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フライトシミュレーター真面目な活用法⑤FAA ACSから学ぶ

前回の記事はどこでもできる脳トレ方法をお伝えしました。

今回は実際に操縦する自主練方法をご紹介します。

FAA ACSから読み取れること

何をやっていいのかはFAAが実地試験をする際に設定している基準を参考にするのがベスト。だってFAAがInstrument Rating資格のためにはこれが最低条件だよって示してくれてるのだから。

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その中でアプローチという試験科目には次の項目が記されている。

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Nonprecision ApproachPrecision Approachの2種類で進入して、Missed ApproachLandingという選択肢、Straight-InCirclingという選択肢を組み合わせるだけで2x2x2=8パターンできる。

それだけではない。Precision ApproachはILSだけだが、Nonprecision Approachにはいくつもタイプがあるとこの基準書には明記されている。

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VOR, VOR/DME, LOC, LDA, RNAV (RNP) or RNAV (GPS) to LNAV, LNAV/VNAV or LPVの6種類(ILSを入れると7種類)なので、前述のパターンに組み込むと、7x2x2=28パターン

それだけではない。飛び方までもFAAは明記している。

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実際の試験では2つのNonprecision Approachを実施するとし、その方法についてこう明記していることから次の選択肢があると読める。

Procedure Turnを入れる・入れない

Auto Pilotを使う・使わない

Radar Vectorを使う・使わない→ここはPilotEdgeの本物のATCシムを活用すべし

メインの飛行計器を使う・使わない

これだけで2x2x2x2=16パターン

Typeが28パターンあって飛び方が16パターンなので組み合わせると

448パターン

毎日やっても1年ちょっとかかる計算

FAAも昔は6暦月に6時間という規則がありましたが、意味がなかったのでしょう。今は時間というより何をやったかという観点で設定されています。

要はアプローチをたくさんしてほしいということです。

一回で6パターンやってしまえばいいのでは!というのが玉那覇の意見です。

実際のフライトでも一回飛んだら少なくとも航空法で定められている90日以内の3回の離着陸経験を済ませてしまおうと思うのがパイロットでしょう。

せっかくシミュレーターを動かすのであれば一回で6パターンやりましょう。

毎月1回やっておけば確実にIFRカレンシーが維持できます。

半年で6アプローチという最低必要条件の6倍にもなる36回という経験。

十分でしょうか?

CurrencyとProficiencyの違い

最低必要な条件がCurrencyだとしたら安全上必要な条件が各自で異なり、各自で決めるProficiencyになるでしょう。

参考までにプロ中のプロであるエアラインパイロットの例をみてみましょう。

1日に4レグ飛ぶパイロットであれば機長と副操縦士で交代するとして1日に2回。 月に15回の乗務として月に30回。半年で180回のアプローチ経験。

目指すならここですね。

毎月一回6種類のアプローチを実施していると6ヶ月では36回のアプローチとなるので...

1ヶ月に2回実施で6ヶ月では72回。

毎週実施で6ヶ月では156回。

近いものになりました。

それでもFAAが規定する前述の組み合わせ総数448回をこなすには約1年半もかかってしまう。

全ての448回を誰が一番早く達成できるか!

ゲーム感覚で実力をつける!

数をこなすことも大切だが、次回はFAA ACSでは規定されている合格条件をみてみることにしましょう。







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