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掌編小説

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書き散らしのまとめ
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蝉と蛍

 読書が好きでおとなしい私は、同じクラスにいる私と同じように読書が好きな彼に恋をした。  初めて人を好きになって戸惑った私は友達に相談した。  すると、友達が「そうなの?! 実はアイツからもアンタの事好きなんだって相談されたんだよね」と言ってきた。意図せず両想いだと知ることになった私はとても驚いたが、初恋が通じていると分かってとても嬉しかった。 「付き合っちゃいなよ」  友達が言った。  まだ中学生の私には、好きな人と付き合う、なんて大人みたいなことイメージできなかったが

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告別

 秘密というものは重過ぎる。  それでも「嘘だ」と分かっていても受け入れるしかない現実があって、何を知らされても否定してはいけない事がある。  嘘をつく方も必死なんだ。  その意図を組んで、私たちは首を縦に振るしかなくなる。  私たちは彼の命日さえも知らされなかった。  私たちは建前と欺瞞を繰り返して、儀式ばかりを重んじて本音を隠して生きている。  真実というものはゆっくりと時間をかけて消えていくものだから、口をふさいでいればいずれ消えてなくなる。  そして、そのうちだれが犯

就寝前の恋の駆け引き

 就寝前、LINEの通知がなった。0時すぎ、ベッドの中でぼんやりしている時だった。  仕事の連絡かも知れない…、と通知を見る。  するとそこに久しぶりに見る大好きな名前があった。ロックを解除して見てみると、『誕生日おめでとう』とお祝いのスタンプ。  タイムラインの誕生日通知から知ったのだろう。  彼は、私がひそかにずっと恋心を寄せていた高校の時の同級生。  彼はまさに私の“理想の男の人”といったような人で、今でも時々何かと用事をつけては食事に誘ったり、連絡を取ったりしていた。

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