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不安のU字状曲線

経済力とか社会関係資本とか時間的余裕とか健康とかリテラシーとかそういうのをまとめて「キャパシティ」と呼ぶとすると、キャパシティを横軸、不安を縦軸に取るとU字状の曲線が描かれる。

キャパシティが小さいとなにごとにも過敏になり不安になる。キャパシティがある程度大きくなるとものごとを「合理的」に判断できるようになり、かつそれなりに対処法も入手するので不安が減る。

さらにキャパシティが大きくなると、それまで見過ごしていた微細な懸念や、逆にそれらを包含する全体の構造的要因に目を向ける鋭敏さを獲得し、かえって不安が大きくなる。さらにその不安に耐えうる資源を有しているので、不安は持続可能性を獲得する。

かくして「貧者」と「ブルジョア」が、一見同様の不安を見せる。ブルジョアは貧者の立場に立ち、不安を退ける「中間層」を(貧者から見た相対的なブルジョアとして)批判する。中間層はこれを、ブルジョアが貧者を自らの思想の道具として利用する「貧困ビジネス」として批判する。

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