UXデザインはうまく行かないから楽しい(w/岡昌樹さん)
フライング・ペンギンズの三瓶です。
先月、Fireside Talks #02にてポップインサイトの岡さんとお話してきました 。「UXデザインの魅力や面白さがテーマ」というテーマだったのですが、特に印象に残ったのは岡さんのこのエピソードでした。
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岡:自分がリサーチしなくても作れるプロダクトというか、推進できるプロタクトとそうじゃないプロタクトがやっぱりあるっていうのは最近すごくわかったんです。
最近ある病気の患者さんの医療機器のデザインをしたんですよ。
三瓶:面白そうな話ですね。
岡:医療機器とかって、なかなかリサーチのためのリクルーティングが難しくて、法律の話もあるし、制約があって、クライアントからも今回は基本的にそんなにユーザーリサーチはできないですって言われてたんですよね。
しょうがないから、最初はいわゆるエキスパートレビュー(専門家評価)みたいな感じのことやって、医療機器の画面を見ながら問題点をたくさん洗い出していき、ここが使いづらいであろう、ここが問題点であろうっていう風に羅列していったんですよね。これはこれで最終的には指摘したところは確かに問題点だったかもなとも思うんですよ。
一方で、やはりこれだけではどうしても無理だなと思って、どうしてもインタビューをさせてくれってお願いさせてもらって、実際に病気を持っていて医療機器を利用されている方、闘病中の方に実際にインタビューをさせてもらったら、専門家評価で見えてる部分と全然違ったところが課題であったりとか、ニーズも全然違ってくるということがわかったりして。それを元にワイヤーを作って、プロトタイピングして、企画をしたりして、またそれをぶつけてみたんですけど。新機能とかも作ってみたんですけど、見事に大外れしました。
これね、最高じゃないかと。笑
僕だってそれなりにUXデザインとか教えたりとか、語ったりするようになったけど、それでも全然外れてるし。
三瓶:それ大事ですよね。
岡:すごい嬉しかったし、俺やっぱこの仕事、最高に好きと思いました。
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これ、すごいいい話だなと思いました。
UXデザインって色々やり方やフレームワークなど便利なものが増えてきているとは思うのですが、ユーザー体験というふわっとしたものを扱っている以上、往々にしてセオリー通りには行かないんですよね。そういった失敗をしても逆にそこから火がつくようなメンタリティってすごく大事だと思いますし、思えば活躍されている方の多くは思い通りに行かなかったとき、岡さんのようにワクワクしているのではないかと思います。まるでジャンプ系マンガの主人公のように…(笑)。
岡さんと話していると、「好奇心」というのもUXデザインにおける大事なアセットだなと再実感します。なんでこうなってるんだろう?どうして?と常に疑問を持つことはデザインにおける何よりのトレーニングになると思っていて、その想いさえあれば、ツールや手法にこだわらず本質的な問題解決に向かえるのではないかと思ったりしています。
そんな岡さんは今後、まさにQuriocity(=好奇心)という屋号で会社を作るそうです。ぴったりなネーミングですね。応援しています。
岡さんとのフルの会話はこちらにアーカイブされているので、よければどうぞ👇
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