楽器演奏とインナーマッスル
スポーツ界では30年以上前からインナーマッスルの研究が進み、アウターマッスルを鍛える所謂筋トレと並行してインナーマッスルを重視したトレーニング方法が確立されています。
何故か?というと、ココ1番☝️という場面、ゴルフなら優勝が掛かった1メートルのパットを打ちきれなかったり、オーバーしてしまったり、またテニスならゲームポイントのチャンスボールをネットに掛けてしまったり、スタンドまで打ち込むオーバーショットになったり、普段なら何と言うことのないプレーが緊張感の中ではミスしてしまう(アンフォースドエラー)ケースが多く、それが「何故なのか?」と言う医学的な分析から、アウターマッスルの必要以上の働きが運動の正確さを阻害していることが分かって来たからです。
人間の筋肉には大きなパワーを生むアウターマッスルと、体幹を支えるインナーマッスルがあり、スポーツ界では筋トレで鍛えられるアウターマッスルを重視して来ました。確かに重量挙げなど絶対的な筋力が必要な競技では有効ですが、繊細な動作を必要とする球技やバランス感覚が必要な競技では前述のような「緊張感の中でのミス」が問題になっています。アウターマッスルの持つ大きなパワーが身体を支えているインナーマッスルの「バランス」を崩してしまうため、ミスショットが生じているわけですね・・
そこで、インナーマッスルを鍛える(アウターマッスルとのバランスをとる)トレーニング方法が生み出され、負荷の軽い運動を繰り返し行うことで、強い負荷の筋トレと併せてバランスの良い身体造りをしています。
野球の春に行うキャンプで、ゴムベルトを軽く引っ張る動きをしている選手の映像など、ご覧になった方も居られるかもしれませんね、アレがインナーマッスルを鍛える軽負荷トレーニング方法のひとつです。
さて、私たちミュージシャンにとっても同様の問題があり、私などリキんだ結果ミストーンを出してしまう、緊張したためソロのパートでボロボロの演奏になってしまう・・そんな場面に遭遇した事は数知れずあります。
スポーツ界でのインナーマッスルを鍛える手法を音楽の世界で応用出来ないか? 試行錯誤して書籍なども読んでみましたが、音楽界ではこの分野の研究が然程進んでいない事に気付きました。
唯一、こちらのサイトで発表されている考え方やトレーニング方法はとても参考になります。
あと、数件の興味あるサイトも見つけたのですが、管楽器やピアノ演奏についての言及が殆ど、弦楽器に関しては「これからの課題」のようです。逆を言えば、アウターマッスルの余分な働きを抑制する方が良い結果を得られるのかも知れません。弦楽器の演奏には然程の筋力は必要ないとも言えますし・・・
でも、インナーマッスルを鍛えることは体幹を支えることに繋がります。此れは、美しい姿勢、長時間の演奏にも疲れない身体、正しい発声法が得られる、など全てミュージシャンは必要な身体能力なので、取り組んで無駄なことはありません。
体験談からスポーツトレーニングの芸術家への弊害について言及されたサイトです、勝ち負けや無駄な筋トレなどアート系のマインドとスポーツが相容れない部分もあるという点は認識しておく必要があると思います。
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