見出し画像

プロパイロット免許はとった!採用試験に向けての準備はOK!ほんとに?

コロナで多大な影響を受けているとはいえ、国内航空会社のパイロット募集は決して止まっているわけではない。

そんな航空会社の採用試験が厳しい話は先日のブログ

そのための普段の訓練の心構えの話も先日のブログ

今回はその訓練を経てJCAB事業用操縦士や多発計器という資格を無事取得された方へのお話。

採用試験の一部である実技試験について。

厳しい訓練と試験を通って取得した資格であるのは間違いない。実地試験の実地試験要領を使って審査する試験官の立場(アメリカだが)から一言。

合格にも差があるってこと。ギリギリ合格からほぼ満点の合格までバラバラ。でも実地試験要領に書いてある事をしっかりクリアしているのではれば合格ってこと。

合格した方々は自分がどのレベルかはほとんど知らないのも事実。試験官もしくは教育し推薦した教官なら他の受験生を見ているので知ってるかも。

画像1

合格=採用に値する基準ではない

という厳しいことを知っておくべき。

国家試験の合否は基準がある合否判定であるということ。民間企業の採用試験は少ない枠に多くの受験生が殺到する競争が発生するということ。

もちろん教育をする飛行学校は卒業後の民間企業の採用試験に合格できるうように指導していることは間違いない。学校側としても卒業生の就職率が学校の存続維持に関わることだからだ。

ここで言っているのは、他にもたくさんの同じレベル、またはそれ以上のレベルを持った受験生(ライバル)が来る事実を知っておくこと。それで自分を常に向上させる意識と訓練を続ける必要があるってこと。

合格したからといって甘んじてはいけない。

実績のある飛行学校を卒業したとしてもだ。学校に訓練生の資格取得後の技量維持の責任は無い。あとは自分で自己研鑽するしかない。

仮に試験官から見てもほぼ満点に近い合格を得た仮定したとする。

その技術を獲得するのにどれくらいの勉強と練習をしたのかを振り返って欲しい。どれくらいの頻度でどれくらいの内容でどれくらいのレベルを目指してやっていたか?

玉那覇も経験あるがJCAB実地試験に向けての最終仕上げの段階は、それこそ徹底的に本番を見据えて準備していたはず。

その最終段階で1週間も休もうなんて思っていないはず。

ましては1ヶ月休もうなんて思っていないはず。

なぜ?

当然技量が落ちるから。

画像2

合格=技量が維持できるということではない

玉那覇の試験官経験から言うと、受験生のパフォーマンスは受験当日をピークとしてそのあとは徐々に、そして確実に、落ちていく。

受験前に1週間も開けたくない、1ヶ月なんてもってのほか、と経験しているのであれば、実体験で知っているはず。

合格後同じことをやってみたらいい。日にちが経てば経つほど確実に技量は落ちている。特に計器飛行と言うフライトは飛行技術だけではなく、頭をフル回転させて次のステップを考えながら飛ばしているはず。その頭も錆びてくる。

だから、もう一回書くが、「学校に訓練生の資格取得後の技量維持の責任は無い。あとは自分で自己研鑽するしかない。」

技量が落ちていくのが明確なので、航空法でも半年間の計器飛行証明のフライトするための最低条件が明記されているわけだ。アメリカだと離着陸の技量も同じ考えなので90日と言う期間が定められている。

現役のエアラインパイロットは仕事でその量をこなしていると言うのは、過去の記事でも書いた通り。

航空法では半年間で日本では6時間、アメリカでは6回のアプローチ他、と言う最低必要条件に対して、ざっくりだがエアラインパイロットは約180回と言う経験。

それでも機長の半年に一回の審査でも準備する。副操縦士の1年に1回の審査を準備する。

何が言いたいかというと、JCABの試験に合格したから終わりではないと言うこと。その試験に合格した瞬間の技量を最低でも維持、できれば向上させ続ける必要があると言うこと。

スクリーンショット 2021-01-26 14.58.36

航空局認定シミュレーター

クリアランスをもらってデパーチャー、ATCを交えてマニュアル操縦、数々のアプローチやホールディング。と言う経験を積む。

実際に利用された受験生の利用回数は数十回にも及ぶ。60時間も費やした受験生もいる。結果は合格。

理由は単純。

技量は落ちていくから。自分の最高のパフォーマンスを試験で発揮するため。経験を積む人ほど有利になるっていう事実。

想像してみて欲しい。数名の採用枠に対して100倍以上の受験生が殺到する。当然みんな有資格者。でもどれだけの人がCAB試験の時の技量を維持または上回っているのか。

私が言うと営業的にも聞こえるが、私がこの事業をした理由に、シミュレーターで航空安全を向上させる。当時のFAAインスペクターからの指導で、これからはシミュレーターを活用してその目的を達成すべし!と言うお達しがあったのも一つ。

お金を払って自分に投資する。

これはコロナだからこそ今できること。として多くのプロパイロットが言っていること。

折角多額の投資をして取得した資格。それを無駄にしてもいいのだろうか。

ぜひ自己投資を継続して夢の実現に向けてシミュレーターの活用を考えて欲しい。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?