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山奥で10日間ひたすら瞑想した話③

-プログラム終了の翌日- 瞑想による効果と、執着から解き放たれた生活による多幸感に包まれ、心と体が一体化しているのがわかる。 もう終わりか。 あれだけ地獄だと嘆いていた修行もいざ終わってみると寂しいもので、瞑想ホール、この部屋ともお別れだ。 布団を畳み、荷物をスーツケースにまとめた。 参加者が敷地内にある離れのような建物の小部屋に集められた。 みんな真っ直ぐ前を向いている。 過酷な瞑想修行を乗り越えた穏やかで力強い顔つきだ。 ここで初めて1人ずつ軽い自己紹介と今回の瞑想

    • 山奥で10日間ひたすら瞑想した話②

      -プログラム前半(1日目-5日目)- 4:00 「チリンチリン」 優しい金属音が宿舎に鳴り響いた。 奉仕者が起床の合図の鐘を鳴らしながら宿舎を巡回する。 奉仕者とは参加者を取りまとめるリーダーの役割を担っている人物だ。 朝4:00に起きるなどいつぶりだろうか。 鉛のように重い体を無理やり動かし部屋を出た。 体育館のような建物の瞑想ホールに移動する。 その道中、周りの参加者と目を合わせないよう斜め下を向いて歩いた。 ここでは一切のコミュニケーションが禁止されているからだ。 き

      • 山奥で10日間ひたすら瞑想した話①

        "自分は何のために生きているんだろう" ある日漠然と思った。 みなさんも一度はそう思ったことはないだろうか。 今回はこの問いの答えを探すべく行動しようと思い立ったときの話である。 生きる意味とはなにか。 この問いを解決するためには自己理解の深さが必要不可欠であると考えた。 最も近い存在である自分自身のことを知らなければ他のあらゆることも理解できない。 この仮定から頭に浮かんだのが瞑想だった。 瞑想とは簡単にいえば、 目を閉じて呼吸に集中し、無心で自己の内面やものごとを

      山奥で10日間ひたすら瞑想した話③