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「大切に聞く」哲学対話 みみ哲(2回目)開催レポート

11月14日(日)に、2回目の「みみ哲」を開催しました。当日の様子をレポートします。

開催の経緯

哲学対話に参加していると、他の人の発言をちゃんと聞いているつもりなのに話がつかめなかったり、複数の意見が交錯しているうちに何について話しているかわからなくなったりすることがよくあります。

そんな話をメタ哲学カフェなどでご一緒した哲学探偵さんと話していて生まれたのが、「大切に聞く」哲学対話 みみ哲という企画です。

人はそもそも聞きたいようにしか聞いていないし、聞くことは練習を重ねないとなかなか上達しないもの。そこで、遊び感覚で聞く力を高められるような内容を哲学探偵さんに提案していただきました。

タイトルの「みみ哲」には、「よく聞く」ということと、「音声だけ」で行うという2つの意味が込められています。

当日の流れ

進行役は哲学探偵さん。当日欠席が2名出て、参加者は5名。

前半は「みみ哲ゲーム」という、他の人の話をしっかり聞いて、その人の代弁者になるというゲームを行いました。ゲームの具体的な内容は、ネタバレになってしまうため、ここでは省略しますが、1回目の開催を踏まえて、手順や説明を見直したり、問いを変えたりと工夫をしました。

想定通りには進みませんでしたが、それでも、お互いの話を真剣に聞き、大切に代弁するということを体験する時間となりました。

後半は「伝わるってどういうこと?」というテーマで哲学対話を行いました。実体験を共有したり、お互いに問いかけ合ったり、ときに静かに考えたりと、前半の取り組みが活かされた充実した対話になりました。

哲学対話では、言いたいことを言うだけ、訊きたいことを問うだけでは深まっていきません。相手の発言をよく聴いて、理解するためにさらに質問する。そうすることで、ぐっと深まっていくのだということがよくわかる時間でした。

終了後は、30分程放課後タイムを設け、「人の話を聴いていて、情報量が多すぎて許容量を超えてしまうとき、どのように聴いたらいいのか?」について、

・全部受け取ろうとするといっぱいになってしまうので、大事だなと思うところを中心に受け取る。
・「わからない」と言うことを恐れず、聞いていてわかったところとわからないところを見極めて、大事なのでもう一回言ってもらえますか?と訊く。
・話がわからなくなったときは手がかりがないので、「こう言い換えられますか?」などと手がかりをつくる。

など、経験からの考えを共有しました。


ふりかえってみて

「みみ哲」では、ただ「聞く」だけではなく、お互いに「問い」かけて、「代弁」をします。自分では聞いているつもりでも、実際に問おうとすると問いが出てこなかったり、メモできたことしか代弁できないという自分に気づきます。

「大切に聞く」ためには、相手のことを知ろうとし、「なんでそんな風に考えるのだろう?」と興味を持つなど、聞く手前にある「姿勢」が重要だということを、実感する時間となりました。


次回開催の予定

★次回の「大切に聞く」哲学対話 みみ哲 は、年明け以降開催の予定です。

★12月4日(土)14:00~17:00
「哲学対話を楽しむための“問いかける”トレーニング」
考えを深めるために、対話の中で問いかけることを、様々なワークを通して練習していきます。


★毎月開催のオンライン哲学対話

11月27日(土)10:00~12:00、テーマは「労働」

12月25日(土)10:00~12:00、テーマは「プレゼント」



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