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賞味期限の見直し

先日来のニュースで、この賞味期限を見直す動きが出てきたと報じられてました。以前から、この手の表示には懐疑的な気持ちを持っていたのですが、ようやくその改善の兆しが現れてきたようです。

この賞味期限とともに、消費期限というのもあってややこしい限りですが、生ものなど特に痛みやすい食材には「消費期限」という表示がつけられますね。その表示期限までは、安全に食べることができるという意味合いだそうです。いっぽうの「賞味期限」は、これまた曖昧なものですが、美味しく食べられる期限ということで、非常にグレーな表現です。

美味しいか美味しくないかは、きわめて個人的な嗜好の部分に相当するのに、こんなものに期限を設けられてもどうかと思ってました。たしかに、スナック菓子など揚げ物系の素材は、長く置くといわゆる油が廻った状態になり、美味しくなくなります。このような商品には、この賞味期限的な表示は必要かもしれません。

この賞味期限などの表示に振り回されるのが、食品業界です。消費者により安全で美味しい状態の商品を提供しなければならないという、いってみれば暗示的にも等しい制約を受けて、メーカ側では安全策を採ります。時代とともに、このフェイルセーフ的な対策が徐々に過度ともいえる状況になってきており、現在は3分の1ルールという暗黙の取り決めがあるそうです。実際の賞味期限よりもさらに3分の1短い期限でもって、該当の商品を回収するというのです。

例えば、賞味期限が1年の商品であれば、その1年の3分の1である4ヶ月短い期間、具体的には製造発売から8ヶ月でもって回収が始まるというのです。たんなる目安にも等しいこの賞味期限。多少どころか、かなりの期限オーバーでも私は自分で見て問題なければ食べます。その曖昧な期限のさらに短い期間でもって、まだまだ食べることのできる食品を回収してるのです。回収といえば聞こえがいいのですが、その商品の末路は廃棄です。

飽食の時代といわれ、食品やその素材の無駄遣いが指摘されて久しいです。ようやく、今回の動きでよりよい方向へ展開することを願います。素案では、賞味期限に並行して「期限を過ぎても食べることができます」などという表示をすることが提案されてます。また、「期限」という言葉自体が、すでに強制的な印象を与えるとしてこの文言の見直しもするようです。いいことですね。

賞味期限、神経質になりすぎるのも疑問です。自分で判断してから食べたいものですね。

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