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フライトシミュレーター真面目な活用法③

パイロット資格の一つであるInstrument Rating(計器飛行証明)の取得後の技量維持方法について。

6暦月以内に6回のアプローチ・ホールディング・トラッキング

これは学科試験にもオーラル試験にも出る基本だが、あくまでも最低必要な経験というだけ。次のリンクにオリジナルの条文がある。

§61.57 Recent flight experience: Pilot in command.

実機で実施する方法

最大のメリットとしては実際の飛行時間としてもカウントされること。そして実機である限り機体の国籍は不問であること。要はFAAの資格要件維持に日本国内でフライトしていても問題ないということ。海外に行けない今の時期であれば国内でフライトできる環境があれば好都合になるはず。

デメリットとしてはSafety Pilotを探す必要があることや、普段飛んでいるところの繰り返しとなりがち。コースも周波数もフィックスも頭に入っている状態。慣れは怖いということに気づかない可能性も。トラフィックが多ければ回されたり予定の時間でアプローチの数をこなせない可能性もある。国内でのデメリットもある。費用と天候もそうだがアプローチができる空港が限られているということもある。離陸直後にアプローチができない場合が多い。

そのようなデメリットを解消するためにFAAが承認するようになったAviation Training Device(ATD)が誕生した理由の一つだ。

シミュレーターで実施する方法(教官と飛ぶ!編)

ATDという新しくFAAが承認した機材には最初の頃は色々な意見が出た。すでに運用も実績もあるFlight Training Device(FTD)との差はどうするか?

有効期限を6暦月とFTDと同じように開始したが、「いや3暦月だ」と短縮され、そしてまた「6暦月でいい」と戻っているように、アメリカの航空法は色々な意見を元にとりあえず実施し、それからでも変更する臨機応変な対応する面白い国だ。

メリットは天候に左右されないこと、費用が安いこと、そして空中スタートですぐに訓練に入れること。

なぜフライトシミュレーター?と聞かれるのででも書いたが、効率性ではやはりシミュレーターの利用価値は優れている。

教官にどんどん指導してもらう。ジムに入会してトレーナーを活用するのと同じ。効果は高いし早い。

でもアメリカの面白いのはさんざん議論してATDの権利を勝ち取ったのに、それでも不満が出てくる。

教官を探さないといけない。

という不満(笑)なのでデメリットはそこ。正式な時間としてログ付けするのであれば教官を手当てしないといけない。探せばいいのにと思うし、教官からの教育が受けられるせっかくのチャンスなのにと思ってしまう。

そこでアメリカが動いた。

教官は不要です!笑

まあルールはルール。ただ玉那覇が思うにはその次のデメリットが生まれる気がします。ジムに行ってトレーナーから指導される効果と、同じ機械を家に導入してやる効果って違うと思いませんか?人間なんで(笑)

シミュレーターで実施する方法(一人で飛ぶ!編)

FAA Advanced Aviation Training Device (AATD)で一人で(教官不要)で冒頭の経験をつけることができる!

前述のジムのトレーニングと自宅のトレーニングの違いと同じ。単調になりがち。でも経験を積まないとどう変化をつけていいのか分からない。

クラブの厳しいルール・パート4でも書いたが、嘉手納基地での教官へも指示した方法で単調にならず楽しくできると思う。

知らない空港でチャレンジする

アプローチチャート集をぴろっとめくって出たページのアプローチをやってみる。これゲーム感覚。できるのかできないのかをまず考える必要がある。飛行機のパフォーマンス的に飛べる?必要な航法装置は装備されてる?ATCは?そして今の天候は?その天候で飛べる?

さらにシミュレーター開始時の燃料は1時間と設定。Missed Approachの後どうする?

これらのことを普段飛び慣れている空港であればまずやらないはず。そこは脳トレ的な遊びで訓練できる。

ジムに通わなくとも自宅でトレーニングをして筋力がついた脂肪が落ちたという効果がわかるとモチベーションが上がるように、この遊びを通して「ぴろっとめくって」から「フライト開始」までの時間が短くなるのを気づくはず。

ここまでは自宅でできる方法

次回はATDを使ってフライト編をお届けします




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