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ワンダショのシナリオで泣き、嗚咽する【プロセカ】

こんばんは、飛び亀です。

今回は、スマホゲームである「プロジェクトセカイ カラフルステージ featuring 初音ミク」(通称プロセカ)について、その中でも推しの「ワンダーランズ×ショウタイム」(通称ワンダショ)というユニットのストーリーについて語ります。

珍しい記事じゃないかね、こういうの(謎の自信)

プロセカは、クリプトンやセガ公式のスマホゲームで、初音ミクを始めとしたボカロ曲を題材とした音ゲーです。音ゲーのストーリーを語るとはいったい……

スマホゲーのシナリオって <前置き>

わたし、別にソシャゲマイスターではないので、そんなにたくさんのスマホゲームを遊んできたわけではありません。それなのにまったくひどい話ですが、「ソシャゲのストーリーなんてクソ」という偏見を抱いてきました。実際7,8年前にスマホを買って以来何年間も、その偏見が崩されることはなかったのです。

ところが、遊ぶゲームが入れ替わっていく中で、昨年くらいから「最近のスマホゲーってもしかしてお話に力を入れているのでは?」と掌を返しました。例えばアリスギアなんかネタに走ってるイメージですが、メインストーリーも回を追うごとに面白くなってる印象です。ロスワもメインストーリーにはずっと期待しています(更新ハイパー遅いけど)。

そしてこのプロセカ、音ゲーながら結構な文章量がある※のですが、これ、全てにおいて高クオリティのシナリオを展開してくるんですよね。箸休めで毒にも薬にもならないようなシナリオは少なく、メインストーリーでもイベストでさえも読み手の感情を動かしてくるものが多い。素直に凄いことだと思います。

※プロセカには5つのユニットグループがあり、それぞれに20話+3話のメインストーリーがあります。さらに月2,3程度のペースで各ユニットごとのイベント8話があり、登場するガチャ・配布キャラには2話ずつサイドストーリーがついてます。ついでに箸休め的なミニ会話がホーム画面でいっぱい読めます。

かつて巷のスマホゲーシナリオを読んではあまりの面白くなさにガッカリし、「これ僕が書いてもいいのでは」と調子に乗ることさえありました……
でもプロセカを読んでると、「これを書けるようになりたい」と思うほどです。

そんなプロセカシナリオの中でも、今回はワンダーランズ×ショウタイムという1ユニットのシナリオについて語りたいと思います。ちなみになんでワンダショなのかっていうと、推しユニットだからです。ただワンダショっていう略し方(公式)、絶妙にダサいですよね。

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ワンダショとは <あらすじ>

物語は、高校生男子天馬司が街のテーマパーク「フェニックスワンダーランド」のキャストアルバイトの面接を受けるところから始まる。彼の夢はショーステージの「スター」になること。自身を未来の大スターであると信じてやまない彼は、自信満々にキャスト面接に挑んだ。堂々たる大立ち回り、最後まで自信満々で面接会場を後にした彼のもとに、合格通知が届く。

しかし、意気揚々と仕事場へ赴いた彼を待ち受けていたのは、遊園地の外れにひっそりと佇む古びれたステージ、そしてハチャメチャに元気過ぎる少女鳳えむだった。えむに無理やり誘われ、古びれた「ワンダーステージ」でのショーを行うことになった司。ロボットやドローンを操る奇抜な演出家(司と同級生)神代類、過去の失敗から人前で歌えなくなった歌姫(えむと同学年)草薙寧々、そして類の作った「ネネロボ」を仲間に引き入れ、ショーユニット「ワンダーランズ×ショウタイム」の初公演を目指すが……

そういうスタートを切るお話(ここまで8話)。
ワンダショのメインストーリーは大雑把に言えば、ここからの「公演の成功、そしてショーユニットとしての成立」が主な部分です。

以下、ハイパーネタバレタイム。
細かくあらすじ解説していますが、できればゲーム内か公式動画(クソ長・コメンタリー付き)で先に見てほしいですね!

