朗読劇「深海のカンパネルラ」で涙腺が壊れた話

※主観入りまくり、言いたいこと言いまくり、キャストへの配慮なし、お前誰どこから目線、でお送りしてますので何が書いてあっても許せる人だけ読んでね!
※マジで言いたいこと包み隠さず散らかしてるし全方面に対して配慮の欠片もないから何が書いてあっても許せる人だけ読んでね!(大事なことなので2回言いました)

眠らない羊たちの朗読会!!第4回目にして1stシーズン最終回でした!(1stシーズンて聞くとテニミュを感じるテニミュ脳オタク)
簡単に言うと「眠らない羊たちの朗読会」というのはニコニコ生放送で朗読劇を配信するチャンネルのことで、まぁこんなご時世ですので劇場に行かずとも配信を通じて演劇を楽しみましょうという素敵な企画です。
今作は「深海のカンパネルラ」という作品が上演されました。
カンパネルラと聞くとピンと来る人はピンと来ると思うんだけど、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をオマージュしたような内容のお話です。
「銀河鉄道の夜」を読んでから「深海のカンパネルラ」を視聴した方が広い見方ができておもしろいと思います。オススメ。

作品は同じ「深海のカンパネルラ」ですが第1部と第2部でジョバンニ役とカンパネルラ役をまえだくんとおーやぶくんの2人が入れ替わって演じます。
「入れ替わったところでお話は同じな訳でしょ?」と思うじゃん??でもね、それぞれ役の解釈や演じ方、表現する感情の得意不得意、表情や伝わってくるキャラクター性が全然違って、あーーーー、これはスルメだわ(噛めば噛むほど味が出るやつね)となりますので両部視聴が大変オススメです。
オススメオススメと書いてしまうんだけど、私は感想を書くのが遅いので多分これを公開する頃にはこの作品の視聴期限は終わっているんだよな。何故1週間なんですか。(文句言うな)

まずオープニングなんだけど、曲めっちゃ良くね????
前説(???)前トーク(?)の前に流れてる曲の方ね、聞いててとても心地よい。ゲキモバシリーズのBGMどれも結構好きなんだけど、これは今作のテーマ曲に当たるのかな??タイトル知らんが素敵な曲だ〜〜
なんか胸がいっぱいになるね。もともとタイトル画面が星空に台本と椅子みたいな画なのもあるんだけど、星空を眺めてわぁ〜〜っと胸が高鳴るような情景の浮かぶ、そんな曲です。
まえだくんジョバンニの1部ではラスト暗転後無音だったのに2部のおーやぶくんジョバンニの時はこのテーマ曲が暗転後に流れ出したの不意打ちすぎてまた泣いてしまった。

「また泣いてしまった」
そうなんですよ、この記事のタイトルにもしたんだけど、私、この作品で涙腺がぶっ壊れてしまったんですよね。
いや、めちゃくちゃ泣いた。顔から出るもん全部出たね。1部も結構泣いたんだけど、まぁ内容は分かったし2部はそんな泣かんでしょうと思ったけど多分2部の方が泣いた。
そんでもって感想書こうと思ってタイムシフトでもう1回見たんだけど、アホかと言うくらい泣いてしまい目が腫れた。完

トークコーナーで「酒のつまみに演劇を」って話が出てたんだけど酒どころじゃないでしょこれ。お酒たしなまないからよく分からんけど序盤で2口くらい飲んだら後半もう何かを口に運べるほど余裕持てるシーンないよ。(個人の意見です)

