【Tableau】What-if分析の実装方法

Tableau導入プロジェクトで躓いた点や発見をTipsとしてまとめます。
導入時の参考にしてみてください!

背景

あるクライアントから「収益管理のWhat-if分析がしたい」と要望をいただき対応しました。

What-if分析は、特定の条件や変数を変更した時に、その結果がどう変わるかを調べる手法です。
簡単に言うと、「もし~だったらどうなる?」という質問に答えるための分析です。例えば、価格を変更した場合の売上の変化や、コストを削減した場合の利益の増減などを予測します。

2023年12月時点で、What-if分析の実装方法について記載された情報は少なく記事化すると役立つかなと思いTipとしてまとめます。

実装

以下、What-if分析の実装手順を記載します。

  1. ワークブック(ビュー含む)を準備する

  2. パラメーターを作成する

  3. 計算フィールドを作成する

  4. ワークブック(ビュー含む)を更新する

  5. テストする

1.ワークブック(ビュー含む)を準備する

What-if分析を適用するワークブックを作成します。
いつもの「サンプル-スーパーストア.xlsx」で各年度の利益と利益率、各カテゴリの利益と利益率といった2つのビューで構成されたワークブックを用意します。

What-if分析適用のワークブックイメージ

上記ワークブックを見ると、2020年から2023年にかけて利益額は上がっているものの、利益率14.1%から11.4%に下がっていることが分かります。
そして、カテゴリ別に利益状況をみるとカテゴリ「家具」の利益率が2023年は大きく下がっており2023年の利益率低下要因になっていることが分かります。
そこで、2023年のカテゴリ「家具」の利益額を何%上げると、2023年の利益率が2020年の14%まで回復できたのか、What-if分析を使って明らかにします。

2.パラメーターを作成する

先ずは、利益額N%上昇を動的に設定するためのパラメーターを作成します。パラメーター名は「利益N%上昇」とします。
パラメーターの設定項目や設定値は下記イメージの通りです。
10%刻みで最大300%まで設定可能とし、パラメーター表示しました。

パラメーター作成イメージ

3.計算フィールドを作成する

続いて、利益N%上昇パラメーターの設定値がカテゴリ「家具」の2023年の利益額に適用されるように計算フィールドを作成します。計算フィールド名は「利益N%上昇ロジック」とします。
なお、パラメーターの設定値を%表示で出したかったので、パラメーター設定値÷100としています。

計算フィールド作成イメージ

4.ワークブック(ビュー含む)を更新する

「利益N%上昇」パラメーターの設定値が利益額に反映されるように、ビューの「利益」を「利益N%上昇ロジック」に差し替えます。
「利益率」も計算フィールドで作成していますので、同じく「利益」を「利益N%上昇ロジック」に差し替えます。

「利益」と「利益率」計算フィールドの差し替え 1/2
「利益」と「利益率」計算フィールドの差し替え 2/2

最終化したワークブックは以下の通りです。

最終化したワークブックイメージ

5.テスト

それでは、2023年のカテゴリ「家具」の利益額を何%上昇させると、2020年の利益14.1%に達するかを挙動テストしながら確認します。

テスト結果

「利益N%上昇」パラメーターも問題なく挙動しており、結果、カテゴリ「家具」の2023年の利益額を100%上昇(2倍)させなければ2020年の全体利益率14.1%に達しなかったことが分かります(今回は、What-if分析の実装方法説明が目的のため考察はここまでとします)。

おわりに

いかがだったでしょうか。
このようなシンプルなケースでもWhat-if分析を用いる示唆に富むインサイト発見確度が高まるため様々なケースでも実装できるように習熟すると、クライアントにとって一層価値あるダッシュボードを提供できるのかなと思います。


参考


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