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中国のゴールデンウィークと端午の節句

ゴールデンウィークが終わったばかりの日本。夏休みまで、もうしばらく長い休みがないなぁなんて、ちょっと寂しい気分になっている人もいるかもしれませんね。

日本のゴールデンウィークのこの時期、中国でも同様にゴールデンウィークで、今年は4月30〜5月4日まで連休でした。今年は中国各地でコロナが流行しており、日本でも連日報道されているように、上海は4月上旬からずっとロックダウン状態、続いて北京もちょうどゴールデンウィークあたりから同様な状況で、連休の華々しさはちっともない状態でした。

中国のゴールデンウィークはメーデーが中心

日本のゴールデンウィークは、4月29日が昭和の日、5月3日が憲法記念日、4日がみどりの日、5日がこどもの日となっていますが、中国の場合、中心となるのが、5月1日の労働節です。労働節とは、世界共通のメーデーで、労働者の祭典。世界各地で、労働者が権利を要求するために、集会やデモ行進などをしたり、労使交渉が行われたりします。中国の場合、中華人民共和国成立後、1949年12年に毎年5月1日を労働節と定め、中国の法定休日となりました。

今年の中国は、4月30日が土曜日、5月1日がメーデーで日曜日なので、その分を振替休日とし、さらに4月24日、5月7日の土曜日を出勤日として、5連休になったようです。

日中同じ端午の節句でも…

日本では5月5日はこどもの日で、端午の節句と言います。中国でも旧暦の5月5日が端午の節句〜端午節です。今年の端午節は、6月3日(金)で土日も含めて三連休です。元々日本の端午の節句は、中国の端午節から由来していると言われていますが、節句の過ごし方としては、ちょっと日本のイメージと違っています。

中国の端午節は紀元前4世紀頃の楚の国の政治家・詩人である屈原(くつげん)の供養祭であるそうです。屈原は、人々の信望が厚かったものの、陰謀によって失脚し追放され、最期には川に身投げしてしまったそうで、その入水自殺した日が旧暦の5月5日だったそうです。

現在の中国において、こどもの日=端午の節句というイメージはなく、屈原にまつわるものが直接色濃く風習として残っています。端午節に行われる風習としては、ドラゴンボートレース、チマキを食べる、菖蒲を使った厄除けなどがあります。

ドラゴンレース、チマキは屈原の亡骸にまつわる習慣

ドラゴンボートレースは屈原が身投げして命を落とした際に、亡骸が魚に食べられてしまわないように、人々が船の上で太鼓を鳴らし、魚を威嚇したことが由来と言われ、またチマキは、屈原の亡骸を魚が食べないように蒸した米を竹筒に詰めて川に投げたのが発祥だそうです。日本でもチマキを食べる習慣はありますが、この由来を聞くと、ちょっと意外な気持ちになりますよね。

メーデーは中国では休日、端午節はこどもの日と関係がない…・これまでゴールデンウィークや端午節の際、いつもちょっとした違和感を感じていましたが、今回改めて文字で整理して、なんとなくすっきりしました。近いようで、全く違うこともある日本と中国。その違いを知るのも案外楽しいものがあります。(フライメディア・ヨシダ)

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