「深海のカンパネルラ」の物語をざっくり説明すると

親友のけんじとりく、けんじは星が好きでプラネタリウムに通っていて、りくは魚が好きで水族館に通っていたという同級生同士。
最初は特に接点もなかったみたいだけど、サンシャインの前でチケットを持って立っていたりくを見つけたけんじが一緒に行こうと声を掛けたところから友達に。
けんじはサンシャインプラネタリウム、りくはサンシャイン水族館を見に来ていたんだけど、勘違いから喧嘩をしたりしながらお互いの趣味を尊重し合える仲になり親友と呼べる存在になっていく。
しかしけんじは水泳部の活動で波にさらわれ海で事故死。そこからりくの時間は止まってしまい、けんじとの思い出も封印してしまう。
けんじから借りた「銀河鉄道の夜」を読みながら、自分たちの姿をジョバンニとカンパネルラに置き換えて現実逃避するように物語の世界で過ごすりく。
「銀河鉄道の夜」の物語の最後、カンパネルラ(けんじ)が銀河鉄道に乗って天上へ行ってしまう結末が受け入れられないりく(ジョバンニ)は物語を最後まで読むことができず、同じところを何度も何度も繰り返し読み続けていた。
そんなある日、突然知らない男性がりくに「いいのかい?」と語りかけてきて「君は(銀河鉄道から)降りなさい」と諭す。ここに出てくる男性は宮沢賢治で、宮沢賢治と対話したりくはけんじと向き合う決心をする。
「銀河鉄道の夜」の物語を最後まで読んだりくは、けんじとの思い出を思い出すことができ、最後、海の底にいるけんじと話をしてお別れをする。

だいたいこんなお話。だと思う。解釈が違ってたらすんまそん。
今、物語の説明を終えてここから感想をどうやって書いていこうかめちゃくちゃ悩んでるんだけど、オタクだから萌え語りは得意でも感動を文字に起こすのはそうでもなくて完全に"詰み"ですね。

まずごーもとさんの話からしていい??
いや、ごーもとさんめちゃくちゃカッコ良くない!?カッコイイよね!?スタイル良!!
最初、ライトがパッと付いて、台本を読み上げながらスーッとごーもとさんが画面に入ってくるじゃん。

スタイルが良!!!!(2回目)

後から調べたんだけど身長186㎝もあるんだって!!
声も心地良いし、佇まいに雰囲気があるって言うか、立ち姿がカッコイイ!!めちゃくちゃいい歳の重ね方していらっしゃるなぁ。

ごーもとさん、作中ではハッキリ描かれないけど宮沢賢治(「銀河鉄道の夜」の作者)役なんだよね。
ほさかさんのアフタートークの内容も合わせて考察すると、ごーもとさんの演じる宮沢賢治は"銀河鉄道に乗車し続けている人"という事になると思う。

本来、銀河鉄道に乗っている人は天上(あの世)へ向かう人、つまり"死人"で南十字駅のサウザンクロスにある天上への入口に向かって、銀河鉄道に乗って旅をしている。
だけど、このお話では別の理由で銀河鉄道に乗っている人も描かれていて、それは"現実を受け入れられずにいる人"。そのうちの1人が宮沢賢治で、もう1人は今作の主人公であるりく。
りくは親友けんじの死を受け入れられていないから銀河鉄道に乗車し続け、同じ物語を何度も繰り返しているんだけど、宮沢賢治が今も銀河鉄道に乗り続けている理由は最愛の妹の死を受け入れることができずに居るから、ということだと思う。
"銀河鉄道に乗っている人=現実を受け入れられずにいる人"と言う読み方ができるんだけど、現実を受け入れられずにいる人は死んでいるのと同じで時が止まってしまう、だから死んだはずの人が乗る銀河鉄道に乗車できているんじゃないかな、と私は解釈しました。

宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」の世界を旅するりくを、ずっとりくには見えないどこかから見守ってくれているんだけど、現実を受け入れるべきか(銀河鉄道を降りるべきか)思い悩むりくを見て、遂に姿を現して語りかけてくれる。
「現実を受け入れることは思い出すこと、思い出すことは忘れること、忘れるということは、生きているということ」というふうに宮沢賢治は語るんだけど、そこに「それを出来るのは生きている間だけ」と付け加える。
それはきっと、生きている間に妹の死を受け入れることができず今も銀河鉄道に乗車し続けている宮沢賢治の体験談というか、教訓のような話なんだと思うし、同時に、りくには自分と同じようにはなって欲しくない、なるべきではないという気持ちからのアドバイスのようなものかなと思う。

