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仕事の要諦 整理整頓

様々な料理コンクールが実施されてますが、最近では評価の対象として出来上がった作品だけではなく完成に至るまでの作業の段取りや流れ、そして作業終了後の整理整頓などもその判定項目にあることが増えているようです。
出来上がりだけが良くても、仕事の基本ともいえる清掃や清潔感、衛生に対する認識なども達成されていなければならない、そのことも重要視されてきたということでしょう。

およそプロとしての仕事の流れは、極めてスムーズに段取りよくというのが前提だと思います。
飲食店であれば、店舗の清潔感という食に携わる人間がおよそ第一にしなければならない事柄が疎かにされている店屋などは、料理以前の問題だと思います。
清掃が行き届いているお店は間違いなくそこの料理人の方の仕事も手際よく、プロの技を見せてくれるものです。
逆に、汚いと言われる清潔感のない店屋に美味しい料理があることは少ないようです。
(中華料理店は汚いほど美味しいなどと流布されているようですが、そんなことはあり得ないと思ってます)

私の現役時代でのことで恐縮ですが、職場の標語として「捨てる・決める・戻す」というのがありました。
この言葉は、今でも私が気に入っているもののひとつです。
捨てる、ということも簡単にできそうで、要らないものがどんどん溜まってゆくというのは家庭でもあることです。
個人の家の中でのことなら、それも思い出のひとつとして置いておいても良いでしょうが仕事場では話が異なります。

一年間一度も目を通していない書類などはすべて捨てろ、とも言われました。
通年で一度も見返していない文書などは、業務上無駄なだけです。
経理上の書類などで法定の保存期間が定められているものは、もちろんその期間は破棄できませんがそれ以外のものはおよそ無用だといいます。

決める、ということも大事ですね。
すべて業務上の備品というものは、所定の置き場所を定めることが、特にチームプレーをする場合には必要不可欠。
そして、かならずその決められた場所に「戻す」ということがスムーズに業務を遂行するための必須事項です。
今忙しいからと所定の場所に戻さなかったら、他の人がその備品を使用しようとした場合、探すのに無駄な労力を使ったりむやみな混乱を招くことになります。
業務の円滑さに破綻をきたします。

ひいては、整理整頓から清掃というのはその業務内容に関わらず、およそあらゆる職種に適用できるのではないかと思います。
出来上がった商品だけが綺麗で立派でも中の作業場は無茶苦茶。
飲食店では、料理だけが体裁を整えているのですが、バックサイドはひっくり返っているというのでは本当のプロの技ではないといえるでしょう。

バックの綺麗なお店はホールサイドも綺麗というのは、ほぼ間違いのない法則のようです。
そして、そういったお店の調理の方は手際が良いというのもこれも連鎖した事象のようですね。
綺麗なお店には美味しい料理がある。
当たり前のようですが、これはかなり確度の高い判断基準のようです。

飲食店の場合、掃除が行き届いてないあるいは汚いなど気に入らないときにはそのお店へ行かないことで済みますが、人の命を預かる職種の場合にはそれでは済みません。
病院などがそうです。

病院では、患者サイドから見えるバックというものは「ナース・ステーション」ということになるでしょう。
ここの状態が整理整頓が行き届いているかどうかで、およそその病院の医療体制までもが見えてくるとつくづく思います。
なんとなく陰気で汚い印象の病院や施設もあるでしょう。
しかし、患者サイドは簡単には病院や施設を選べないのです。
特に、救急で搬送された場合などその病院にお世話になるしかありませんから…

話が、食のことからまたえらい脱線してしまいました。(笑) 
ようするに、綺麗なお店は美味しいという事です。
そして、掃除の行き届いている店屋の調理人は、必ず素晴らしいプロの技を見せてくれることでしょう。

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