「シバきあい!!」ライブレポートを書き終えて
リアルサウンドにて、ビジュアル系バンドのライブイベント「シバきあい!!」のレポートを掲載いただきました。
「己龍、BugLug、RoyzらV系シーン担うバンドが集結 レーベル合同ツアー『シバきあい!!』の意義」
https://realsound.jp/2018/09/post-252230.html
純粋なライブレポートだけではなく、このイベントがなぜ開催されたのか、どんなねらいがあるのか、まで言及して書きました。
複数のバンドが集まって開催されるイベントライブは、出演バンドにとって、他のバンドのファンを自分のバンドのファンにするチャンスです。これは至極単純明快で他のイベントライブにも言えること。そのため、イベントによっては「今日は他のバンドのお客さんを奪いにきましたー!」というスタンスを思いっきり表に出してくるバンドもいます。
しかしながら、このような「ファンの取り合い」にはいつのまにか暗黙の前提条件ができあがっているように思います。それは
他のバンドのファンを獲得する=「本命」のバンドを他から自分のバンドに変えてもらうこと
という前提条件。アイドル界隈で言われるところの所謂「推し変」です。
じゃあ「推し増し」ではダメなのか?たとえ「本命」ではなくとも、好意的に思ってもらえればいいのではないか?そこに気づき、スタンスを全面に表したのが今回の「シバきあい!!」というイベントだったのではないかと思います。
これは「甘え」や「妥協」ではなく、いわば「ファンになってもらうためのハードルを下げた」といえば伝わりやすいでしょうか。
ファンになるということは、曲をなるべく多く知っていなければいけないだとか、メンバーのことを熟知していければいけないだとか、ノリ方を把握していなければいけないだとか、そういったことを障壁と捉えてしまう人もいます(プロフィールに「〇〇バンドについては勉強中です」なんて書く人もいるくらいですから)。
もちろんバンドにとっては「本命」になってもらうことが嬉しいに決まっていますが、そうじゃなくたって、好意的な思いがあれば、ファンであることには変わりありません(ファンの定義が物議を醸したことがありましたが、ここではバンドに対価を払う人を前提としておきますね)。そしてバンド同士も、敵視するのではなく、リスペクトし合い、シーンを盛り上げていく方が、結果的に自分たちにとってプラスに作用すると気づいたのでしょう。
結局のところ「シバきあい!!」は、シーンのバンドをより多く愛してほしいというメッセージを伝えたかったのではないでしょうか。現在だけではなく、未来を見据えた6バンドによる、意義のあるイベントライブであったと推察します。
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