りくはけんじを失ってからずっと、けんじの死を受け入れること(けんじとの思い出を思い出すこと)を拒んでいたけど、自分を心配してくれる兄の呼びかけで心を揺さぶられていた。
宮沢賢治は、けんじのことを思い出し始めた(けんじの死を受け入れようとし始めた)りくの背中をとん、と押してくれたように感じる。
「君は、降りなさい」君は銀河鉄道から降りて、現実を受け入れて、生きていきなさい。その言葉を受けたりくはやっと、銀河鉄道から降りたその先の物語を読み進めることができた。

物語を読み終えると、最後のページにはけんじの残したサンシャイン水族館のチケットが挟み込まれていて、そのチケットを見たりくはけんじとの思い出を思い出していく…という感じに物語は進んでいくんだけど。宮沢賢治めちゃくちゃいい役だな。
宮沢賢治がりくを見る眼差しが優しくて、まるで父親みたいなんだよな。りくの気持ちが分かるからこそ、寄り添えた人物というか。
ごーもとさんのお人柄も垣間見える素敵な役で、りくを優しく見守ってくれて、気さくで堅苦しすぎないしゃべり口調でりくの警戒を説いてくれたり、時には厳しく言い聞かせてくれたり。
すごく味のあるいい役で、自然で堂々とした迫力のある演技だった。

さっき話してた中に出てきたりくを心配してるお兄ちゃんの役がくわのさんなんだけど、くわのさんシンプルに演技うめぇ〜〜〜
すごいな、存在感があって、ぐっと画面が引き締まるというか。
りくがけんじを思い出すきっかけを作ってくれるのがお兄ちゃんで、言い方は厳しいんだけど誰よりも弟のりくを心配していて、立ち直って欲しいと思ってくれている人物で。
愛してるから、大切だから、厳しく言うんだよね。現実と向き合って欲しいし、りくにはそれができると思ってるからああして声を掛けたんだもんね。

りくはお兄ちゃんとの会話の中でやはり現実を受け入れられず、また一心不乱に「銀河鉄道の夜」を読み始めてしまって、お兄ちゃんは諦めたようにりくの部屋を去るんだよ。
このシーンだけだとお兄ちゃんの問いかけは無駄だったように感じるんだけど、りくはお兄ちゃんとの話の中でけんじのことを少し思い出していて、その後1人でけんじのことを思い出して向き合おうとし始めてたんだよね。
お兄ちゃんがああして話してくれなかったら多分りくはずっと銀河鉄道に乗車したままで、宮沢賢治も出てきてはくれなかったと思う。
この先、けんじの死を受け入れて別れを告げたりくがどう生きていくのか心配なんだけど、こんな素敵なお兄ちゃんが居てくれるなら、りくをこんなに愛してくれる家族が側に居るなら、きっと大丈夫、そう思いたいな。

あと、くわのさんは銀河鉄道の車掌さんの役もされていて。
アフタートークで出た話なんだけど、りくが銀河鉄道を降りる決意をした時に車掌さんがすっと帽子を取って、一瞬お兄ちゃんの顔になって立ち去っていく、という演出があるのね。
素敵な演出!!って俳優陣が盛り上がってて、へ〜!!そうなんだ!!と思ったところまではいいんだけど

つまり…どういうことだってばよ!?(低知能)

銀河鉄道を降りる決意をして一歩前に進み出したりくを見守っているお兄ちゃんの表情を、車掌さんの最後の表情に重ねて演出した。みたいな解釈でいいのか!?
基本的に偏差値が低いのでこれが正解だという確信がない。でもこれしか思い付かなかった。
車掌さんの最後の表情「よく決断されましたね」というような優しい兄の表情なんだよな。やぶりくもその表情を見てハッとしてて、ここでお兄ちゃんの気持ちというか、愛に気が付いた。みたいな演出??で合ってる??
解釈はまぁ人それぞれだとは思うんだけど、正解があるなら答え合わせしたいし知りたいですね。どうなんですか??(知らん)

演劇奥深え〜〜〜〜!!!!
アフタートークで話題にならなかったら絶対に気付かんかった。何かとんでもない読み解き違いをしてたら恥ずかしいんですけどその時はこの人頭悪いなと思いながらスルーしてください。