錆びた廃屋で夢を見てる <メインストーリー>

メインストーリー序盤は「テーマパークのショーユニット」として、愉快で明るい雰囲気で話の進んでいくのがワンダショストーリーの特徴です(他のユニットストーリーは割と早めに闇に落ちます笑)。

4人と1ロボットはそれぞれ二癖も三癖もあるキャラ。司くんは根拠もなくスターになると自信満々の高笑い少年だし、えむちゃんは天真爛漫で素っ頓狂な言動ながらみんなの笑顔のために走り回る前向きガール。寧々ちゃんは人見知りでいつも隠れてロボットを通して毒舌を投げつけてくるし、類くんは科学者ライクなネジの飛び方をしてて度を超えた演出も憚らない。

そんなサーカス一座みたいな4人が意気投合して力を合わせ、各々が努力を重ね、ついに初公演までこぎつけます。しかし、初公演を描いた12話。ずーっと明るいユーモア系の雰囲気だったワンダショストーリーは一挙暗転するのです……

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初公演のクライマックスシーン。あるメンバーのほんの些細な、しかし大きなミスによって、ショーそのものが続行不可能になってしまいます。初公演は紛うことなく失敗に終わりますが、13話、座長でありスターを目指す司は、そのメンバーに怒りをぶつけてしまうのです。客のために最高のショーを作らなければならなかったんだと。責められたメンバーは後悔に飲まれ、それを見た別のメンバーは「君は自分がスターになりたいだけだろう」と司に怒る。それぞれの問題が噴出し、ユニットは一夜にしてバラバラになってしまいます。各々の譲れないものがぶつかり合い、しかしすれ違う13話。サーカスのようにユーモア溢れたストーリー前半とは一変。必見の展開です。

14話、途方に暮れる司はしかし、「自分が何故スターになりたかったのか」を思い出すことになります。これ、実はプレイヤー側には、幼少期を描いた0話として本編を読む前に提示されているんです。司くん本人は(都合よく)忘れてしまっていましたが、13話以前の偉そうな司をプレイヤーが嫌悪し過ぎないためのフォローになってるんですね。それでも、司くんが昔を思い出し想いを取り戻す場面は泣き腫らしてしまう。巧妙に過去とデジャヴして、司くん本来の優しさが表に出されるんですよね。ほんとに演出が上手い。そして自身の言動を省みた司くん。彼はメンバーに頭を下げて謝罪するため、そして再びユニットを組んでもらうため、仲間たちを探しに向かいます。まさに主人公。

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もっと泣くのが15話、観覧車
夕焼けのフェニックスワンダーランドでえむと再会する司。えむちゃんはいきなり司を観覧車に誘います。広いフェニランを一望できる観覧車からは、園の外れで緑に囲まれたワンダーステージの姿も見えます。そこでえむは、今まで言わずにいた事実を司に伝えるのです。

このテーマパークは、えむの祖父が作ったものであること。おじいちゃんは何よりみんなの笑顔を大切にする人だったこと。そんな祖父の出演していたワンダーステージでのショーが、幼い頃のえむは大好きだったこと。しかし1年前に祖父が亡くなり、経営を代わった父は採算の取れない廃れたステージを取り壊そうとしたこと。そして、それに反対したえむが父と交わした約束、「期限までにワンダーステージを客の呼べる場所にすること」

かつて司がキャスト面接に合格したのも、実はえむの一存だったのです。彼女は司を見て、みんなを笑顔にできるショーを作ってくれる人だとピンと来たのでした。

しかし、初公演でバラバラになった仲間たちを目の当たりにした彼女は、自分のわがままのせいで「みんな笑顔じゃなくなっちゃった」と語ります。だから「もうステージはおしまい」と笑顔を作って諦めを告げるのです。

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号泣。
ここから司がそれぞれに何を伝え、どうやってワンダーランズ×ショウタイムを復活させるのか。これもまた必見です。

そして何より、最後に司の想いから生まれたとされるワンダショのテーマソング「セカイはまだ始まってすらいない」(作詞作曲ピノキオピー)が素晴らしい名曲。ワンダショシナリオとのリンクがすごいというか、逆にこの曲の歌詞からワンダショのシナリオが生まれたという話も。以降、イベントストーリーにまで続くワンダショ×セカ始の世界観を読んでいくと、セカ始のインストがかかるだけで泣く身体になります。(この記事の後半章題はセカ始の歌詞から貰っています)

