3Dプリンタでつくる自助具製作Q&A
Q.3Dプリンタで自助具を作るために必要な機材や準備は何ですか?
A.
1. 3D プリンタ(1万円前後〜数十万円)
2. 材料であるフィラメント(3,000 円前後 / kg)
3. パソコンまたは SD カードにデータを送ることのできるスマートフォンや iPad などのデバイス
上記3点があれば始めることができます。
『無料データをそのまま 3D プリント 作業に出会える道具カタログ/事例集』
上の書籍に掲載されているリンクを含め、インターネット上には多くの自助具の 3D モデルがオープンソース(使いたい人が誰でもダウンロードなどして活用できるよう、主にインターネット上に共有されていること)として公開されています。SD カードにデータを送ることのできるスマートフォンや iPad などのデバイスがあれば、パソコンなしでもつくり始めることができます。
Q.おすすめの 3D プリンタはありますか?
A.
私たちが今、お勧めしているものは、FDM 方式(熱溶解積層方式)と呼ばれる、熱いノズルの先から出る樹脂を積み上げていく方式の 3D プリンタです。
ここ数年、比較的安価な FDM 方式の 3D プリンタでも、使用できるフィラメントの種類が豊富になりました。数万円の 3D プリンタでも、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、PP(ポリプロピレン)なども出力することができるものもあります。
3D プリンタは製造国、製造会社、造形エリア、付加機能などでそれぞれ価格が異なります。目的と予算に応じて選んでください。
現在のおすすめ3選
1. Ultimaker
https://ultimaker.com/ja/3d-printers
2. Original Prusa i3 MK3S+
https://www.prusa3d.jp
3.Anycubic Vyper
https://www.anycubic.com/products/anycubic-vyper
Q.材料にはどんなものがありますか?
A.
FFF 方式の 3D プリンタは、材料に「フィラメント」と呼ばれるリール状に巻かれた樹脂を用います。以下に、よく使われているフィラメントをご紹介します。
・PLA(ポリ乳酸)
・PETG(熱可塑性ポリエステル)
・TPU(熱可塑性ポリウレタン)
・PP(ポリプロピレン)
・PC(ポリカーボネイト)
・TRF+H
Q.3D プリンタで制作する自助具の耐久性を高める方法はありますか?
A.
・折れにくいデザインにする
・粘性の高い/靭性の高いフィラメントで製作する(PETG、TPU、PC、など)
・充填率、充填パターンを調整する
・出力方向の調整をする
・ノズル径を太くする
・出力調整をしっかり行う(レベリング・温度調整など)
Q.製造物責任についてはどのように考えたら良いですか?
A.
製造物責任法(PL法)の対象者に該当するのは、製造業者となります。
繰り返し生産を行い、商用で他人に提供していると「製造業を行なっている」と言えると思います。
一方、医療・介護サービスの一環として、当事者に対し自助具を提供する行為は製造業には該当しないという考え方があります。
それが正しかったとしても、サービス内で行った行為同様、その方との関係性が悪くなったり、最悪の場合は訴えられることもあるかもしれません。
最も重要なことは、当事者の方とのコミュニケーションです。
一緒に、よりポジティブな未来に向けて道具をかたちづくる行為は何ものにも変え難いものがあります。逆に、危ういと評価したら、そのやりとりを含め、道具を安易に渡すことはしない判断も時には必要です。
一緒に取り組み、渡しっぱなしにせず、評価と改善を常に行うことで、様々なリスクを最も軽減させることができます。
それでも、誰かがとても喜んでくれた、役立つ道具は、3D プリンタがあれば簡易に数多く作ることができるので、つくって複数の方にお渡ししたくなります。
その場合は、遠慮なく「製造業」もやりましょう。
製造物責任保険に加入することで、万が一のトラブルの際も保証があります。
様々な保険会社が、相談に乗って下さいますし、相当手広くやらない限りは安価に加入することができます。是非ご検討ください。
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