この後いよいよ大本命のりくとけんじの話なんだけど、役が入れ替わるじゃんこいつら??どのように書くと上手くまとまるのかまるで分からないんですが。再びの"詰み"。

まず物語の冒頭

りくは気が付くと銀河鉄道に乗車していて隣にはけんじが座っている。けんじはカンパネルラと言う名前になっていて自分のことは「ジョバンニ」と呼んでくる。
違和感を感じながらもカンパネルラと共に銀河鉄道の旅をしている中で、ここが「銀河鉄道の夜」の物語の世界であることを理解していくりく。
この物語を読んでいる時はカンパネルラ、けんじに会える!
でも「銀河鉄道の夜」の物語の結末は決まっている。カンパネルラはきっと天上へ行ってしまう。南十字駅のサウザンクロスで降りて、自分を置いていってしまう。
その結末を受け入れたくないりくは物語を何度も何度もやり直し、結末を変えることはできないかと試行錯誤する。だが、物語を書き換えることはできない。
りくは開き直って「それなら最後まで読まずに、何度でも最初からやり直せばいい」と、また物語の最初のページを開き直す。

というのが冒頭部分のお話。
この部分、個人的には物語をなんとか変えられないか、もっと長くカンパネルラ(けんじ)と銀河鉄道の旅を続けられないか、試行錯誤するりくが悲しくてツラかった。
初視聴時、タイムリープものなのかなと一瞬思ったんだけど、これはもう結末の決まっている物語だから、結末や話の大筋を変えることはできないんだね。

やぶりくは「どうしよう」という焦りを強く感じる、どうにかしなきゃ、このままじゃけんじがいなくなっちゃう、っていう焦り。
焦りを感じてるのはりゅーりくも同じなんだけど、やぶりくはその先に「恐怖」を感じているように思う。1人にされるのは寂しいし怖い。
私がそう感じただけだから実際2人がどう解釈してどう演じていたのかは知らないんだけど、やぶりくは「けんじがいなくなることが怖い」りゅーりくは「けんじを失ったことを思い出すのが嫌」というふうに感じる。マジの主観です。

やぶりくはけんじに置いて行かれたことを受け入れて1人になるのが怖くて、りゅーりくはけんじを失ったことを受け入れて絶望するのが怖い。というのが全編通してそれぞれの軸のように思う。
「置いて行かれた」というのと「失った」というのは似ているようで違うし、細かいニュアンスの違いではあるんだけど。

伝わるかな、伝わらない気がする。
語彙力〜〜〜〜(叫ぶな)

この2人、役を入れ替えるからもちろん立場も入れ替わるんだけど、入れ替わってもその根幹にあるおーやぶくんの弟属性とまえだくんの兄属性みたいな部分って変わらないように思う。
りゅーりくから見たやぶけんじって、勝手気ままで人の気も知らないで明るく突っ走っていく放って置けない存在って感じだし、やぶりくから見たりゅーけんじって明るく声を掛けてくれて自分を引っ張って行ってくれるかけがえのない存在って感じで。
ヤバい、あまり適切に表現できてない気がする。もっと国語を勉強しておけば良かった。
これは私がそう思うというだけの話だし、マジ色眼鏡なのかも知れないんだけど、どっちがどっちの役をやっていたとしても「もしこの2人が兄弟だったとしたら兄はどちらですか?」と聞かれた時、役に関わらずどちらも「まえだくんの方がお兄ちゃんぽく感じる」という話です。

「物語を変えられないなら初めからやり直せばいい」と本を閉じるシーンはりゅーりくの方が潔く開き直ってる感じがする。
やぶりくは「これ以上進めたらサザンクロス駅でけんじ(カンパネルラ)が降りて一緒に居られなくなっちゃう!止めなきゃいけないから閉じなきゃ!」って感じなんだよな。そして、閉じてほっとする、みたいな。
本を閉じればやり直せるってシステムには途中で気が付いているんだけど、それに気が付いた時にこれが物語の中だけの話だってことにも気が付いているようで切ないな。