経年劣化するハートビート <イベスト前半>

なんだかんだ20話にてワンダショは再結成され、無事ワンダーステージでの公演が始まります。そこからの諸々の展開はイベントストーリーにて展開されます。
(これもプロセカの特徴で、ほとんどのイベストはメインストーリーの続きを辿る本軸シナリオになっていて、たいていシリアスです)


イベント1「全力!ワンダーハロウィン!」
ハロウィンイベの皮を被った、類くんメインのストーリー。
観客を喜ばせるためなら演者に身体を張らせる演出をすることも憚らない類だったが、リハーサルで司が危険な目に合ってしまう。それを目の当たりにした類は、自身でも気づかぬうちに類らしい演出を控え始めちゃう話。

再びメンバー同士での喧嘩が起きますが、今度は互いを想ってのため。絆を深め、司たちへの信頼を強めた類は、その華麗なる演出を復活させます。類くんは変わらない類自身のやり方をメンバーに受け入れてもらえたことに喜びを隠しきれないのでした。

ちなみに、ここからフェニックスワンダーランド内でのショーコンテストが始まります。長期間に渡るお客さんによる投票で、最終的に1位となったショーステージはフェニランのCMに出られることに。スターへの道が一気に開けるため、特に司は意欲を燃やします。しかしそんなにたくさんのショーステージがあるんですね、フェニラン。


イベント2「聖なる夜に、この歌声を」
なぜか季節イベの皮を被せられるワンダショ。寧々ちゃんメインのお話。
ワンダショ一行は、コンテスト最大のライバル「フェニックスステージ」の歌姫桜子に出会う。彼女にワンダーステージをバカにされ怒る一行だったが、彼女の歌声を聞いた寧々は「自分はあんな風に歌えていない」と実力の差に気付く。そんな寧々ちゃんが真の歌姫になるお話。

寧々の幼馴染である類は、昔の寧々の歌い方を思い出せれば、とアドバイスをします。なんだかんだあって幼少期に親に撮ってもらったビデオを見返す寧々。そこには、下手くそでも楽しそうに歌う幼い自分の姿がありました。

『だいじょうぶよ、自分を信じて!』

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役になりきってショーをすることが楽しくて仕方なかった、あの頃の自分からのメッセージ。「わたしが一番楽しもう!」……寧々ちゃんは、かつての自分を取り戻したのでした。

そして彼女の歌声は、聖夜に奇跡を起こします。

埃払って再起動する <イベスト後半>

イベント3「スマイルオブドリーマー」
ワンダショ、そしてフェニランが大きく動き出す、えむちゃんのお話。
フェニックスワンダーランドは、かつてと比べてお客さんも減り、経営も少しずつ苦しくなっていた。経営陣であるえむの父、そして2人の兄は、亡き祖父が生み出したこの遊園地を残すために、運営方針の刷新を決める。それは既存のファミリー向けアトラクションを潰して若者向けアトラクションに替え、そして海外有名IPとの提携をするという大変革だった。

しかし「老若男女みんなが笑顔になれる場所」という祖父の遺志を守りたいえむは、家族の中で一人この計画に反対する。フェニランに来てくれたみんなの思い出が詰まった旧来のアトラクション。今なお遊びに来てくれる友達や家族連れの笑顔。何とかしてそれを守りたいえむだったが、この問題を一人抱え込んでしまうのだった。

コンテストに向けて頑張ってるみんなには、ショーに集中してほしい。だって、これはわたしの家族の問題だから。

みんなの思い出が詰まったアトラクションが潰されてしまう!という問題と、えむちゃんがみんなに助けを求められずに抱え込んでしまうという問題、2つのテーマを抱えたお話です。メインストーリーでワンダーステージ存続が決まったことで、笑顔を取り戻したはずのえむちゃん。しかし、今回のお話で再び錆びた廃屋で夢を見てる少女に戻ってしまいます。

問題そのものをみんなにひた隠していたえむちゃんですが、兄たちとのやり取りをメンバーに見られ、事態が明らかに。もちろんみんな味方をしてくれて、兄たちに言い返してくれました。ところが、それでもえむは「わたしの家族のことだから」と助けを拒みます。

一番純粋で素直で一直線で、一番仲間思い。しかし、そんなえむが一番仲間に心を開いていなかったのかもしれません。

けれども当然、ワンダショメンバーが彼女を見捨てるはずもなし。司は、仲間たちとともに彼女を観覧車に呼び出します。メインストーリー15話の返しですね!

