだ。
さて、そんな店なのだが
イメージカラーはターコイズブルー。
日本名で言えば『浅葱色』である。
店主の好きな色であり
店名の「遊泳」にもピッタリで
なんともイカした色合いではあるのだが・・・
浅葱色には「死を覚悟して戦う」という意味・文脈もある。
新撰組の浅葱色がまさにそれだ。
遊泳は店名のごとく「遊び心」「独自性」を大切にする店で
「競争」や「争い」とは対極のスタンスである。
だから私は
「良い色だけど、意味が合ってないなぁ」と感じていて
「脱サラしてラーメン屋を始めた店主の背水の陣を表現したってことにするか・・・でも、そんな必死感ないしなw」などと勝手に考えていた。
そして行き着いたのが
「過去の自分たちを殺していくこと」
という文脈だった。
それが一番「遊泳」っぽいし「俺たちらしい」と思った。
***
「死ぬ気で頑張る」
ことが成功や幸福に繋がることもあるけれど
自分の人生を振り返った時に
その多くは「自分との競争」だった。
反対に「他者を倒そう」「自分の正義を貫こう」と躍起になったときの感情は、あまり心地よくなかった。
生きるために必死だった新撰組の時代とは対照的に
これほど豊かな時代を生きている私たちは
「他者との競争に勝つこと」ではなく
「自分をアップデートしていくこと」に
精力を注ぐべきなんじゃないかと思う。
***
口で言うのは簡単だけれど
「自分を捨てること」
は難しい。
不安が付き纏うことも多いし
自分では捨てているつもりでも
全然捨てられていなかったり。
だからこそ
「どうせいつか死ぬんだし、一回自分を捨ててみよう」
こんなマインドセットを強く持つようにしたい。
そのマインドセットは
「自分の人生や自分らしさに対して投げやりになる」ようなことはなく
「自分の人生を主体的に生きるための殻破り」の習慣に繋がっていく。
良い意味で自分に無関心になって
物事や感情を俯瞰的に捉えるようになれば
晴れやかな気持ちで前に進める。
新しい、前向きな行動を選択するために必要な
最重要マインドセットだと思う。
***
「ディズニーか・・・まぁ行ってもいいけどさ・・・」
今年の5月、妻からディズニーランドのお誘い。
5年前、私たち夫婦はディズニーランドで大げんかをした。
ディズニーが大好きな妻と、思い入れのない私。
アトラクションを次々に楽しみたい妻と、二日酔いで死にそうな私。
いろいろな感情が噛み合わず、夜のレストランで妻の臨界点を超えた。
その時の妻の涙がトラウマになっているものの、出来る限り「楽しみ」は共有したい。
ファンタジースプリングスがオープンする前の、閑散としているであろうこのタイミングで乗り込むことにした。
とても、楽しかった。
相変わらず私のディズニーに対する思い入れはなかったかもしれないが、私なりに楽しむことができた。
帰り道
「実はけっこう不安だったんだよね」
妻が言った。
おう、君もそうだったのか。
ぜんぜんそんな素振りなかったじゃん。
5年前の喧嘩以来、二人の間でも散々ネタにしていたけれど
互いに心の奥の記憶は明るく塗り替えられていなかったんだろう。
わたしたちは5年前のしょうもない「負の体験」をやっと捨てることができた。
本当にしょうもない話なのだけれど(笑)
実はそういう小さなことの積み重ねなのかなと
主語がIであれWeであれ
いらんもんは捨てて行こうと
その連続が豊かさなのかなと
今日も今日とて仕事に、趣味に、生き方に
アップデートを施していきたいなと思う。
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