りゅーりくはやぶりくよりも状況が分かっていて、このまま進んだらけんじが死んだ事実と向き合わなきゃいけないことは初めから漠然と感じてて、それを回避するために、それは逃げだと分かった上で最初からやり直しているし、やり直せるうちは大丈夫みたいな謎の余裕を感じるんだよな。
りゅーりくの方がこの物語のシステムを割り切って楽しんでると言うか。やぶりくはまだどうしていいのか分かっていなくて、物語が始まって目の前にけんじがいる間は楽しいんだけど、このシステム事態を楽しんでいる訳ではないというか。
そういう意味で、りゅーりくの方が病み度は高く感じる。手の付けられない病み方してて、本当にまえだくんそういう難しい感情というか、精神状態を演技に乗せるの上手いよね!?

このシーンの後、くわのさんの演じるお兄ちゃんが部屋に入ってきてりくは現実世界に引きずり戻されるんだけど。
けんじが死んだことは分かってる、分かってるけど受け入れることはできないりくの叫びがめちゃくちゃ悲痛で切ない。

ここのやぶりくの怒り方とか泣き方がさぁ、めちゃくちゃ幼くて可愛いんですが。(は?)感情大爆発で自分でも悲しいのか怒ってるのかもう訳分かんなくなってそう。
りゅーりくはこの辺の演技すごく丁寧で分かりやすかったな。割りとしっかり自分の話をしていたりゅーりくが「水泳部」と口にする時の絞り出すような、悔しそうな声色がね、すごい。
お兄ちゃんに「水泳部の練習で海に行って波にさらわれた」って話をされている時に遮ろうとする「うるさい」で急に子どもっぽくなるような気がして、水泳部の単語が出たところから感情がガタガタになっていく演技がすごい。まえだくん病んでる演技上手いな。
やぶりくは「水泳部」って単語が出る前から感情ガタガタでずっと泣きそうで始終子どもっぽい印象。「水泳部」って言う時のハッとした感じは「思い出したくないことを思い出した」と言うよりは「忘れていたのに思い出してしまった」という感じで。自分でも自分のこと分かっていなさそうなチグハグ感が怖いというか危ういというか。

この後また「銀河鉄道の夜」の物語の中に入り込んで銀河鉄道に乗車したりくは宮沢賢治と出会うんだけど。
りゅーりくはお兄ちゃんに対してあれだけ感情的になっていたのに宮沢賢治に対しては穏やかで、心を開いているのか笑顔も見せるし、話もしっかり聞いていて。宮沢賢治の人柄の暖かさみたいなものに触れて、安心してる感じがする。
そして、宮沢賢治が物語には登場しない自分と同じ立場の乗車客だと言うこともなんとなく分かっているのかな。そんな感じ。穏やか過ぎてちょっと怖いくらい。
やぶりくは宮沢賢治の登場にものすごく驚いていて。驚いているし、知らない人だからちょっと怖がっているような印象を受ける。りゅーりくみたいに宮沢賢治の話に笑顔を見せたりしないし。始終動揺気味。

やぶりくはけんじの死を受け入れようと心に決めて一歩を踏み出して、泣きながら、それでも前に進もうとする演技がすごく上手。
このシーン、宮沢賢治に対する感情の持ち方やリアクションに結構大きく違いがあって、それぞれに解釈も演じ方も持っているように思うから、見比べるとすごくおもしろいシーンだと思う。

宮沢賢治に背中を押され、とうとう銀河鉄道から下車したりく。
最後のページに挟まっていたけんじの水族館のチケットを見て、けんじとの思い出を思い出して行くってシーンになるんだけど、最後のページに水族館のチケット挟まってんの超エモくない!?エモいわ!!
しかもこのチケット、まえだくんとおーやぶくんがこの物語への理解を深めようと突発で池袋サンシャイン水族館とサンシャインプラネタリウムに行ったリアルチケットを使ってるんだよ。
激エモですね。(語彙力死んだか??)

