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初めてのバリオの選び方|パラグライダー

パラグライダーで、ある程度飛べるようになると気になるのが「バリオ」。
正式には「バリオメーター」「アルチバリオメーター」などと呼ばれるフライト機器。
さらにGPS機能が搭載されると「GPSバリオ」などと呼ばれます。

バリオメーター:昇降計。瞬間的な上昇・降下率を知らせる計器。
アルチメーター:高度計。現在の海抜高度や特定の地点との高度差を知らせる計器。
GPS(全地球測位システム):3Dでの位置情報を知らせるシステム。

これらの機能を兼ね備えた機器が「GPSアルチバリオメーター」。

初心者フライヤーにとってはただでさえ馴染みのない機械なのに、メーカーやモデルが色々ありすぎて選択が難しいと思う。

なので、自分の生徒さんへの説明のためにも「初めてのバリオの選び方」をまとめてみました。

記事内の話は、あくまでも僕の考えで “初めてバリオを買う” レベルのフライヤーに向けた話ですので、ご理解ください。
決して、違う考え方を否定する意図はありませんので。

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▼どんな種類があるのか、全体を知りたい!
といった方に向けて、当社で販売しているバリオの種類を主要4機能で7タイプに分類した記事も書いてます。

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バリオ(GPS)って必要?

いろんな考え方があると思うけど、僕の答えは、

『うまくなりたいなら絶対必要』

深堀りすると話が脱線してしまうので、表面的な話だけになりますが。
ある程度飛べるようになってからは、使ったほうが絶対にうまくなるし、何より楽しいです。

GPSに関しては、

『必須』

の一択。GPSがないと風速も分かりません。
あえて分けて答えている理由は、GPSは専用機器でなくスマホなどでも利用できるからです。
GPSは必須だけど、必ずバリオに搭載されてないとダメというわけではない、ってこと。

周囲に何も対象物が無い、無限に広がる空を飛んでいるパラグライダーは、いろんな事(高度、速度、上昇、下降、位置など)が曖昧になりがち。
なので、技術・知識を身につけ、経験を積んでいく際に、バリオがあるか無いかで大きく変わってきます。

・高度(アルチメーター)
・上昇&下降率(バリオメーター)
・対地速度(GPS)

バリオを持つことでこれらを感覚値ではなく、数値で具体的に知り、自身の感覚とすり合わせながら飛ぶことをオススメします。
もちろん、バリオ無しで飛ぶことのメリットもあるので、それはそれとしてまた別の話。

▼選び方① 表示画面(ディスプレイ)の有無

  • ディスプレイありのバリオを選ぶ

  • ディスプレイはスマホアプリを利用

バリオの選び方でまず最初に考えるのがディスプレイの有無。ディスプレイは無く、上昇&下降率を音だけで知らせるモデルも複数あります。
けど、基本的にはデータを表示するためのディスプレイは必須です。

「じゃあなんで選択させるの?」

ってことですが、、、

近年はスマホやタブレットの内蔵GPSとアプリが優秀で、それをフライト計器として利用しているフライヤーも多いからです。

スマホの内臓GPSを利用して、こんな感じでいろんな情報を表示させることができます。

スマホアプリ「XCTrack」の表示例

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中でも、もっとも有名でシェア率の高い「XCTrack」というAndroidアプリのスタートアップマニュアル的な記事も書いてます。

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ただし、バリオメーターの性能に関してはスマホ(タブレット)は実用的ではないので、「フライト専用のバリオ」と「スマホアプリ」を組み合わせて使っているのがほとんどです。

Bluetooth接続に対応しているバリオであれば、スマホアプリと連動してデータを表示させる事もできます。
そうすると、スマホ画面でバリオメーターの表示もできるようになります。

なので、選択肢はざっくり2つ。

  • ディスプレイありのバリオを選ぶ

  • ディスプレイはスマホアプリを利用

「面倒なことはしたくない。2つも持ちたくない。」

そんなあなたは、画面ありのモデルを選びましょう。

あとは「ディスプレイのサイズ」「視認性」の違いが大きいです。
晴天時フライト中は普通の液晶画面は想像以上に見難いです。
見難いとフライトの集中力を妨げるので注意しましょう。
最近では視認性を良くするため、いろいろなタイプのディスプレイがあります。
検討の際にはどんなディスプレイなのか確認してください。

▼選び方② 「GPS」の有無

フライト時にGPS機能は必須です。
なので、GPSに関する選び方はこの2択です。

  • GPS搭載モデルを選ぶ

  • GPS非搭載モデルを選び、GPS機能はスマホを利用する

シンプルにしたい方はGPS搭載モデルを選びましょう。


▼選び方③ Bluetooth機能の有無

近年は、上位モデルには標準搭載機能といってもいいほどになりました。

「BluetoothでGPSバリオとスマホ(タブレット)を接続し、GPSデータをスマホアプリで表示させる」
といった使い方がメインでしたが、最近のコンペシーンではタスク入力の手間を省いたり入力間違いを防ぐためにも、QRコードからスマホで読み取ったタスクデータを転送する、という用途にも使われているようです。

スマホとの連携に関しても、昔はスマホ搭載のGPSの信頼度(精度)が低かったので有用でしたが、最近のスマホ内蔵GPSはフライトに問題ないほど高精度みたいです。

ただし、バロデータ(上昇&下降率)に関してはフライト専用機器が圧倒的に高精度なので、スマホディスプレイに表示させる価値アリです。

▼選び方④ ナビゲーション機能の有無

最後はちょっと難しい話です。

パラグライダーの1つの楽しみ方としてフライト機器の「ナビゲーション機能」を利用した飛び方があります。

あらかじめ設定したルート(場所と順番)をナビゲーションしてくれる機能です。
次のポイントまでの距離や方向、ゴールまでの距離、各ポイントへの予想到達高度など様々な情報を表示してくれます。

▼例えばこんな感じ▼

「XCTrack」のナビゲーション画面例

現在パラグライダーの大会で最も主流なのがこのナビゲーション機能を利用した「パイロンレース」です。

難しく聞こえるかもしれませんが、大会だけでなく、仲間たちとパラグライダーの楽しさを共有するツールとして「ナビゲーション機能(パイロンレース)」は非常に魅力的です。

共通の目的を持って仲間たちと一緒に飛ぶのは、楽しいし、上手くなります。

競い合うのも良し、協力してゴールを目指すのも良し。

ランディング後もフライトに関する話で盛り上がること間違いなし!

ちょっと話が長くなってしまいましたが、「ナビゲーション機能」があるかないか、というのがバリオ選びの最後の基準です。
スマホの無料アプリでも、十分な性能のナビゲーション機能が利用できるので、あとは利便性の問題です。
やはり、フライト専用に作られた機器は動作も安定していて、なにより1つの機器ですべてが完結するのはシンプルで良いですよね。

まとめ

上記の選び方を参考に自分の求めている機能を選んでください。実際にどのバリオ(モデル)がおすすめなのかは、この記事にまとめてあります。

どんなバリオを買うか、参考になりましたか?
あなたのフライトスタイルに最適なモデルを選んで、パラグライダーライフをエンジョイしましょう!

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