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ドイツ生活日記 #9

私はドイツで語学学校に通っています。ここでは、日々の小さなことから大きなことまで、見つけたことや感じたことをランダムに書いています。

2023/05/23

目に見えない雨

家を出ると空気がどんよりしていた。汚れているわけではないけど、視界が良くない感じ。

なんだろうと思いながらも歩くと、それは雨だった。

本当に霧の雨。

バス停に行くまでの数分、左手に持っていたジャケットを見ると濡れていた。

母が前に言っていた「霧の雨ほど濡れやすい」、その通りだと思った。

感覚的にはミスト以下で、これは初めてぐらい細かい。

何かいつもと違うものが降ってくるって、雹や雪が降ってきたときの子供の頃の記憶が蘇りそうだ。

手書きのバス

バスを待っていると、おじさんに「今何時?」と聞かれた。

そしてすぐ、携帯を見せた。

彼は、「ありがとう」と言って去ってった。

いや〜こんなにすぐにドイツ語が理解できたことない。自分の反応だけどびっくりした。

クラスでは一番喋れないけど、毎日何かは学んでるんだ。そう思えた。

そうしているうちにバスが来た。バスの電子掲示板が全部消えてる!

よく見ると、手書きのバス番号がフロントガラスに見える。

最近、電子掲示板壊れてるバス見たけど、またもう一台。手書きってなんかかわいいな〜。

肩車傘に傘

バスに乗って外を眺めていると、横断歩道を歩いている人たちに目が留まった。

お父さんと子供。

肩車しながら、子供が傘をさしている。

意外と見たことない光景だった。
かわいい。

空が人間だったら

もし、空が人間だったら、今日は悲しい日だ。

悲しいことがあって泣いている。

もし雨時々晴れだったら、嬉しくて泣いている。

ついでに虹もでてるかな。

家から自転車で3分

そんな空のことを考えながら学校に行って、授業が始まっていた。

あっという間に昼休みになって、スリランカ人の友達と話をした。

どこに住んでるのか聞いたら、私と同じ地区だった!

「あなたの家まで自転車で3分」

近い!

よく聞いたら、私の好きなアート用品のお店の近くだと思った。

試しに言ってみたら、「それ!私の大好きな場所なの!」と。

まさかのまさか、絵を描く人だった!

秒で、(スマホで)絵を見せてもらうことになって、私も見せた。

素敵な絵を描いてた。

類は友を呼ぶね〜。 

自転車の女の子

夕方、今日は大事な大事な皮膚科の日なので、目的地へ向かった。

家からそこまで遠くないのに郊外感があって、その静けさが心地良かった。

予約の時間に、目的地に着いた。建物の中にあるみたい。壁にあるそれらしき看板に18:00までと書いてある。ボタンを押しても何もならない。(ドイツはインターホンみたいなところにあるボタンを押して、受付の人がドアのロックを外して、やっと入れるシステムだから)入れない。

ロングヘアの男の子が「わからないことがあったらいつでも電話してね」と、言っていたので、(仕事中だけど)電話して、ここで合ってるか聞いたり、入れないことを話した。

私は、ボタンも押しても何もならないし、看板の時間過ぎてるし、予約時間にもなったし、もうプチ・パニックになっていた。

そしたら、急に、近くに自転車に乗った3歳ぐらいの女の子が現れ、なぜか近づいてくる。

彼女がいる歩道から、階段3段下りたところに私が立っているのに、自転車に乗ったまま降りてくる。

周りを見渡すと、数十メートル先にお父さんらしき人が!

女の子は器用にも、3段を自転車で降りて、私の隣にきた。

私は電話をしていて、焦り過ぎておかしくなって、皮膚科が存在しないとかを話している。ロングヘアの男の子が「予約したネットのサイトは本物だよ!スキャムじゃないよ。」と、落ち着かせようとしている。

最後に彼が「ドア開いてるんじゃない?」と言って、ドアを直接開けたら、開・い・た!

ドアはボタンを押して「ビーッ」と鳴らないと開かないっていうのを思い込んでいた。慣れ過ぎて。

そしてドアを開けて入ろうとすると、女の子が!

もう一緒に入ろうとするから、その子のお父さんに目配せして、女の子に「ごめんね、ごめんね。」と言ってドアを閉めた。

ふーっ。

そして建物に入ってすぐに、皮膚科らしき文字を見つけた。ドアを開けようとしたら開かない。隣のボタンを押して、開いた!

皮膚科の受付のおばあちゃん

恐る恐る建物に入ると、受付の人が平均以上に温かく向かい入れてくれた。結構ドイツの人は素っ気ないから、ちょっとでも優しく対応されるとめっちゃ嬉しい。

そして、紙を渡されて、Google翻訳をつかいながら記入した。

受付に戻ると、人が変わっていて、おばさんよりも優しいおばあさんに近い人がいた。

わからないことを英語で聞くと、イギリス英語で素敵に答えてくれた。

とっても素敵な話し方で、ドラマの中の優しいおばあさんといったところ。

さっきの電話での焦りとは裏腹に、ここで働く人めっちゃ良い人たちだと思った。

そうこうしている間に、先生に呼ばれた。

先生もとっても丁寧に対応してくれて、クリーム(ステロイド?)を処方してもらい、顔のクリームのサンプルまでくれた。

しばらくして受付のおばあさんに呼ばれた。

やっぱり素敵な話し方+おおらかなオーラなので、「あなたの英語素敵。英語で話してくれてとっても助かる!」というようなことを伝えた。

英語は少ししか話せないようなことを言っていたけど、十分だし、素敵だ。

ハッピーな気持ちで皮膚科を後にした。

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