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WWIドイツ陸軍 航空機名称システムとシリアルナンバー


イーデーフリーク航空機名称システム

1913年に設立したイーデーフリーク*³は、その年に航空機名称システムを開始しました。初期の航空機名称は、

製造会社・分類記号・コンマ ・型(ローマ数字)

でした。1916年頃に変更され、

メーカー名・分類記号・コンマ ・型(ローマ数字)

となりました。例えば、Albatros D.Iを言語化すると、「アルバトロス社が開発した複座武装複葉機(D)の1型」となります。新型が出ると、ローマ数字でII、III、IVと数値が上がります。稀に末尾にaが付くマイナーチェンジがあります。(アルバトロスD.Vaなど)

また、設計会社と製造会社が違う場合は、括弧付きで製造会社の略称を入れます。例えば、Fokker D.VII (Alb)の場合、アルバトロス工場製造のフォッカーD.VIIとなります。

*3. イーデーフリーク:IdFlieg:Inspektion der Fliegertruppenの略称:航空部隊監察局 (航空・自動車総監部(ILuK)の指揮下で航空部門を担当する)

航空機タイプ分類記号

当初の航空機は非武装の単座単葉機と複座複葉機だけだったので、分類記号は前者をA、後者がBの2通りでした。1915年に複座複葉機に武装を付けた機種にCが割り当てられました。その後、必然的に新規、統廃合が行われました。
分類記号は、下記のように割り振られています。

  • A:単座単葉機 (1913-15年)

  • B:複座複葉機 (1913-15年)

  • C:複座武装複葉機 (1915年-)

  • D:単座武装複葉機 (1916年-、1918年から単座戦闘機)

  • E:武装単葉機 (1915年-、1918年にDへ統合)

  • F:単座武装三葉機 (1917年、同年Drに変更、1918年にDへ統合)

  • G:双発爆装機 (1915年-)

  • J:単発複座攻撃機 (1917年-)

  • N:夜間爆装機 (1918年-)

  • R:多発 (エンジン3基以上)爆装機 (1915年-)

  • Rs:多発 (エンジン3基以上)爆装飛行艇 (1915年-)

派生型 +L:軽量

  • CL:Cの軽量タイプ (1917年-)

  • CLS:CLを更に軽量化したタイプ (1918年-)

  • GL:Gの軽量タイプ (1918年-)

試作タイプ、分類上1機種しかないタイプ

  • M:(フォッカー社独自開発の航空機)フォッカーM.1-18

  • K:(双発武装機)フォッカーK.I (M.9)*⁴

  • V:(試作機)フォッカーV.1*⁵-38

  • DJ、PE、S:(1機種しかない航空機)AEG DJ.I、AEG PE、AGO S.I

*4. フォッカーK.Iは、フォッカー社独自開発のM.9と同機。同じように、フォッカーA.Iは、M.8と同機種です。
*5. ウィキペディアによると、V.1のVは、支柱無しタイプらしいです。

シリアルナンバー

航空機のシリアルナンバーは、

設計会社(略称)・分類記号 ・型(ローマ数字)・注文番号 ・スラッシュ・製造年の下2桁

で出来ています(例:Halb. CL.II 9902/16、Pfalz. D.IIIa 4203/17、Go. GII. 204/16)。製造工場が設計会社と違う場合は、括弧付きで簡略した工場名が入ります(例:Halb. CL.II (BFW) 540/17、Fok. D.VII ( OAW) 8425/18)。ただし、航空機機体への記入は会社によりまちまちです。

注文番号は、分類別になります。下は、サイトThe AerodromeのフォーラムFokker D.I - D.V Serial Numbersから一部抜粋

  • Fok. D.II 1000/16 to 1003/16

  • Fok. D.III 1004/16 to 1023/16

  • Fok. D.II 1500/16 to 1579/16

  • Fok. D.III 1580/16 to 1639/16

  • Fok. D.IV 1640/16 to 1679/16

このように、分類記号で発注番号が連続します。


こんなのもやってますので、見てやってください。

〇プラモデル制作記や日常などのブログ
裏庭の穴犬
〇アルバトロスD.III(Oef)のイラストやオーストリア‐ハンガリー関連の記事
Albatros D.III (Oef) illustrations

#プラモデル #ドイツ機 #航空機名称システム #シリアルナンバー #第一次世界大戦


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