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WWIドイツ空軍の変移


大戦前

1906年1月~ 陸軍参謀総長:ヘルムート・ヨハン・ルートヴィヒ・フォン・モルトケ(小モルトケ)

1911年 Generalinspekteurs des Militär-Verkehrswesens(軍事輸送総監):ILuK(航空部隊監察局)新設

1912年 Die Fliegertruppen des deutschen Kaiserreichesv(ドイツ帝国航空部隊)の編制

  • Prussian Flieger Bataillon Nr1-4(プロイセン航空大隊 4個大隊_ザクセン、ヴュルテンベルグを含む)

  • Bavarian Flieger Bataillon(バイエルン航空大隊 1個大隊)

  • 海軍パイロット(1913年に海軍部門に移行)

  • 各大隊は軍団に随伴するFA(Feldflieger Abtailung:野戦飛行小隊)を派遣

1913年 ILuK(航空・自動車総監部)は航空部を5部門で新編成する

  • IdFlieg(航空部隊監督局)

  • IdLuft(飛行船部隊監督局)

  • 気象サービス

  • 対空

  • 国土防空

大戦勃発(1914年7月28日)

1914年8月

  • 航空部隊の編制:OHL(Oberste Heeresleitung:陸軍最高司令部)と8個のAOK(Armeeoberkommando:陸軍集団司令部)には33のFAと7個のFestFA(Festungsflieger Abteilung:要塞飛行小隊)の随伴する

1914年9月~ 陸軍参謀総長:エーリッヒ・フォン・ファルケンハイン

  • FestFA(要塞飛行小隊)はFA(野戦飛行小隊)として再編が始まる

1914年10月~ 

  • IdFliegによる航空機の分類が始まる

  • Stofl(Stabsoffiziere der Flieger:飛行幕僚士官)を新設_司令官に助言するための大尉、少佐クラスの飛行参謀

1914年11月

  • BAO(Brieftauben Abteilung Ostende:オーステンデ伝書鳩小隊)とBAM(Brieftauben Abteilung Ostende:メッス伝書鳩小隊)_爆撃航空団のコードネーム_を新設

1914年航空部組織図

1915年

  • AFA(Artilleie-Fliegerabteilung:砲兵飛行小隊)

  • Kagohl (Kampfgeschwader der Obersten Heeresleitung:最高司令部直属戦闘航空団)BAO・BAMを再編

    • Kasta(Kampfstaffel:戦闘中隊)

      • Kagohlの編成:Kagohlは6個のKastaで構成され、各kastaは6機のCタイプ航空機を保有(イギリス本土の爆撃を構想した部隊だったが前線での活動が任務となる

1915年航空部組織図

1916年1月~ 

  • KEK(Kampfeinsitzerkommando:単座戦闘機指令隊)Kagohlが新設

空軍の設立(1916年10月~)

1916年8月 陸軍参謀総長:ヒンデンブルグ 参謀次長:ルーデンドルフ

  • Luftstreitkräfte(空軍)を設立する

    • 指揮権はKogenluft(Kommandierender General der Luftstreitkräfte:空軍司令官)

    • Kofl(Kommandeuren der Flieger:飛行指揮官)Stoflの再編でKogenluftの旗下としてAOKに随伴する_設立時は17人

    • Grufl(Gruppenführer der Flieger:飛行グループリーダー)はKoflの旗下で、AOKに配備されたFA・FA(A)のグループ指揮官_設立時は9人

その後の新設・再編部隊

1916年8月

  • Jasta(Jagdstaffel:狩猟中隊)を新設

  • KEKはJastaとして再編

1917年1月

  • FFA(Feldflieger Abteilung:野戦飛行小隊)FAを再編

  • FA(A)(Flieger Abteilung(Artillerie):砲兵飛行小隊)AFAを再編

  • Schusta (Schutzstaffel:直協中隊)Kastaを再編

1917年4月

  • Bogohl (Bombengeschwader der Obersten Heeresleitung:最高司令部直属爆撃航空団)Kagohl を再編

    • Bosta(Bomberstaffel:爆撃中隊)Kastaを再編

      • Bogohlの編制:Bogohlは3個のBostaで構成され、各Bostaは通常は6機のGタイプ航空機と数機のCタイプ航空機を保有(Bogohl Nr.3はイギリス本土爆撃航空団で6個のBostaから構成)

  • Kest(Kampfeinsitzer Staffel:単座戦闘機中隊)

1917年6月

  • JG(Jagdgeschwader:狩猟航空団)恒久的に4個(~数個)のJastaで構成

  • JOO(Jagdstaffel Ober Ost:東部狩猟中隊)

1917年空軍組織図

1918年3月

  • Schlasta(Schlachtstaffel:地上攻撃中隊)Schustaを再編

  • JGr(Jagdgruppe:狩猟グループ)作戦に応じ2~8個Jastaで構成

1918年10月

  • KestはJastaとして再編

1918年空軍組織図

あとがき

随分と時間がかかりましたが、色々と勉強になりました… ハ~勉強ってしんどい。

置いときまして、上記以外の部隊もあり(RFA、Seefrostaなど)これが全てではないです。

新設や改設などの日付は断定な書き方をしていますが、その日付から部隊が構成されるので、日付の語尾に~が付いていると思ってください。

Stoflは機能不全でした。Stoflの階級が大尉や少佐で、軍司令官(将軍)への助言が役目です。機能不全の理由が階級差からでも垣間見られます。Koflは空軍部門で、AOKの指揮下で行動していました。

名称は翻訳によって色々です。自動翻訳では、OHLとAOKは共に「陸軍最高司令部」となるので、AOKは「陸軍集団司令部」としています。部隊名も出来るだけ混合しないように下記の通り訳しています。それにより、通常の Jasta=戦闘中隊 が「狩猟中隊」となり、他と和名が違う場合がありますがご了承ください。Schutzstaffelの「Schutz」は防護、防守ですが、直協が的を得ていると思いこの言葉を用いています。

  • Abteilung :小隊

  • Staffel:中隊

  • Bataillon:大隊

  • Geschwader:航空団

  • kommando:指令隊

  • Flieger:飛行

  • Kampf:戦闘

  • Jagd:狩猟

  • Schlacht:攻撃

最後に、Flieger Abteilung(Artillerie):砲兵飛行小隊、砲兵が飛行?と思う方もいらっしゃるかも、なので簡単に説明すると、砲兵が撃った着弾や射弾を空から報告・指示する部隊です。興味を持ち始めの頃、混乱してました。懐かしい…


こんなのもやってますので、見てやってください。

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#プラモデル #第一次世界大戦 #ドイツ空軍 #組織図 #


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