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龍騎は病院という場所があまり好きではなかった。 健康体で昔から病院にお世話になることは滅多になかった龍騎だったが、お見舞いや付き添いで来るたびに感じる染みついた消毒液のにおいや乳白色の内装、機械のように動く職員にうんざりする。 特にこの内海病院はハッキリと言って嫌いだった。生命を守る場所なのに温もりが感じられない。右を見ても左も見ても弱々しさが目について嫌だった。 そんな大嫌いな病院の廊下を龍騎は早足で歩いていた。 時刻は深夜23時すぎ。 就業時間も消灯時間もとう