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バリオの種類を整理してみる|パラグライダー

パラグライダーのフライト計器といえば「バリオ」。
別記事で「初めてのバリオの選び方」をまとめたので、合わせて初心者向けにバリオの種類を整理してみようと思います。

主要4機能で7タイプに分類

ツリー図でまとめてみたら、細かくなりすぎて見難いですが、、、

バリオ分類のツリー図(7タイプに分類)

分類のポイントとなる機能(特徴)は以下の4つ

  1. ディスプレイの有無

  2. GPSの有無

  3. Bluetooth機能の有無

  4. ナビゲーション機能の有無

それぞれの機能をざっと説明しておきます。

1.ディスプレイ

一般的にはディスプレイありのイメージだと思いますが、ディスプレイなしのモデルも複数あります。このタイプは、音だけで上昇および下降を知らせてくれます。
ディスプレイがない分小型軽量化できるのがメリット。

2.GPS

Global Positioning System=全地球測位システム

言わずと知れた機能ですが、パラグライダーの計器としても重要です。
高度を含めた3D(3次元)での位置情報と対地速度を知らせてくれます。
バリオ内に飛行軌跡を記録してくれるので、それを利用して競技会をおこなったり、フライトを可視化して振り返ることができます。

3.Bluetooth(BT)

スマホと接続して、フライトコンピューターアプリにデータを表示させたり、競技会で設定されたタスク(ルート)を読み込んだりできます。

▼代表的な無料フライトコンピューターアプリ(Android)「XCTrack」のスタートアップガイドとしてまとめた記事がコチラ

4.ナビゲーションシステム

ここではパラグライダーの代表的な競技会の「パイロンレース」に対応したルートナビゲーションを指しています。
主な機能は、

  • スタート(時間/方式)&ゴール設定(方式)

  • ルートナビゲーション

  • CTR/Airspace(制限空域)の表示

など。


一部、ナビゲーション機能はあるが競技会には対応していない(スタート設定ができないなど)モデルもあります。


7タイプ別の主なモデル紹介(2024年時点)

当社で主に販売しているモデルは、主要4機能の組み合わせで7タイプ。(上記ツリー図参照)

①ディスプレイなし バリオ(GPSなし)

▶ Skybean 2(スカイビーン2)

もっともシンプルなのがこのタイプ。
とにかく、小型軽量。上昇と下降を音で知らせるためだけのバリオ。
USBケーブル(OTGケーブル)でスマホに接続するとXCTrackなどのアプリでバロデータを表示させることが出来ます。

バロデータ:バリオメーターで表示される上昇/下降率。

Skybean2

【おすすめパイロットタイプ】
とにかくシンプルに、コンパクトなエリアでソアリングを楽しみたい。
または、基本的にぶっ飛び大好きだけど一応バリオ持っておこうかな。
といったパイロット向け。

②ディスプレイなし GPS搭載バリオ

▶ XC Tracer Mini V(エックスシー トレーサー ミニ 5)

コンパクトなボディ(69.5mm x 49.5mm x 16.5mm)にディスプレイ以外のすべてを詰め込んだモデル。
ソーラー充電なので、充電の手間も省けます。
多くのパラグライダーアスリートが愛用しているシリーズの第5弾。
ディスプレイが必要な時は、Bluetoothでスマホ(タブレット)と接続してXCTrackなどのアプリで情報を表示させます。

【おすすめパイロットタイプ】
ちょこっと飛ぶ時にはなるべく身軽にしたい。だけど、コンペティションやXCなどの本格的なフライトにも対応できるバリオが欲しい。
そんなパイロットは、このモデル。
スマホ(タブレット)との連携でどんなフライトにも十分な機能です。

③ディスプレイあり バリオ(GPSなし)

▶ VARIO LS(バリオ エルエス)

シンプル、軽量、コンパクトなバリオ。
反射型液晶なので視認性がGood。

【おすすめパイロットタイプ】
GPSはいらない。とにかくシンプルに手軽に使えるバリオが欲しい。
そんなパイロットはこのモデル。
サブ機にしたり、ハイク&フライで使ったり、お値段が安いので使い方いろいろです。

④ディスプレイあり GPS搭載バリオ(BTなし/ナビなし)

GPS m(ジーピーエス エム)

「ナビゲーションシステムなし」としていますが、コンペティションに対応していないだけで、簡単なルートナビゲーションやCTR/Airspace(制限空域)の表示には対応しています。僕的には機能制限のあるナビゲーションシステムは使い勝手が悪いので「ナビゲーションシステムなし」判定としました。
それ以外の機能は充実していて、視認性も高いです。

【おすすめパイロットタイプ】
コンペには出ないけど、XCフライトはするし、簡単なナビゲーション機能は使いたい。
そんなパイロットがコスパを求めるならこのモデル。
ナビゲーションシステムが欲しくなったら、スマホ(タブレット)を買えばOK!

⑤ディスプレイあり GPS搭載バリオ(BTなし/ナビあり)

このタイプに該当するおすすめ機種はなし。
近年、ナビゲーションシステムを搭載した上位モデルのほとんどはBluetooth機能が付いてきています。最近のコンペティションでは、様々なシーンでスマホとの連携が必要になってきているようです。(最近コンペ出てないから詳しく知らないんですが・・・)

⑥ディスプレイあり GPS搭載バリオ(BTあり/ナビなし)

▶ XC Tracer MaxxⅡ(エックスシー トレーサー マックス 2)
SKYDROP(スカイドロップ)

ナビゲーションシステムはスマホ(タブレット)にまかせて、それ以外の機能を追求したモデル。
シンプル、軽量、コンパクト、バッテリー寿命、視認性、精度など。

【おすすめパイロットタイプ】
普段飛び用にナビゲーションシステム以外の機能が全部あるバリオが欲しい。
ナビが必要な時はスマホ(タブレット)と2台体制で運用するよ、というパイロットはこのモデル。
視認性と高機能で選ぶならXC Tracer Maxx Ⅱ、コスパ重視ならSKYDROP。
ちなみに僕は昨年からSKYDROPを愛用中。

⑦ディスプレイあり GPS搭載バリオ(BTあり/ナビあり)

NAV C(ナビ シー)

多くのコンペティターが使用していた名機「NAV SD」が進化。
反射型カラー液晶を採用し、直射日光下でも視認性抜群。
各種アラームはブザー音だけでなく音声案内もしてくれるので、分かりやすい。

【おすすめパイロットタイプ】
一般パイロットが求めるハイエンド機なので、コンペティションにチャレンジしたい人は最初からこれを買っておけば間違いなし!

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