WWIドイツ機の翼カモフラージュ (2)
印刷した羽布による陸軍昼間機
5色ローゼンジ
1918年夏頃に多角形を複合したパターンを印刷した羽布が現れます。それはロール状の布地に、形の違う20の多角形と5色を1セットとしたパターンを連続して印刷しています。ロール幅は1350mm(±10)。
羽布を張る方向は、前縁から後縁に90度の角度ですが、ハルバーシュタットやDFWなどは45度の角度で張っています。
ローゼンジパターンは暗色と明色があり、上面を暗色、下面は明色が基本でした。翼は羽布を張った後にリブテープ*²で補強、ドープ塗装、最後にラッカーで仕上げています。
*2. リブテープ:リブに当たる部分などの羽布を補強する細い生地。
5色ローゼンジが確認されたのは、1917年9月27日に撃墜されたアルバトロスD.Vが一番古い記録で、上下両面とも暗色パターンだったようです。また、明色パターンが先に印刷されたようで1917年夏頃には上下両面を明色パターンにした機体もあったそうです。ローゼンジパターンに関する電報では、1917年4月21日付けの検査部門からシーメンス・シュッカート工場宛に、新しい羽布の要求の記述があります。その内容は、
綿布工場から大量の布地を確保すること。
暗色と明色に印刷した布地の使用方法と仕上げ方。
などです。最初の発注は分かりませんが、1917年5月には、おそらく5色ローゼンジのアルバトロスD.Vを、アルバトロス工場に発注しています。
5色ローゼンジ仕様の主な航空機は、
アルバトロスD.III(OAW)、D.V、D.Va、
ファルツD.III、D.VII
DFW D.V
ハルバーシュタットCL.II、CL.IV、C.V
ルンプラーC.VI、C.VII
4色ローゼンジ
4色ローゼンジは、形の違う27の多角形と4色を1セットとし連続して印刷しています。布地の幅は1300mm(±10)。
4色ローゼンジがいつ頃から始まったのかは分かりません。使用された航空機もほぼフォッカーD.VIIでした。製造は、
リブテープ
リブテープは工場によって違いました。アルバトロス工場はライラックとローゼンジ布の細切り、OAW(東アルバトロス工場)はブルーとローゼンジ布の細切り、フォッカー工場とその他はローゼンジ布の細切りを使っています。
テープ幅は、20mm~30mmでした。フォッカーD.VIIでは25mmを使っていました。機体によっては、翼の周囲にも使用しています。また、エルロンには使用していません。
「WWIドイツ機の翼カモフラージュ」の多くは、Dan San Abbottの「German Army Air Force Camouflage Systems」から構成しています。現在では発売していないW.W.I Aero誌 No.129で掲載していた内容の一部をThe Aerodrome>Aircraft>Articlesで見ることができますのでお薦めします。
こんなのもやってますので、見てやってください。
〇プラモデル制作記や日常などのブログ
裏庭の穴犬
〇アルバトロスD.III(Oef)のイラストやオーストリア‐ハンガリー関連の記事
Albatros D.III (Oef) illustrations
#プラモデル #ドイツ機 #カモフラージュ #第一次世界大戦
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