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WWIドイツ機の翼カモフラージュ (1)

スプレーや塗りによる陸軍昼間機


カモフラージュの変化

戦争が始まった頃の航空機は偵察や観測が任務で非武装でした。敵との交戦もなく、カモフラージュの必要もありませんでした。その後、偵察機同士の小競り合いから本格的な戦いとなるにつれて、カモフラージュが始まり進化していきました。無塗装から単色塗装や多色塗装となり、最終的には印刷した羽布が現れます。

無カモフラージュ(戦争勃発前~)

翼の羽布は表面保護を目的として、無色のドープ塗装*¹、それから厚めのワニスで仕上げました。見た目はクリームイエローからベージュと羽布自体の素材により変わりました。

1. ドープ塗装:ワニスの一種で布や紙などに染み込ませ強靭にする塗装。

初期のカラーイメージ

その後、早い段階でワニスは中止となり、ドープ塗装だけの仕上げとなります。仕上りは、羽布を通して内部が透けて見えていました。

アルバトロスD.II

スカイ カモフラージュ(1915年半ば~)

空に溶け込むような単色で塗装された航空機が現れます。これは、羽布だけでなく機体も同様に塗装しました。

ルンブラーやゴータなどに塗装したライトブルー
ファルツ工場で塗装したライトグレー

テライン/スカイ カモフラージュ(1916年春~)

上空の敵からは地上の疑似色を、眼下の敵からは空色のカモフラージュ塗装をしたパターンです。色はさび系のブラウンとダークグリーンの2色塗装でした。パターンは工場や航空機によって変わり、また無カモフラージュで配備された航空機は必要により現地で2色塗装をしたので様々な模様がありあました。

Albatros D.I
アルバトロスD.I 

その後、連合軍も使用しているブラウンは誤認の可能性から廃止として、ダークグリーンとライラックの2色塗装が採用されました。

Albatros D.III Early Type
アルバトロスD.III(後期型)

しかしながら、現地では茶色の一部を残してライラックを塗装した3色のカモフラージュが現れます。

albatros D.V Jast21
アルバトロスD.III Jast29

よく見かける3色カモフラージュで、ブラウン/ダークグリーン/ライトブルー(グレー)のパターンは、ライトブルーのソースが分からないので省きます。また、この3色パターンで最終的に決定したとあるサイトなどがありますが、その前段階で、誤認の恐れがあるブラウンの使用を禁じた通達が工場宛に出ているので、それは有り得ないと思います。

特異なパターンとして、フォッカー工場製でのみ見られるオリーブイエローとオリーブブラウンをブラシ塗装した縦じま模様があります。

Fokker Dr.I
フォッカーDr.I

テライン/スカイ カモフラージュの翼下面はライトブルーか無塗装でした。

Albatros D.V 上翼裏面
アルバトロスD.V 上翼裏面

#プラモデル #ドイツ機 #カモフラージュ #第一次世界大戦


こんなのもやってますので、見てやってください。

〇プラモデル制作記や日常などのブログ
裏庭の穴犬
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