そこでえむは、仲間たちに初めてあの感情をさらけ出すのです。

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本心を伝えたえむは、仲間たちとともにフェニランの問題に挑む覚悟を決め、心からの笑顔を見せるのでした。

しかしまあ、基本的に元気キャラであるはずのえむちゃんが貰った書き下ろし曲が、涙腺攻め系の曲っていうのもまたエモいわね。

イベント4「ワンダーマジカルショウタイム」
ワンダショ、そしてフェニランのために、何よりみんなの笑顔をつくるために。司くんと、ワンダーランズ×ショウタイムのメンバーのお話。

フェニックスワンダーランドを救いたい。客足の減少が続いていることは事実で、単に旧来のアトラクションを残すだけでは共倒れ。それでも、若者向けにリニューアルしてしまったら、今までのお客さんの笑顔と思い出が失われてしまう。

全てを解決する手立てとして類が提案したのは、フェニラン全体を巻き込んだ一大ショーだった。

仲間たちの案も取り入れ、ショー計画自体は完成する。しかし問題は、フェニラン全体を巻き込むこと。つまり、遊園地のキャスト全員の協力が必要不可欠だった。どのショーステージ、アトラクションでも「今更そんなもの無理だよ」と足蹴にされ、途方に暮れつつあった一行。しかし、フェニランの歌姫・桜子は違った。彼女は、フェニックスワンダーランド本来の理念「老若男女みんなを笑顔にしたい」という気持ちを失ってはいなかったのだ。

彼女の協力で状況はひっくり返る。
フェニランのキャスト全員の前で想いを語る司。

そして迎えたショー当日。それは、提携先の社長(海外有名IPの持ち主)が視察に訪れる日だった。そして、本来であればショーコンテスト最終日でもあった……

ワンダーランズ×ショウタイム第1部完結編、フェニラン問題解決編、そして主人公である司の成長も見て取れる大団円シナリオです。

行われたショーは、テーマパーク全体を、そしてお客さんみんなを巻き込むものでした。戦争で荒れ果てた土地に笑顔を取り戻すため、人々の望むままに遊園地を創り出した魔法使い。しかし時が経ち、歳をとった魔法使いは床に伏せてしまいます。彼の弟子シャオは憂いました。自分は師匠のような魔法は使えない、遊園地を動かせないと。しかし、魔法使いは語ります。魔法が笑顔を生むのではない、笑顔から魔法が生まれるのだと。そして、笑顔の増えた弟子と人々に、お前たちなら魔法を使えると言い残し、師匠は遠い世界へ旅立ちます。

魔法を失い、暗転するフェニックスワンダーランド。
しかし弟子は悲しみを振り払い、観客に呼びかけるのです。

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「みんなの力を貸してほしいの! 笑顔の……魔法の力を!」

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 ※両画像とも、少し明度を上げて掲載しております。

ある演出によって、光が戻るフェニックスワンダーランド。そして笑顔に溢れる観客たち。ショーは人々に笑顔をもたらし、そしてフェニランの未来にも素敵な魔法をかけてしまうのでした。

詳しくは書きませんが、ワンダショにとってもフェニランにとっても見事なハッピーエンドを勝ち取ったこのイベスト。正直言って、劇中劇というものでここまで感動するとは思いませんでした。やっぱりこの心の震えは、フェニランの問題えむちゃん、ワンダショメンバーの想いがそのまま劇中劇シナリオになっているからでしょう。創業者である祖父、そして想いを継いだえむのことが、そのまま劇になってると思うと大変にエモいです。