チケットを持ってサンシャインの前に立っているりくとけんじ。
けんじはりくの姿を見つけ、りくも自分と同じサンシャインプラネタリウムに入るものだと勘違いして声を掛ける。
声を掛けられたりくは、けんじも自分と同じサンシャイン水族館へ行くのだと思い嬉しくなって返事をするが、どうも会話が噛み合わない。
お互いのチケットを見せ合うと、それぞれ別のチケットを持っており暴言を吐き合いながら幼稚な喧嘩をする2人。
けんじは「星なんて豆電球みたいなもの見て何が楽しいんだよ」と言われ、ふてくされてしまったように思えたが「後で水族館も付き合ってやるから来い」と強引にりくをプラネタリウムに連れて行く。
プラネタリウムで星を見るけんじはとても楽しそうで、次第にりくも一緒になって星に夢中になっていた。
その後は2人で水族館へいき、りくの案内で海の生き物を見て周った。その日が終わる頃にはギクシャクしながらも2人は友達と呼べる存在になっていた。

というような感じの回想シーン。
割りとクソみたいな感想なんだけど言っていい?
回想シーンで口喧嘩になった後の「やるか?(喧嘩するか?)」全く同じセリフなのにりゅーりくが言うと「コイツ喧嘩強そうだな」って感じなのに対してやぶりくが言うと「コイツ絶対に喧嘩弱いな」って感じるのシンプルにウケてしまった。

やぶりく、けんじに半ば無理矢理連れて行かれたプラネタリウムでなんだかんだ言いながら最初からおめめ丸くしてお星様を見つめてるのが可愛い。(りゅーりくは最初マジで興味なさそうにしている)
そして暴言を投げ合っているシーンで見せるそれぞれの「水族館」の変顔バリエーションが愛しい。どうでもいいけど水族館をモチーフにした変顔をしろって結構難易度の高い要求だよな。求められてやったのか自ら変顔したのかは知らんが。

チケットを見て、けんじとの思い出を思い出したりく。
気が付くとけんじも一緒にいて、2人で「さぶい!!若さって怖い!!」と恥ずかしい過去の自分たちを見て笑い合う。
けんじのことを思い出したりくはようやくけんじと向き合うことができてやっと顔を合わせられた、という解釈でいいのかな。
宮沢賢治が「お別れを言う時は、会える」と言葉を残していたんだけど、その言葉通りけんじが来てくれて。

りくが途中「お前、そこにいるんだろ」と問いかけるシーンがあるんだけど、けんじはどうやら今も海の底にいるみたいなんだよね。
つまりけんじの死体って未だに上がってないって事なのかな。お葬式はしたけど最後に顔を見てさよならを言えてないって事になるんだろうか。だとすると、りくは余計にけんじの死を受け入れられなかったのかも知れないね。

海の底にいるけんじが事故から今までの間に見た景色をりくに話してくれるシーン、やぶけんじの演技がめちゃくちゃ良くて。
やぶけんじの語る深海の様子がわーっと目に浮かぶというか。そんな興奮してしゃべるほど綺麗な光景だったんだねーって。
ここからめちゃくちゃおーやぶくんを褒めますけど、おーやぶくんの演技って背景や情景がしっかり見えるんだよね。
おーやぶくんの演じているキャラが見ているであろう世界をこちらも見ることができるって言うか、いや実際には見えませんよ!?まるで見えるように感じ取ることができるって話で。
私はおーやぶくんを見るのが好きだし俳優として好きだから、そりゃもう一生懸命見てるので、より感じ取りやすいというのはもちろんあると思うんだけど。キャラの背景や、見えている情景を演技だけで伝えられる若手俳優ってそんなに多くないと思うんだよね。
若手俳優は歌とかダンスとかそういう分かりやすい項目に特化して武器にしてる人は割りと多いと思うし、私もそっちばっかり気にして見てたから、演技力に関して良いとか悪いとかあんまり考えたことがなかったんだけど。こんなふうに思う日が来るとは思いもよらなかったっていうか。

