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モンゴル・現代のゲルへ

一年に一度の夏休み旅、今年の目的地はモンゴルを選んだ。去年6月のインド旅とほぼ同じメンバーの女子4人で向かった。

ウランバートル・ノミンデパート

チンギス・ハーン国際空港に降り立ったのは午後21時ごろ。それでも外はまだ明るかった。毎日汗ばむ熱気が充満する東京から来たが、ウランバートルは日本で言うと5月くらいの天気で、涼しくて快適だ。

1日目宿泊:UB Guesthouse
https://maps.app.goo.gl/7Sj71iCPhP7rrcmL9
宿の主人のBobbyがとにかく優しい。日本語を話すスタッフもいた。

翌日朝9時、予約していたツアー会社の日本語ガイドが宿まで迎えにきた。そのままウランバートルの渋滞に巻き込まれ、2時間半かけてテレルジ国立公園近くの集落へやってきた。

行きがけのスーパーで買ったモンゴル相撲トランプ

四方を山に囲まれていた。私たちの滞在先の遊牧民の家族は、観光客に乗馬体験を提供したり、ホームステイを受け入れて収入を得ているらしい。この集落にはバスケットゴールが設置されたコンクリートでできている宿泊施設もあって、想像していた「自然の中でポツンと生活している遊牧民」像は見当たらなかった。

ウランバートルで生まれ育ったというこの滞在の通訳ガイドのAさんは、家族の休暇に遊牧民ステイをしたことがあると話してくれた。彼女が泊まった先は山奥の隔絶した場所だったそう。そうすると、食卓に野菜が出ることも少なく、この世に自分達しかいないんじゃないかと錯覚するほどだったそうだ。そんな生活が私が想像していたゲル滞在だったが、やはりホンモノを知らない観光客の外国人向けツアーで行けるのは商業的なところばかりになってしまうのかもしれない。観光旅行の限界を感じて、残念。

ウルム(モンゴルバター)とキャンディ
市販のクッキーと一緒に出されて、ウルムをつけて食べた。

ただ、2泊3日でそれなりに遊牧民の食事や1日のルーティンワークを体験することはできた。例えば、放牧している牛から毎日2回、朝と夜の5時に搾って得た牛乳を、ゲルの中のストーブの上で温めながらかき混ぜて作るモンゴルバター、ウルムは毎日食べた。羊肉の揚げ餃子ホーショルや、同じ肉を野菜と小麦粉麺と一緒に混ぜて作るモンゴル焼きそばツォイワンは、自分達で作った。

滞在先の家族の息子である22歳(同い年!)と15歳の男の子たちに引いてもらいながら乗馬をして、草原を歩き回ったり、近くのゲルに住んでいる上は8歳、下は2歳の子供たちと走り回りながら遊んだりもした。

その子供たちが住むゲルを覗くと、テレビが置いてあった。朝は大きなクラクションを鳴らした車か、バイクを乗り回した男たちが、放牧している家畜を追いかけて小屋に入れていたし、トイレは深く掘った穴におがくずを入れて、その上に災害用のようなプラスチックの簡易洋式便器が置かれた綺麗なものだった。真夜中になっても辺りを照らす大きなライトが遠くから煌々と光っていて、本当の暗闇なんて無かった。これが、今の都市近郊の遊牧民の生活なのだと思う。









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