もう1つ、この園全体を巻き込んだ一大ショウタイムによって、本来行われていたショーコンテストは有耶無耶になってしまいます。スターになりたい司はこのコンテストにずっと懸けていました。そのことを、えむは何度も司に謝るのですが、司くんはそのたび「(残念は残念だけど)全然構わない」と言い切るのです。ここに司の成長が見られてとても良かった。

司くんにとって、いちばん大事なことはもう決まりきっていたのです。ワンダーランズ×ショウタイムとしてワンダーステージの客を、そして仲間たちをも笑顔にすること。フェニランの問題を差し置いてコンテスト1位を手にしても、大事なものを失ってしまっては意味がない。メインストーリー当初の司だったら、それも見えないままだったでしょう。しかし、今の司にはもはや自明のこと。迷いがあるような素振りは見せず、本気で今回の一大ショーに挑む姿を見せてくれました。

結果として、手に入れた次の舞台は司のスターへの道を大きく進ませるものでもありました。詳しくは、実際にゲーム内でストーリーをお読みください。(未プレイでも過去イベストはいつでも読み返せます)

壊せ予定調和の未来を <後書き>

基本的には王道で、圧倒的なテキスト量をもって緻密にキャラの行動と心情を描き、だからこそメインからイベントまで通して心を揺さぶる展開になっている。それがワンダショのシナリオだと思いますが、一言で王道的なお話と言っても色々な型があります。

ワンダショのシナリオは、全体を通して「失われたもの、失われつつあるものを取り戻す」タイプの話です。メインストーリーは「司がスターになりたかった、ショーをやりたかった原点となる想いを取り戻す」、それがメンバーを再結集させ、ワンダーステージを復興させる話です。類のイベントも寧々のイベントも同じで、二人とも自らの過去を振り返り、今の力に変える話でした。

イベスト後半として紹介した2篇は完全に続きものです。こちらはまさに、失われつつある本来のフェニックスワンダーランドを取り戻す、どストレートなお話でした。前編となる「スマイルオブドリーマー」では、このフェニラン問題については提起されただけで終わってしまい、そのためか批判も少なからずありました。どうしても途中で終わってしまうと、「過去のフェニランを取り戻す」ことだけに焦点が当たるのです。すると「現実的にフェニラン経営を救おうとしているえむ兄たち」の方が正しいだろうという批判が生まれます。その時点でのシナリオで感想を語ろうとすれば、そういう話が出るのも仕方のないことでしょう。

しかし、当たり前のことですが「失われたものを取り戻して終わり」では物語としてのカタルシスというか、盛り上がりは足りません。ピーチを助けて即スタッフロールなんて、今のマリオじゃやらないのです、たぶん。

司は、かつての想いを取り戻した結果、ワンダーランズ×ショウタイムを再結成させ、潰れるはずだったワンダーステージを救いました。類も再び自分らしい演出を取り戻し、ワンダーステージの人気に大きく貢献します。寧々は過去の自分を取り戻した末に、歌姫としての進化を遂げ、敵わなかったはずの桜子に並ぶ実力を得ます。

そしてイベスト後半、えむの想いに共鳴したメンバー、そしてフェニランのキャストたちが1つのショーを成し遂げます。「老若男女みんなの笑顔のために生まれたフェニックスワンダーランド」を取り戻すためのショー。その結果、彼女たちの想いは多くの人たちに伝わり、さらに具体的な形でフェニランの経営問題にも光明が差し込むのです。

つまり、失われたものを取り戻したことで、新たな未来が開ける。そういうお話をワンダショシナリオでは一貫して描いています。それこそが王道というものです。


夢を、想いを失ったまま予定調和の未来に流れるのか。
大人の決めた道筋をそのまま歩くのか。

いいや。
それを壊す鍵は、自分自身の中にある。人々の想いの中にある。

取り戻せ。
その先に、新たに築かれる未来がある。

そう、セカイはまだ始まってすらいないぜ

(ポエム締め)


※ちなみに別ユニットの「ビビバス」シナリオなんかは、「今までの自分を新しいものへ変えて、新たな未来を開く」お話が中心です。実は対比的で面白いです。

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