まぁ私が個人的におーやぶくんの演技が好きという話になるんですが。でもおーやぶくんも表現するのが得意な感情、苦手な感情とあると思うし、このシーンはまえだくんの方が伝え方が上手いなあとか思うところもたくさんありました。
それぞれいいところがあって、得意なところがあって、そんな2人が役を交換して演じるところを見られたのはすごく貴重な経験というか。
比較してしまうとどちらが良いとか悪いとか、そんな話になってしまう可能性もあるし迷ったんだけど、比べることで、より分かりやすくなるところもあるし、お互いの良さが光って見えたり、そういうプラスの比較ができたらいいなと思って書いたんだけど。
日本語が下手なのでどちらかを卑下したように感じる人がいたら申し訳ないです。

深海の様子をけんじから聞いたやぶりく「羨ましいよ…羨ましぃ…」の後に、涙を流しながら「俺もそっち行きたいよ…」とつぶやくんだけど、マジで切なくてここで涙腺が壊れた。
可愛い顔でぽろぽろぽろぽろ涙こぼしててなんか愛しくなるな!!めちゃくちゃいい演技で涙腺が壊れた話なのにクソみたいなオタク感情で茶を濁してしまった。
ちなみにこのシーン、りゅーりくとセリフが違くてビックリしたんだけど間違えたのか演出変えたのかどっちだったんだろう!?りゅーりくはここのセリフが「俺も見たいよ、それ…」なんだよな。

ここでけんじが「俺はりくの方が羨ましいよ」と、最後にもう一度、星を、星空を、星座を見たかったって胸の内を語るんだけど、ここのシーンのやぶけんじめちゃくちゃ良くなかった!?いや、良かったんだよ!!
やぶけんじはまだ生に執着があるんだね、りゅーけんじはもう達観してそうな感じすらあるんだけど。けんじの生死観がそれぞれで結構違う気がした。

やぶりくの「死ぬのが悪いんじゃん!!」宇宙一可愛い生き物で無理になった。何故こんな可愛い生き物を残して…??マジで帰ってきてくれけんじという気持ちになった。(は?)

最後にりくが「レグルス」と叫んでけんじを引き止めるところ。
りゅーりくは「レグルスーー!!!!」って叫びがそのまま「行くなーー!!!!」に聞こえたよ。すごいな。
その声でけんじは振り返るけど、優しく笑ってそこから立ち去ってしまうんだよな。残されたりゅーりく、めちゃくちゃ泣いてて、泣きながらすごく悲しそうな顔で本を閉じて暗転なんだけど。
あまり救われた感じがしなくて大丈夫なのか心配になるんですが。

宮沢賢治は「お別れを言う時は、会える」と言っていたのに、この最後のシーンでりくはけんじにお別れは言ってないんだよね。
見つめ合って、切なそうに笑って、最後に本を閉じ、暗転。

ちょっとダークな終わりに捉えられなくもない終わり方なんだよな。大丈夫なのか!?この先りくはちゃんと立ち直って生きていけるのか!?その辺の保証が一切ない終わり方してて。
この後「りくは夜の海に身を投げて自殺しました。2人は海の底で一緒になりました。終わり。」みたいなエンディングですよと言われたらそれもありそうな感じなんだよ。不安だわ。
私はハッピーエンドが好きなので暗転後のことに関しては考えないことにしました。普通に立ち直って幸せに生きて行ったかも知れないしな。うん。

本編感想は以上です。
おーやぶくん第2部のアフタートークめちゃくちゃ疲れ切ってて、まぁあれだけ泣いて怒鳴って感情爆発させたらそりゃ疲れるよな。
魂どこかに飛ばしちゃったのかなって感じで。そこまで頑張って演じられたのは素晴らしいことだと思うよ。
まえだくんもめちゃくちゃ熱演だったし、ごーもとさん、くわのさんの安定感も心強く心地よかった。
ほさかさんの脚本でこんなに素敵なお芝居が見られて、本当に素敵で貴重な時間だった。

眠らない羊たちの朗読会、1stシーズン、本当にお疲れ様でした。
2ndシーズンが開催されたらまた視聴したいです!

まだ書きたいこと30個くらいあるんだけどもう疲れ果ててて(感想書いて疲れ果てるな)これ以上無理なので終わります。
突然終わろうとし出した上にまとめ方が雑で申し訳ないんですが、はやくコロナが落ち着いて、普通に劇場で観劇ができるようになりますように!!!

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